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02月28日-一般質問-03号

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  1. 新潟県議会 2022-02-28
    02月28日-一般質問-03号


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    最終取得日: 2023-06-14
    令和 4年  2月定例会 本会議令和4年2月28日(月曜日)  議事日程 第3号    午前10時 開議第1 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件 日程第1 県政に対する一般質問(皆川雄二君、長部登君、片野猛君、笠原義宗君、小島晋君、杉井旬君)   ――――――――☆――――――――出席議員(50名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  中 川 隆 一 君  高 見 美 加 君          保 坂 裕 一 君  与 口 善 之 君  斎 京 四 郎 君  中 村 康 司 君          松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君  宮 崎 悦 男 君          青 柳 正 司 君  皆 川 雄 二 君  小 林 一 大 君  冨 樫 一 成 君          楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君  佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君          岩 村 良 一 君  沢 野   修 君  尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君          小 野 峯 生 君  帆 苅 謙 治 君  渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君          樋 口 秀 敏 君  小 島   晋 君  池 田 千賀子 君  上 杉 知 之 君          大 渕   健 君  長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君          杉 井   旬 君  重 川 隆 広 君  秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君          市 村 浩 二 君  安 沢 峰 子 君  遠 藤 玲 子 君  星 野 伊佐夫 君          青 木 太一郎 君  佐 藤 浩 雄 君  小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君          渡 辺 和 光 君  飯 野   晋 君議員以外の出席者  知事           花角 英世 君  副知事          佐久間 豊 君  副知事          橋本憲次郎 君  知事政策局長       小岩 徹郎 君  総務管理部長       森永 正幸 君  県民生活・環境部長    村山 雅彦 君  防災局長         熊倉  健 君  福祉保健部長       松本 晴樹 君  産業労働部長       佐野 哲郎 君  観光局長         妹尾 浩志 君  農林水産部長       小幡 浩之 君  農地部長         登り 俊也 君  土木部長         金子 法泰 君  交通政策局長       佐瀬 浩市 君  会計管理者兼出納局長   綱島 知子 君  病院局長         藤山 育郎 君  企業局長         桑原 勝史 君  教育長          稲荷 善之 君  人事委員会事務局長    川上 克也 君  警察本部長        村田 達哉 君  労働委員会事務局長    須貝 幸子 君  監査委員事務局長     山田富美子 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(佐藤純君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する一般質問 ○議長(佐藤純君) 日程第1、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、皆川雄二君の発言を許します。皆川雄二君。   〔皆川雄二君登壇〕(拍手) ◆皆川雄二君 自由民主党の皆川雄二です。通告に従い、一般質問を行います。 初めに、県政の諸課題について順次質問をしてまいります。 まず初めに、環境問題に関して幾つかお伺いいたします。 本県では、令和2年9月に国に先んじて、2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すことを表明し、今定例会に提案されている来年度当初予算案においても、ポストコロナ社会を見据えた中長期的な取組として、脱炭素社会への転換を大きな柱の一つとして掲げ、家庭、業務、産業、運輸の各部門のほか、農業分野や再生可能エネルギーなど、あらゆる方面からの取組を進めようとしております。 このように、県では脱炭素社会の実現に向けて力を入れており、また先日、予算案と併せて発表された令和4年度の県の組織改正では、新年度からは環境局として独立させ、全庁的な環境施策の総合調整・企画立案機能を強化するとし、新たな体制において、さらに取組を強化していくものと受け止めていますが、今後、どのような方針で取り組むのか、お伺いいたします。 次に、国では、2030年度までに電力消費に伴う二酸化炭素排出の実質ゼロの実現を目指して意欲的に取り組む自治体などを100か所程度選定し、優先的に予算を配分するとしている脱炭素先行地域について、先日、第1回目の募集が締め切られ、全国から79件の応募があり、春頃には第1弾として20件から30件ほどが選ばれる見通しとのことです。 県内からも妙高市・関川村・佐渡市と新潟県の3地域が応募したとの報道もあり、ぜひ選定され、県内の他地域へも好事例として波及することを願うところです。 応募については今後も続くことと思われますので、本県としてもより多くの地域が選定を受けることが望まれるところですが、選定の促進に向けて県としてどのような支援を行っていくのか、お伺いをいたします。 次に、現在の部門別の温室効果ガスの排出状況を見ますと、産業部門に次いで運輸部門が多くを占めています。その運輸の中でも車両が最も多く、さらに自家用車が半分以上を占めている状況にあります。 また、乗用車は、飛行機、バス、電車などのほかの移動手段と比較して、最も気候負荷が大きいとの調査もあるようです。 このようにカーボンゼロの実現に向けては、既に多く普及しているハイブリッド車のみならず、EVやFCV等の環境負荷の少ない自動車の普及が重要となります。 県では以前より電気自動車の導入促進や充電施設の設置支援、最近ではFCVを率先して導入したほか、水素ステーションの設置支援や燃料電池バスの導入など、積極的に取り組んできていますが、今後、県として普及促進に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 次に、企業誘致の関係についてお伺いいたします。 県内では、近年IT企業の誘致件数が増加していると聞きます。実際、今年1月にも県と糸魚川市が連携して誘致を進めてきた東京のIT企業が、糸魚川市にオフィスを開設するとの報道もありました。 首都圏ではIT人材の確保が困難な状況もあるようですし、本県では交通インフラが整備され、首都圏との距離が近いことや、雪冷熱を利用したデータセンターも設置されるなど、選ばれやすい好条件が整っているものと思いますが、この増えている要因をどのように捉えているのかお伺いをするとともに、企業を誘致することで、雇用の場の創出のみならず、経済や地域の活性化にもつながることから、引き続き強化をして取り組んでもらいたいと思いますが、今後さらなる誘致の増加に向けてどのように取り組む方針なのか、お伺いいたします。 次に、県は昨年3月に県内産業のデジタル化構想を策定し、これに基づき、県内産業のデジタル・トランスフォーメーションに取り組んでいくとしています。 昨年の構想策定の中で行った県内企業約900社からのアンケート調査では、デジタル・トランスフォーメーションを認知、理解していない企業が全体の73%を占め、またデジタル・トランスフォーメーションに取り組んでいない企業も同じく73%を占めているなど、まだ県内企業の中ではDX化の重要性について認識が追いついていない感もあります。 また、県内には中小企業が多く、新たなIT人材の確保やDXのための投資に踏み出せない企業も多いのではないでしょうか。 こうした中で、新年度における県内産業のDX化に向けた取組についてお伺いをします。 次に、財政問題についてお伺いいたします。 現在の財政悪化の要因の一つに、行政改革推進債などの資金手当債の発行があります。県が令和元年10月にまとめた行財政改革行動計画の中でも、歳出面の要因分析として、一般財源を確保するため、平成15年以降、交付税措置のない資金手当債を最大限発行してきたとしています。 現在は、公債費負担適正化計画により、県債発行ルールを定めた中で取り組まれていますが、資金手当債は交付税措置がないことから、後年度の公債費負担への影響も大きく、財政の健全化に向けては、その発行を抑制し、今後の公債費の実負担を抑制することが重要と考えますが、今後の資金手当債の発行方針についてお伺いいたします。 次に、令和4年度当初予算において、基金の取崩し額が前年度の70億円から40億円となり、30億円減少させるなど、着実に財政再建が進んでいることは評価をしたいと思います。 しかしながら、このたび示された中期財政収支見通しの改訂版では、将来の公債費の実負担のピークである令和13年度を頂点とし、前後の高い水準が続く山を乗り越えるためには、さらに10億円程度の収支改革が必要とのことです。 1年前に示された見通しでは、20億円から30億円程度のさらなる収支改革が必要とされていましたので、この1年間で10億円から20億円程度の何らかの見直しによる削減が行われたことになります。 この間、事務事業の見直しや人件費の見直しが毎年行われており、また今回改訂された見直しの中でも、引き続き、事業のさらなる選択と集中、内部管理経費等の縮減、県出資法人の見直し等を進めると盛り込まれていますが、過度な歳出削減は県内企業や地域住民に直接関わる事業の見直しにつながるおそれもあり、県民への影響も大きく、今後は特にできるだけ歳入確保により収支改善を図っていくことが望ましいと考えますが、歳入確保に向けた方針についてお伺いいたします。 次に、建設産業についてお伺いいたします。 建設産業では現在でも他産業と比べて長い労働時間となっており、一部の建設現場では土曜も休みとし、週休2日となっているところも見られるようになりましたが、いまだにきつい、汚い、危険のいわゆる3K職場のイメージも残っており、働き方改革が求められているのではないでしょうか。 このような状況の下、業界からは人手不足に悩んでいるとの声が強く聞かれているところです。実際、県内における有効求人倍率を見ても、令和2年の全産業の平均が1.29倍のところ、建設は6.74倍と5倍もの開きがあり、現在もその状況に変わりはないようです。 また、労働者の高齢化についても建設業は顕著であり、今後も生産年齢人口の減少が続く中、新たな担い手の確保だけで解決していくことは困難であり、人手不足の解消のためには、DX化による労働環境改善や省人化が大きな鍵になると考えます。 新年度予算においても、バックオフィス部門におけるシステム導入や人材育成支援等を新たに行うとのことですが、県として建設産業のDX化に向けてどのような方針で取り組むのか、お伺いいたします。 次に、昨年に続き今冬も上・中越地域の山沿いを中心に豪雪に見舞われており、大雪から地域住民の生活を守るだけでなく、経済活動を継続させる上でも除雪による道路交通の確保が重要となります。 一方で、道路除雪に従事するオペレーターは担い手が年々減少し、高齢化も進み、その確保が困難になる中、県では持続可能な除雪体制の構築に向けて、担い手の確保や除雪作業の自動化技術等の導入などの取組に対して、国へ支援を要望していると承知をしていますが、ICTを活用した効率化・省人化への取組状況についてお伺いいたします。 次に、県からの情報発信について、県内外の若者をターゲットとした新潟の様々な魅力を伝えるキャンペーンにおいて、先日、本県出身であるDJ松永さんをキャンペーンアンバサダーとして起用して以来、新潟の魅力発信ポータルサイト、新潟のつかいかたのフォロワー数が10倍以上となり、大幅に伸びているとのことです。 著名人による発信力の強さを改めて認識したところであり、また情報を出すだけでなく、いかに多くのターゲットに対して確実に届けるための手法についても工夫が大切であると感じました。これを機にさらに新潟の魅力を県外の若者に伝えていくことが重要であると考えますが、県外への情報発信について、今後の取組の方針についてお伺いをいたします。 次に、地域医療に関して伺います。 病気やけがはどんなときに、どんなところで発生するか分からないこともあり、そのような意味からも、住んでいる人はもとより、訪れる人にとってもその地域の医療がしっかりしたものかどうかは重要であると考えます。 私の地元である魚沼地域にとって、魚沼基幹病院は救急医療や高度医療を提供するだけでなく、マグネットホスピタルとして、周辺病院との機能分担や連携をしながら、地域医療の中核となる病院と考えますが、改めて魚沼基幹病院の果たすべき役割について、知事の所見をお伺いいたします。 また、魚沼基幹病院が昨年12月に公表した中期経営計画(素案)では、平成30年から始まるこれまでの計画の検証として、令和2年度末に稼働病床416床となり、計画に沿った病床稼働を達成したことや、令和2年度は単年度黒字を達成したことなど、高評価となっている一方で、引き続きの課題として、経常収支での黒字化や臨床研修医の継続的な確保、紹介率・逆紹介率の向上、循環器内科医不足など、循環器系疾患の診療体制整備などを掲げており、これからも改善に向けたさらなる取組が求められています。 また、今後の取組の方向性としては、初めの項目として、魚沼地域で担うべき全ての領域の高度医療を提供できる診療機能の充実を図ることを掲げています。 しかしながら、今ほど申し上げた課題にも挙げられているとおり、循環器医療については平成29年度末に一時的に常勤医が不在となり、平成30年5月から常勤医1人を確保したものの、急性心筋梗塞など緊急性の高い循環器系疾患の救急医療受入れが難しい状態が続いています。 県内のどの地域においても医師不足が課題となっている中で、循環器内科医の確保も含めた今後の見込みについてお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルスの感染拡大の中で、感染リスクを避けるためや自宅療養者が多くなったことなどを背景に、新たな治療の選択として、電話やオンラインによる遠隔診療に注目が集まっています。初診を含めたオンライン診療が時限措置として認められ、その後、恒久化する動きもある中で、今後さらに広がっていく可能性があります。 新型コロナウイルス感染症への対応とは異なりますが、医師不足が深刻であり、また高齢者が多く、移動手段も限られている中山間地域を多く抱える本県においては、地域医療の維持のために非常に重要な取組であると考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 次に、農業関係についてお伺いいたします。 人口減少が続き、本県の主力農産物である米については、食生活の洋風化といったライフスタイルの多様化で御飯離れが進んでいることもあり、国内消費の伸びが期待できない中、新たな販路を求めて県産農林水産物の輸出拡大は非常に重要であると考えます。 これまでの輸出実績を見ても、国全体、本県ともに増加傾向にあり、今後も伸びていくことが期待をされます。 こうした状況の中、国では既に令和2年11月に農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略を策定し、米や日本酒も含む27品目の重点品目を選定したほか、品目ごとにターゲットとなる国や地域及び輸出目標額を設定して取り組んでいます。 本県においては、今年度に入り、新潟県産農林水産物輸出拡大検討委員会を設置し、新潟県産農林水産物輸出拡大実行プランの策定に向けて検討していますが、新年度において輸出拡大に向けてどのような取組を行うのか、お伺いいたします。 次に、県は園芸生産の導入・拡大に向けて、令和元年7月に令和6年までの6年間を推進期間とする園芸振興基本戦略を策定し、販売額1億円以上産地数を51産地から倍増させることや、園芸栽培面積の1,000ヘクタール増を目指すとともに、新たな園芸に取り組む農業者の拡大を図ることを目標として定め、機運の醸成や導入支援、販路拡大などに取り組んでおります。 この戦略の策定から間もなく3年が経過し、推進期間の折り返し地点を迎え、それぞれの目標項目に対する実績も伸びているようでありますが、令和3年までの実績に対する受け止めと今後の取組方針について、知事の所見をお伺いいたします。 次に、本県の最重要課題である人口減少問題に関しお伺いしますが、昨今の新型コロナウイルスの影響の長期化により、東京への人口の一極集中に変化が起こり、地方へと人の流れが変わりつつある中、本県においても社会動態の改善が見られているようでありますが、長野県をはじめとして隣県の状況に比べると、もう一つ流れを取り込めていない印象があります。 大学等の進学時において、首都圏の学校で学びたいであるとか、東京で一人暮らしをしてみたいといった願望を持つ若者も多くいることと思いますので、一定程度の流出はやむを得ない部分はあると思います。 この状況をカバーするためにも、人生における次の大きなステップである就職を契機とした人口の社会減が本県の大きな課題ではないでしょうか。とりわけ県外大学に進学をした学生がUターン就職をする割合が低いことがその要因になっていると考えられます。 年代別の転出入の動きを見ても、本県は20歳から29歳までの世代の転出超過が最も大きくなっている状況にあります。 先ほど県の情報発信のところでも触れましたが、DJ松永さんを起用したことにより、SNSのフォロワー数が一気に10倍以上になるなど、まだまだ本県の魅力が県外の若者に伝わっていないのではないかと思われます。 Uターン就職の促進に向け、さらなる取組の強化が必要と考えますが、今後どのような取組方針で臨むのか、お伺いをいたします。 次に、首都圏でU・Iターンを考えている方は、まず各地の情報収集を行い、その上で働く場や住まいなどについて具体の相談を行っていくのではないかと思います。そのため、首都圏での情報発信や相談窓口の設置は重要であり、分かりやすいものでなくてはなりません。 本県では、これまでふるさと回帰支援センター、にいがたUターン情報センター及びU・Iターンコンシェルジュと3つの場所に分かれており、どのような経緯でそうなったのか分かりませんが、外の人から見るとその違いが分かりづらく、非効率な部分もあったのではないでしょうか。 そうしたことから、今年度から首都圏のU・Iターン窓口を一本化した、にいがた暮らし・しごと支援センターを設置し、U・Iターンの促進に取り組んでいるようです。利用者目線からも窓口の一本化は望ましい方向と考えますが、実際に設置して、その成果と課題をどのように受け止めているのか、お伺いいたします。 次に、男女共同参画の取組についてお伺いいたします。 昨年10月に県のほか、市町村、経済団体、県内企業経営者、大学等の関係者が一堂に会して行われた第4回新潟県公民協働プロジェクト検討プラットフォームにおいて、現在、本県が抱える様々な課題について意見交換が行われ、「「選ばれる新潟」の実現に向けて」と題した共同宣言が取りまとめられました。 この宣言では、働く場として若者や女性等に選ばれるよう、ワーク・ライフ・バランスの一層の推進や、働き方改革に取り組むことで、女性の活躍を推進していくことが一つのキーワードとなっていました。 それと対応するように先日発表された来年度の県の組織改正では、男女平等施策の推進体制を強化するため、知事政策局に男女平等・共同参画統括監を設置するとともに、現在、県民生活・環境部に置かれている男女平等社会推進課の業務を知事政策局に移管し、政策企画課に男女平等・共同参画推進室を設置し、体制の強化を図ることとしています。 この組織改正により、全庁を挙げて実効性のある取組が期待されるところですが、新年度においてどのように施策を展開していくのか、お伺いをいたします。 次に、佐渡島の金山について、昨年12月、文化庁の文化審議会から推薦候補に選定する旨の答申があったものの、政府の申請見送り方針との情報があったことから、この間、県や佐渡市のみならず、国、県、市の議員連盟による要望活動や、我が党としても推薦を求める決議文をまとめるなどの活動を行った結果、無事、ユネスコへの推薦が正式決定し、世界遺産登録に向けてようやく一歩前進いたしました。 登録の実現に向けては、まだまだ課題も多くあると思いますが、登録となれば国内外から多くの観光客が訪れることが見込まれるわけですから、これを機として、今から佐渡観光にとどまらず、本県観光全体の振興に結びつけるような取組が必要であると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症の影響により、リモートワークの普及が急速に進んでいます。人との接触の機会を減らすといった感染防止対策の面もありますが、働き方改革の観点からも有効であると考えます。 リモートワークを行うには、在宅やサテライトオフィス、コワーキングスペースといった決められた場所だけではなく、パソコンと通信環境さえ整っていればどこでも仕事が可能となり、最近では、仕事と休みを組み合わせたワーケーションも重要な観光資源の一つとなっており、今後、より増加することも期待をされています。 首都圏との交通の便もよい本県は、ワーケーションについても大きな可能性を持つと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 次に、新型コロナウイルスの影響により、外出自粛の呼びかけが度々行われたことや、旅行する機会が減少したほか、日頃の運動不足解消といった目的も含めて、自転車の愛好家が増加をしていると聞きます。 本県においても、上越市と糸魚川市を結ぶ久比岐自転車道をはじめとして、多くのサイクリングロードがあり、サイクルツーリズムは本県観光の新たな魅力になり得るものと考えます。 当初予算案においても、新規事業としてにいがたサイクルツーリズム推進事業が盛り込まれているようですが、新年度における取組についてお伺いをいたします。 次に、マイナンバーカードに関してお伺いいたします。 依然として本県のマイナンバーカード取得率は、全国と比較して低迷したままのようです。これまで県においても取得率向上に向けて、市町村との研究会の設置や出張申請受付、県独自の新規取得キャンペーンの実施など、様々な取組を行っていますが、残念ながら他県を上回る効果には結びついていないようです。 本県の取得率が低迷している要因をどのように捉え、また国においては健康保険証としての利用や第2弾のマイナポイント事業も始まっていますが、県として今後の取得促進に向けてどのように取り組むのか、お伺いいたします。 次に、教育問題についてお伺いいたします。 県では、新潟県版GIGAスクール構想に基づき、ICT環境の整備を進めるとともに、授業での活用を進めています。 ICTを様々な学習場面で効果的に活用し、個別最適な学び、協働的な学びの視点から教育の質を向上させていくことにより、教える教員の側からだけではなく、学ぶ児童生徒の側からも効果的に活用することで授業内容の充実が図られるといったメリットがある一方で、ネットいじめの増加や操作スキルの格差など、新たな課題も生じているものと想像されますが、教育現場におけるICT環境の整備に伴う新たな課題についてどのように認識しているのか、お伺いいたします。 次に、教育委員会においては、令和3年度から佐渡島内にある5つの高校、中等教育学校、阿賀町の阿賀黎明高校及び新潟市の新潟翠江高校の7つの高校をネットワークでつなぐ、新潟の未来をSaGaSuプロジェクトに取り組んでいるところです。 この事業の目的としては大きく2つあり、遠隔授業を通した授業や補習等の配信による離島・中山間地域の教育環境の充実と、地元自治体が推進するキャリア教育を基盤とした有為な地域人材の育成とのことでありますが、今年度の成果と新年度に向けた展開についてお伺いいたします。 次に、新潟の未来をSaGaSuプロジェクトは文部科学省の委託事業として、3年間のモデル事業であると承知をしていますが、県内には本事業の対象となった佐渡市や阿賀町と同様に、生徒数の減少が進み、小規模化している高校がほかにもあり、この事業による成果が得られ、他地域においても同様に実施できることになれば、地理的な条件等による教育の格差がなくなり、質の高い教育の提供につながっていくものと思われますが、3年間で得られた成果をどのように県内全体に波及させようと考えているのか、お伺いいたします。 次に、2025年の大学入学共通テストから情報Ⅰが試験科目に加わることとなり、それに向けて今年4月から高校での共通必履修科目としてスタートすることとなります。 この科目については、情報デザイン、プログラミング、データの活用といった新しい内容も多く含まれているとのことであり、今後デジタル化社会があらゆる分野で進展していく中、早い段階から基礎的な知識・能力を身につけていくことは大切なことであると考えます。 一方で、これらを教えるためには一定の専門知識も必要になるものと思われ、また多くの大学の入学試験ではこの科目が課されることとなり、県内の高校生が望む大学に行くためには、まずは教員の育成が急務と考えられますが、どのように取り組んでいくのかお伺いしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 皆川議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、脱炭素社会実現に向けた本県の取組の方針についてでありますが、現在、2050年に向けた県の戦略の最終取りまとめを行っているところであり、本県の特性や課題を踏まえつつ、再生可能エネルギー・脱炭素燃料等の創出、活用、CO2排出の削減、森林整備や新たな技術開発による吸収・貯留の4つの柱の取組を重点的に進めてまいりたいと考えております。 新年度には、環境施策の総合調整・企画立案機能を強化した環境局を設置し、県民や事業者等の御理解をいただきながら、脱炭素社会実現に向け、全県一丸となって進めてまいります。 次に、脱炭素先行地域の選定に向けた県の支援についてでありますが、この先行地域づくりは、県の目指す脱炭素社会実現のために効果の高い取組と考えており、市町村との研究会を開催し、国への申請に必要な計画策定等の支援を行っているところであります。 このたび、第1回目の公募には、県内から妙高市・佐渡市・関川村の3市村が申請を行い、うち佐渡市につきましては、県も共同申請という形で加わっております。 県では、引き続き、県内から多くの脱炭素先行地域が選ばれるよう、また同様の取組を行う地域が県内に数多く広がっていくよう、先駆的な取組を行う市町村を支援してまいりたいと考えております。 次に、電気自動車等の普及促進についてでありますが、これまで、温室効果ガスの排出抑制に向けて新潟県電気自動車等の普及の促進に関する条例を制定し、充電インフラの整備支援や普及啓発に取り組んできたところですが、脱炭素社会の実現に向けて現在策定中の新潟県2050年カーボンゼロの実現に向けた戦略においても、電気自動車等の普及促進を重点施策に位置づけ、取り組むこととしております。 新年度においては、国による電気自動車等の購入に対する補助制度等も活用しつつ、タクシーやレンタカー等、県民が目にする機会の多い事業用車両の導入支援や、一般家庭への電気自動車等の導入促進に積極的に取り組む市町村への支援等を実施し、関係者と連携して運輸部門の温室効果ガス排出量削減につなげてまいりたいと思います。 次に、IT企業の誘致についてでありますが、近年、IT企業の本県への誘致が進んでいる要因として、人や企業の地方分散の流れが生じている中、首都圏での採用が困難なIT人材の確保や、交通インフラが整った立地環境、充実した支援制度などが評価されたためと考えております。 県といたしましては、さらなる誘致促進に向け、本県へ進出する際の初期費用などの支援を継続するほか、進出済みのIT企業による紹介が契機となり、本県への立地が実現した企業もあることから、企業経営者の人的ネットワークを生かした誘致活動を新たに展開するなど、引き続き、新潟が選ばれる地域になるよう取り組んでまいります。 次に、今後の資金手当債の発行方針についてでありますが、従来、本県では歳出構造が硬直化する中で、大規模災害からの復興や必要な行政サービスの提供のための一般財源を確保するため、多額の資金手当債を発行してまいりましたが、このことも現在の厳しい財政状況の要因となっていることから、行財政改革行動計画策定後は、前年度の発行額を上回らないよう発行抑制に努めているところです。 今後も可能な限り発行を抑制していくこととし、資金手当債の発行に頼らない財政運営を目指していきたいと考えております。 次に、歳入確保に向けた取組方針についてでありますが、歳入確保については、あらゆる方策を講じ、最大限確保することが重要であると認識しております。 これまでも、国の予算措置や制度等の研究、情報収集を適切に行い、国庫補助金等を積極的に活用するとともに、本県の実情に応じた地方交付税の算定などについて、様々な機会を捉えて国に要望してまいりました。 令和4年度地方財政対策では、公立病院の施設整備等に係る交付税措置の拡充や公共施設等適正管理推進事業債の期間の延長・拡充など、国への積極的な働きかけにより、本県に有利な制度改正が行われたところです。 こういった取組を継続するとともに、中長期的に県税収入が増加するよう、県庁一体となって県内産業の活性化による税源涵養に取り組むことなどにより歳入確保を図ってまいります。 次に、県内建設産業のDXに向けた取組方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、県内建設産業は、将来の担い手確保が喫緊の課題となっており、若者や女性の入職促進並びに定着に向け、DXによる長時間労働の是正など、労働環境改善が急務と考えております。 このため県では、新潟県建設産業活性化プランに基づき、週休2日制の普及など働き方改革やICT活用工事による生産性の向上に取り組んできたところです。 来年度は、新たにバックオフィス部門におけるシステム導入やデジタル人材の育成を支援するとともに、ICT活用工事の普及を一層促進し、デジタル化の動きを加速させてまいりたいと考えております。 次に、県外の若者への情報発信についてでありますが、今年度、若者の新潟への関心を高めるとともに、主な情報接触ツールであるSNSの強化を図るため、DJ松永さんをアンバサダーに起用した、新潟のつかいかたキャンペーンを展開し、フォロワー数が10倍になるなど、大きな効果がありました。 今後、新潟の魅力に関するコンテンツを磨き上げ、このキャンペーンでつながった方々に対し、ウェブサイトとSNSを活用して効果的に伝えるとともに、関わりや関心度に応じ、観光、県産品、移住・定住など、関係部局の持っている関連サイトへ効果的に誘導を図り、若者が常に新潟の情報に触れることができるよう、さらに情報発信を強化してまいります。 次に、魚沼基幹病院の果たすべき役割についてでありますが、議員御指摘のとおり、地域の住民や訪れる人が安心できる持続的な医療提供体制を整備することは、地域の発展にとって重要なことであると考えております。 このため、魚沼基幹病院は、魚沼地域における高度医療・救急医療を担うとともに、医師派遣等の周辺医療機関との連携や新型コロナウイルス感染症の患者受入れなどを通じて地域に貢献していくことが、地域の医療の中核となる病院として果たすべき役割であると考えております。 運営財団が策定した同病院の中期経営計画においても、地域全体でひとつの病院を実践するという将来ビジョンの下、こうした役割を果たしていくことが取組の方向性として示されているところです。 県といたしましても、魚沼基幹病院の果たすべき役割の実現に向けて、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、魚沼基幹病院の循環器内科医の確保も含めた今後の見込みについてでありますけれども、議員御指摘のとおり、平成29年度末に一時的に常勤医が不在となり、その後、常勤医1名を確保したものの、急性心筋梗塞など緊急性の高い循環器系疾患の救急受入れが難しい状態が続いておりましたが、新潟大学への派遣要請など医師確保に向けた努力を続けてきた結果、本年4月に循環器内科の常勤医3名を新たに確保できるめどが立ちました。 今後、運営財団においては、緊急性の高い循環器系疾患の救急受入れを再開するとともに、循環器系疾患の高度な検査や手術に対応できるよう診療体制の充実を図ることとしております。 県としましても、循環器内科の診療体制の充実により、地域住民や訪れる人にとって、より一層の安心につながるとともに、地域の発展に寄与するものと考えております。 次に、園芸振興基本戦略の実績に対する受け止めと今後の取組方針についてでありますが、戦略策定以降3か年の取組により、販売額1億円以上の産地数や栽培面積、新たに園芸を開始した農業者はいずれも増加傾向にあり、これまで関係者の御努力でまかれた種が、着実に芽吹いているものと認識しております。 また、県内各地で、園芸の新たな担い手育成や生産の団地化・共同化など、先進的な取組が行われる一方、当初の計画どおりに取組が進んでいない産地も見受けられることなどから、今後はこれまでに得られた先進事例の横展開を進めながら、目標達成に向けて取組を加速してまいりたいと考えております。 園芸振興基本戦略については、これまでの3年間の成果や課題の検証・評価と今後の取組方向を、中間年である令和4年度において、関係機関・団体や有識者などから検討していただくこととしており、いただいた御意見等を踏まえ、目標達成に向けた取組を進めてまいります。 なお、令和3年の実績については、農林水産部長からお答えをいたします。 次に、Uターン就職促進の取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、進学や就職を契機とした若者の転出が本県の社会減の大きな要因となっており、協定大学卒業者のUターン就職率は近年低下傾向にあります。 その要因として、東京圏には若者が働きたいと感じる魅力的な雇用の選択肢が多いといった構造的な課題に加えて、昨今の就職活動の変化に対応した本県出身の学生への訴求が十分でないことも影響していると考えております。 このため、新年度において、首都圏相談窓口の体制を強化し、協定大学等を通じた積極的な働きかけを行うとともに、県内企業の採用力向上に向けた支援や、官民連携による県内就職促進のプロジェクトを展開することにより、県外学生への訴求力を一層高めてまいります。 あわせて、働き方改革や企業誘致、起業・創業の推進により、学生に選ばれる、魅力ある雇用の場をつくり出すことで、県外学生の県内就職を促進してまいりたいと考えております。 次に、女性活躍の推進に向けた新年度の施策展開についてでありますが、選ばれる新潟の実現に向けては、住みやすい、働きやすいを実感できるよう、新潟の地域や企業の魅力を高めていくことが重要であり、その中で女性が活躍していることは大きな魅力となり得ることから、公民連携により女性活躍に向けた支援を強力に進めていく必要があると考えております。 そのため、新年度の男女平等施策の重点的な柱の一つとして女性活躍を掲げ、全庁的な視点での企画立案や総合調整機能を強化するための組織改正を行い、多くの女性が活躍できる環境整備や働き方改革に向けた取組を推進してまいります。 具体的には、女性が活躍できる職場環境づくりに取り組む企業を支援するとともに、女性の起業・創業の促進や女性自身が自分のキャリアアップを考えてもらえるような機会の提供などの人材育成の強化に取り組んでまいります。 次に、佐渡島の金山の世界遺産登録を見据えた本県観光の振興についてでありますが、世界遺産登録の国内推薦の決定を受け、今後、観光地としての佐渡エリアへの注目が高まり、佐渡観光の活性化が期待されますが、新潟市や上越市を経由して佐渡を訪れる観光客が、佐渡にとどまらず、県内各地を訪れ、様々な魅力に触れていただくことで、本県観光全体の振興につながると考えております。 県といたしましては、引き続き、市町村や旅行会社等関係機関と連携し、佐渡を含む広域を周遊する商品造成の働きかけや、佐渡と県内各地の魅力を併せた情報発信など、佐渡島の金山国内推薦決定の効果を本県観光全体の振興に結びつける取組を進めてまいります。   〔総務管理部長森永正幸君登壇〕 ◎総務管理部長(森永正幸君) お答えいたします。 マイナンバーカードの取得促進についてでありますが、本県における取得率は、1月末時点で34.9%と、全国平均の41.7%を下回っており、議員御指摘のとおり、依然として低い状況にあります。 本県では、他県に比べ、出張申請受付などのプッシュ型の取組が遅れていたことから、今年度は市町村における人員体制を整備した上で、企業や公民館等で行う出張申請受付や独自のメリット付与などの取組を強化してきたところです。 しかしながら、市町村からは、依然として出張申請受付等の取組に係る人員体制が不足しているとの声もお聞きしているところです。 このため、今後も、補助率10分の10の国補助金を活用した人員体制強化を働きかけていくとともに、国が実施しているマイナポイント第2弾を活用しながら、県としても出張申請受付の取組拡大や、カードのメリット・安全性の周知を図るなど、カードの取得促進に取り組んでまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) お答え申し上げます。 遠隔診療についてでありますが、議員御指摘のとおり、オンライン診療は、医師不足が深刻であり、僻地や離島を抱える本県にとっては、今後の医療提供体制を確保していくための有効な手段の一つであると認識しております。 このため、本定例会において、へき地等におけるオンライン診療モデル検討事業についてお諮りしているところであり、医療アクセスを補完するため、県として、オンライン診療の活用を積極的に検討してまいります。   〔産業労働部長佐野哲郎君登壇〕 ◎産業労働部長(佐野哲郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、県内産業のデジタル・トランスフォーメーションに向けた新年度の取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、県内には、デジタル・トランスフォーメーションの重要性について十分に認識できていない企業も多いため、引き続き、金融機関や商工団体等と連携しながら、経営者への働きかけに努めてまいります。 一方、デジタル技術を活用し、業務の効率化等に取り組む県内企業も着実に増えていることから、こうした企業の取組を後押ししているところであり、今後、先行事例として業界や地域へ波及させたいと考えております。 加えまして、さらに次の段階として、ビジネスモデルや企業文化の変革を目指す企業を増やしていくため、新たに、デジタル技術の活用に意欲的な経営者を対象とした研修を実施し、県内産業のデジタル・トランスフォーメーションにつなげてまいります。 次に、にいがた暮らし・しごと支援センターの成果と課題についてでありますが、暮らしと仕事の両面からワンストップで支援する体制を整えたことにより、検討の初期段階から転職までスムーズに相談できたという声をいただいており、相談者の利便性が向上したものと認識しております。 一方、令和4年1月末時点の実績は、新規登録者数が1,068人と、年間目標である1,700人との乖離が大きいことから、今後は、さらなる認知度向上が必要と考えております。 とりわけ県外学生に対しましては、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、大学を通じたアプローチが不十分であったことを踏まえ、新年度において、大学への訪問や情報提供活動を担当する人員を新たに配置し、取組を強化することにより、新規登録やその後のU・Iターンにつなげてまいりたいと考えております。   〔観光局長妹尾浩志君登壇〕 ◎観光局長(妹尾浩志君) 2点についてお答えいたします。 ワーケーションの今後の取組についてでありますが、県では、これまで県内4地域に対してワーケーションの取組を支援してまいりましたが、来年度は、新たに2地域を対象に、それぞれの地域の特性を生かしたワーケーションの取組を支援してまいりたいと考えております。 あわせて、新たな試みとして、包括連携協定事業者と連携し、県内の自然豊かなキャンプ場等を活用したキャンピングワーケーションに取り組んでまいりたいと考えており、ニーズを捉えたプランの充実や情報発信の強化を図ることで、県内のワーケーションの受入れ体制の一層の整備を進めてまいります。 次に、サイクルツーリズムの取組についてでありますが、本県には複数のサイクルルートがあり、各地でサイクルツーリズムに関する意欲的な取組が進められており、議員御指摘のとおり、サイクルツーリズムは本県観光の大きな魅力になり得るものと考えております。 また、先般本県で開催された中央日本四県サミットにおいて、長野、山梨、静岡との4県で連携し、サイクルツーリズムの推進に取り組んでいくこととしたところです。 県といたしましては、県内のサイクルルートにおいて、アプリ等を活用したイベントを実施するとともに、中央日本4県の観光スポットと絡めた日本海から太平洋に通じるサイクルルートの検討を進めるなど、県内の関係市町村等と連携し、サイクルツーリズムによる誘客促進に取り組んでまいりたいと考えております。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) 2点についてお答えします。 新年度の輸出拡大に向けた取組についてでありますが、成長する海外の需要を取り込み、輸出拡大に向けた取組を効果的に推進するため、現在新潟県産農林水産物輸出拡大実行プランの策定を進めているところです。 新年度においては、本プランに基づき、輸出の機運醸成を図るためのセミナーの開催など、輸出拡大に向けた環境づくりを進めるとともに、輸出専門のタスクフォースを設置し、産地新潟のブランド構築にも取り組んでまいります。 また、輸出実績が大きいニシキゴイ及び米を重点品目として、ターゲットとする国や地域ごとに、県が持つネットワークなどを生かした取組を効果的に進めてまいります。 加えて、輸出実績が小さい園芸品目や畜産物についても、意欲ある産地を支援するため、県がコーディネート役となり、流通事業者や関係団体等を結ぶ取組を一層進め、輸出拡大を図ってまいります。 次に、園芸振興基本戦略の実績についてでありますが、戦略策定以降3か年の取組により、現時点の速報値ではありますが、販売額1億円以上の産地数は平成30年と比べ11増加しました。 一方、新型コロナウイルス感染症や気象被害の影響により、5産地が1億円を下回り、販売額1億円以上の産地数は、トータルで57産地の見込みとなっております。 また、栽培面積は313ヘクタール増加するとともに、新たに園芸を開始した農業者は934名の見込みとなっております。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 道路除雪におけるICTを活用した効率化・省人化への取組状況についてでありますが、県では、今冬から全ての除雪機械にGPSを搭載し、これにより位置情報や稼働状況をリアルタイムに把握することが可能となり、交通障害への迅速な対応につながっているものと認識しております。 加えて、経験が不足する若手オペレーターなどの除雪機械の操作を支援するマシンガイダンス装置を一部導入したほか、凍結防止剤の自動散布による1人乗務の試行も併せて実施しているところです。 持続可能な除雪体制を構築していく上で、除雪オペレーターの担い手確保は喫緊の課題であることから、今後も、試行結果の検証や国の動向等を踏まえながら、道路除雪のさらなる効率化・省人化について取り組んでまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 4点についてお答えいたします。 ICT環境の整備に伴う新たな課題についてでありますが、小中学校において、依然としてネットいじめが発生していることから、学校への防止策の徹底や児童生徒への指導を粘り強く働きかける必要があると考えております。 また、児童生徒の操作スキルについては、端末活用が進むにつれ、個人差が拡大することも想定され、文部科学省が作成した操作マニュアル等を活用するなど、個に応じた指導の充実が必要であると認識しております。 今後、高等学校も含め1人1台の端末環境が整う予定であり、県教育委員会といたしましては、主体的・対話的で深い学びの実現に向けて、研修の充実やICT支援員の活用等により、教員のICT活用指導力の向上を図ってまいります。 次に、新潟の未来をSaGaSuプロジェクトの成果と新年度の展開についてでありますが、このプロジェクトは、国の委託事業、COREハイスクール・ネットワーク構想に採択されて実施しており、遠隔授業や学校間連携、地域との協働などを通して、離島・中山間地域の教育環境の充実を図ることを目的としております。 今年度は、機器整備などの準備が完了した11月から、双方向の遠隔授業を3科目で試行的に実施するとともに、大学進学希望の生徒を対象としたオンライン講習も行い、遠隔授業のノウハウを蓄積することができました。 来年度は、年間を通じて遠隔授業を8科目行い、オンライン講習も検定試験対策などにも拡充するとともに、学校間連携や地域との協働についても、探究学習を中心に一層充実させてまいります。 次に、新潟の未来をSaGaSuプロジェクトの成果の波及についてでありますが、議員御指摘のとおり、このプロジェクトは、令和5年度までの3年間で取り組むモデル事業であり、佐渡島内の5校と阿賀黎明高校、新潟翠江高校の計7校をネットワーク化して取り組んでおります。 このプロジェクトを通じて明らかになった、配信側教員のスキルアップや、受信側の職員配置、学校間における時間割の調整などの遠隔授業の課題解決に取り組みながら、対象校の拡大に努めてまいります。 次に、情報Ⅰを指導する教員の育成についてでありますが、学習指導要領の改訂を見据えて、情報免許所有者を対象とした指導者研修会を令和2年度から実施しており、新たな指導項目であるプログラミングやデータサイエンスなどに関する講義や実習を行い、大学入試にも対応できる指導力の向上を図っております。 今後、情報関連産業等の外部人材の活用により研修内容を拡充するとともに、効果的な教材や指導方法の共有化を進め、情報Ⅰの指導体制のさらなる充実に取り組んでまいります。 ○議長(佐藤純君) 皆川雄二君の質問は終わりました。 次に、長部登君の発言を許します。長部登君。   〔長部登君登壇〕(拍手) ◆長部登君 4項目について質問いたします。 最初に、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。 オミクロン株の急速な拡大により、政府が最悪の事態を想定したとする保健・医療提供体制確保計画は、1月21日時点で早くも想定を超える事態となり、本県も第6波に備え、昨年11月末にまとめた想定において、自宅療養者数は最大636人に上るとしていたが、1月20日時点でこの3倍を超えました。 国と同様にこれまでの第5波までに至る教訓が生かされず、危機感のなさによる想定の甘さを指摘せざるを得ませんが、知事の所見をお伺いいたします。 オミクロン株が収束しても新たな変異株が猛威を振るうことは想定しなければならず、新型コロナウイルス感染症が収束しても新たな感染症によるパンデミックは繰り返されると専門家は警鐘を鳴らしています。 今後は、このことを想定した保健・医療体制の強化など、長期的な対応策が必要と考えますが、知事はどのように考えているのか、所見をお伺いいたします。 オミクロン株の急速な感染拡大の中、県は新型コロナウイルス感染症に対する保健所の業務を見直し、同居家族や高齢者施設などを除く濃厚接触者への連絡は感染者本人に任せるといたしました。 本来の保健所業務ができなくなるまでに追い込まれてしまった背景には、この間の行革の中で進められた人員削減が間違いなく影響していると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 感染が保育所や学校、高齢者施設で広がりを見せる中、保健所や医療現場はもとより、保育、教育、介護施設などで働く多くのエッセンシャルワーカーが県民の暮らしを懸命に支えています。政府もこうした人たちへの支援が必要だとして、昨年11月19日にコロナ克服・新時代開拓のための経済対策を閣議決定いたしました。 自らも感染リスクがある中、県民の感染対策に当たるエッセンシャルワーカーとしての医療従事者などの重要性について、知事の認識をお伺いいたします。 県立病院では、感染患者の治療に当たるとともに、一般医療についても従来どおりに行い、県民の命と健康を支えています。しかし、業務が多忙になる一方で、欠員が埋まらず、昨年10月には13病院の合計で46.5人まで欠員が増えています。 人員不足は職場の人間関係を悪化させるなど、パワーハラスメントの一因となり、職場では年休は5日取れているので、今後は取れない、あるいは師長が認めた超過勤務以外は入力禁止など、ここが県立病院とは思えない言葉が飛び交う中、今年度の採用者が既に退職するなど、若年者の早期退職につながっていると聞きます。 県立病院の現状について、病院設置者である知事の認識を伺います。 あわせて、県立病院の職場改善をどのように進めていくのか、お伺いいたします。 県立病院以外の医療機関においても同様の状況にあると思われます。県民に最善の医療サービスを提供するためにも、そこで働く人々の労働環境整備が不可欠です。 新型コロナウイルス感染症への対応を引き続き担ってもらうため、民間医療機関の労働環境整備への支援も必要であると考えますが、令和4年度予算案にどのような事業を盛り込んだのか伺います。 次に、原発再稼働問題についてであります。 昨年11月に柏崎市及び刈羽村で初めて開催された原発事故に関する県の3つの検証に関する県民説明会は、内容のない実にひどいものだったとの住民の評価の声を聞いています。 例えば、説明も答弁もほとんどあらかじめ用意してきた資料を読み上げるだけだった、説明会を行ったという実績だけが目的ではないか、誠意が感じられない、用意した内容を繰り返すだけで、聞きたいことの本質に触れようとしない、これでは説明になっていない、複数のマスコミが期待外れだったと不満を漏らしていた、などのマスコミも含めた感想を聞いています。 このような、内容に乏しい説明会をあえて開くのは、県民の意見を聞きたいとする池内検証総括委員長を出席させたくないためではなかったのかとの、うがった見方もできるのでありますが、この説明会は一体何のために行ったのか、その目的と行った結果の評価について所見を伺います。 また、参加住民からも検証作業に実際に携わった委員の参加を求める意見があったと聞きます。住民側にとってもそのほうがより意義あるものになるのは、誰が考えても当然であると思いますが、併せて所見をお伺いいたします。 新潟県原子力発電所事故に関する検証総括委員会及び3つの検証委員会は、究極のところ、県民が柏崎刈羽原発再稼働の是非を判断するに際しての材料を提供するために設置されたものと考えますが、何のために設置された委員会なのか、所見をお伺いいたします。 私は、率直に言って、花角知事がどう繰り返そうと、米山前知事の検証総括を継承していないし、変質していると言わざるを得ません。 花角知事は、検証総括委員会の任務は、各分野の専門家に客観的、科学的に検証していただいた結果について、矛盾がないかを各委員に確認していただき、3つの検証を取りまとめていただくことと言っております。 一方、米山前知事は、第1回検証総括委員会で、検証には2つの段階がある。最初は、意思疎通・意思統一を図った上で各検証委員会をきちんとやるという段階。そこでは、総括委員会を年に一、二回開き、各委員会の審議経過の報告を受け、例えば隙間部分などお互いが意見を交わす段階です。次に、報告書を作るという2番目の段階。そこは、それぞれの専門がありつつも、大所高所から全体に対して意見を言う気持ちで報告書を見る。それを委員長がまとめ、最終的な報告書とするという趣旨の発言をしています。 花角知事の発言は、第1段階の各報告書の提出前の議論もなく、この2つは似て非なるもので、まさに換骨奪胎と言わざるを得ませんが、知事はどのように考えているのか、所見をお伺いいたします。 知事は、池内検証総括委員長と共通認識を持つことができないとして、長らく検証総括委員会を開催しておらず、その理由として、池内委員長が柏崎刈羽原発の安全性や東京電力の適格性について、県として求めていないことを議論しようとしていることなどを挙げておられます。 しかし、3つの検証の目的が、原発再稼働を県民が判断するための材料提供であるならば、それは何らおかしいことではなく、3つの検証の科学的な総括は、安全性の深掘りの観点からも県民目線に立っているなど、むしろ県民はこれこそ望んでいると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、知事は、今こそ県民目線に立って早急に検証総括委員会を開催すべきと考えますが、併せてお伺いいたします。 もし、池内委員長の考えに合理性がなければ、議論の中で支持されず、県民も支持しないことは明瞭であるし、知事も総括委員会には必ず出席するわけですから、その場で意見を述べればいいわけです。 検証総括委員会は、県民に対して柏崎刈羽原発再稼働の是非の判断のための材料を提供するために設けられたと考えておりますが、そうだとすれば、知事と池内委員長との意見の違いについて、どちらが県民にとっての安全・安心、県に対する信頼感に寄与するのか、県民の意見を聞かれることも重要かと考えますが、所見をお伺いいたします。 検証総括委員会による県民意見聴取の場の設定について、知事は委員会の総意として、そうした意見が示されれば検討したいとしておられます。第2回委員会では、委員長をはじめ委員の中からも意見が出ており、先述の県民説明会でも、委員の出席を望む声が出ていたと聞きます。 委員会の総意などと開催させない口実と受け取られかねないことはやめて、本来の花角知事に戻って、県民にとって何が安全か、何を県民が望んでいるかなど、県民目線で判断すべきと考えます。検証総括委員会による県民意見聴取の場の設定について改めてお伺いをいたします。 知事改選後の任期中に再稼働の判断をしなければならない可能性が極めて高いという点では、柏崎刈羽原発に係る状況は4年前と変わりません。 前回、当時の花角候補は再稼働慎重派の相手候補者の勢いに押され、中途からいわゆる抱き込み戦術を取り、再稼働の判断に際しては職を賭して信を問うとの方針転換で、慎重派からも一定の支持を得て当選されたものと考えています。議会での同種の質問で、信を問うについて重い判断であるとも述べておられます。 5月の知事選では、当然その立場を堅持し、再稼働の判断に際しては、職を賭して信を問うは、公約に迷うことなく掲げると考えておりますが、知事の所見をお伺いいたします。 6号機の原子炉建屋に直結する大物搬入建屋のくいの鉄筋で破断が見つかった問題で、東京電力は昨年8月に事実を把握しながら、すぐに公表せず、3か月も遅れたことについて、相変わらずの住民軽視と言わざるを得ません。これまでの反省や出直しの思いが一体何だったのかと思わざるを得ませんが、この問題に係る東京電力の対応について所見をお伺いいたします。 原子力規制庁も、柏崎刈羽原子力規制事務所が、同じく8月時点でくいの損傷の状況を確認しているにもかかわらず、速やかに公表しませんでした。IDカード不正利用問題における原子力規制庁の対応に県民の不信感がいまだ消えない中、このたびの対応について、住民からの信頼の観点も含め、知事はどのように考えているのか、所見をお伺いいたします。 くいの損傷について、原子力規制庁や東京電力からどのような説明があったのか伺うとともに、県として抗議等も含めどのように対応したのか、お伺いをいたします。 また、東京電力はくいの上の建物に異常がなければ、くい自体の点検はしないとの社内ルールに基づいているとして、くいの再点検に消極的と言われますが、実際に損傷が見つかった以上、その社内ルールは揺らいだものと考えます。納得のいく説明が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 報道によれば、2020年12月の7号機の同大物搬入建屋の建て替えに際し、損傷の有無を確認せずにくいを廃棄したことについて、原子力規制委員会の更田委員長は、中越沖地震は重要な教訓を得る機会であった、きっちり調べたものを残すことは大事だったと東京電力の対応を批判したとありますが、知事はこの東京電力の対応についてどう考えるのか、所見をお伺いいたします。 一方、報道によれば、更田委員長は、中越沖地震以降に被災状況を点検していない約1,800本のくいの点検については、耐震重要度が低い建物で使用していたことを理由に問題視しない考えを示し、再調査するかどうかは東京電力の判断だとしておりますが、安全性の厳しい審査が要求される原子力規制委員会の委員長としての認識を疑わざるを得ませんが、知事の所見を伺います。 また、未点検の約1,800本のくいについて、県として原子力規制庁並びに東京電力に点検の要請をすべきと考えますが、併せて所見をお伺いいたします。 くい問題に続き、またしても6、7号機の消火設備の配管工事でずさんな溶接が行われていたことが、匿名の申告により、ようやく明らかになりました。 虚偽報告が常態化していたこと、安全対策の最終責任を持つ東京電力も書類の確認のみで、二重の丸投げだったこと、申告により事態が明らかになったことなど、問題の根は深いと考えますが、この溶接問題についての所見と東京電力に対しどのように対応してきたのか伺うとともに、次から次へと繰り返される東京電力の不祥事について、改めて所見をお伺いいたします。 東京電力は、東京エネシスへの契約発注自体に問題はなかったが、東京エネシスによる溶接士の技量確認試験の実施内容や配管施工計画を把握すべきだったとの見解を示したと報道されておりますが、下請のせいにするなど、極めて高い安全性が求められる施設の管理責任があるにもかかわらず、安全意識の欠如など体質は全く変わっていない、同じことの繰り返しと言わざるを得ませんが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、内閣府が豪雪時における原発事故発生の場合の住民の被曝防護措置について、屋内退避を優先するとの基本的な対応方針を柏崎刈羽地域原子力防災協議会作業部会で提示し、了承されたとの報道がございました。 これはPAZ区域について即時避難を基本とすることからの方針の変更でありますが、これまでの即時避難と比べて被曝量はどれだけ多くなると考えているのか伺います。 また、基本方針の変更に際し、再稼働決定への極めて大きな影響力を持つ知事として、避難住民の許容できる被曝量についてどのように考えているのか、所見をお伺いいたします。 原発事故と豪雪の複合災害時における除雪について、県内30市町村でつくる原子力安全対策に関する研究会の実務担当者会議で、除雪作業に伴う被曝量などの基準を内閣府が具体的に示すよう求めたことに対し、内閣府は現時点で一律に詳細な指針をつくることは考えていないとしたとの報道がありました。 これでは関係業者はもとより、県民は到底安心できるものではないと考えますが、再稼働の判断材料となる除雪作業における被曝限度量について知事の所見を伺うとともに、指針作成を強く国に要請すべきと考えますが、併せて所見をお伺いいたします。 報道によれば、同実務担当者会議では、高速道路と国道が同時に通行止めになった場合の対応について、内閣府は代替経路の活用を検討するほか、避難場所を変更するなど、その時点で最適な手段を取ってもらいたいと答えたとのことであります。これも場当たり的で無責任そのものではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 報道によれば、同実務担当者会議において、立地自治体以外の市町村の意見をどうまとめるか示すように県が求められたことについて、県の担当者は適切な時期に示せるよう対応したいと話したとあります。いつ、どのような方法を考えているのか、お伺いをいたします。 市民団体からの再稼働の是非について県民の信を問うことが大事だとの要請について、知事は県民の意思を確認するプロセスを約束している、変わらず対応したいと応じたとの報道がございました。 知事は、前回知事選で「県民の信を問うことを考えます」を公約として県民に約束し、また知事選前の記者会見において、県民の気持ちを酌み取って一定の結論を出し、職を賭して信を問いたいと述べております。当然にこのことを踏まえてのことと思いますが、具体的にはどのようなことを考えているのか、所見をお伺いいたします。 3つ目は、教育問題についてであります。 文部科学省の調査により、全国の公立小中高校・特別支援学校の教員が2021年4月の始業日時点で2,558人不足している実態が明らかになりました。学校現場のマンパワー不足は深刻さを増していると言わなければなりません。 県内県立高校でも1人不足とのことでありますが、小中学校・特別支援学校も含め、その後の状況について、不足人数の多い月など月々の実態と、それをどのように認識しているのか、お伺いをいたします。 次に、警戒レベルと言われるような教育現場の多忙なイメージが広がり、教員の成り手不足が深刻化しております。年度途中の休職や退職者がいる一方で、講師登録名簿登載希望者も減少し、代替教職員の確保もままならず、さらなる負担増という悪循環が懸念されます。 ここ数年の本県の教員の人員不足について、総合教育会議議長である知事の認識を伺います。 また、新潟県の教育を持続可能にするためにも、教員の仕事をより魅力あるものにする、実効性のある具体的な方策が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、講師登録名簿登載希望者の減少により、代替教員の確保が困難になっておりますが、待遇面の低さが一因と考えます。 例えば、新潟県では1級73号級の給与の上限設定があることや、年休付与日数が任用期間1年で10日と少ない一方で、半数以上の都道府県や新潟市などでは号給の上限を撤廃し、年休付与日数も20日となっております。 新潟県で講師登録者を増やすためにも、代替教員の賃金面や休暇制度などの処遇改善が不可欠と考えますが、所見をお伺いいたします。 業務見直し発表前から保健所業務は圧迫され、厳しい状況にあり、市町村立学校や県立学校において、濃厚接触者リストの作成・管理といった保健所業務の一部を代わりに行っていたと聞いております。 このたびの見直しによって、学校現場はさらに厳しく、すさまじいものとなっていると聞きますが、知事及び教育長はこの実態についてどのように認識しているのか伺います。 また、保健所の本来業務は学校に行わせるべきではないと考えますが、知事の所見を伺うとともに、増員や全庁的な応援体制の構築など、早期に対応を図るべきと考えますが、併せて所見をお伺いいたします。 学校現場では、感染対策など業務量が大幅に増えており、スクール・サポート・スタッフの全校配置を求める声が極めて大きいと聞いています。県は配置に係る来年度予算案を増額しておりますが、現場の声とは乖離があると言わざるを得ません。今後は、学校現場の実態に応じ、増員などを含めたきめ細かな対応が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、令和4年度県公立高等学校入学者選抜特色化選抜について、2月8日に予定していた面接検査等を行わず、出願書類のみで選抜したことの評価について所見を伺います。 無症状濃厚接触者の大学受験について、国は保健所業務の逼迫でPCR検査ができない場合は、受験生自身が無症状であることを確認した上で、別室受験を認めるとしておりますが、県立高校入学者選抜一般選抜についての方針について伺います。 また、別室受検を実施する場合、受検生や教職員の安全確保のため、関係者の理解の中で万全な体制、環境整備の下で実施する必要がありますが、課題とそれに対しどのような対応を図るつもりなのか、所見を伺います。 最後の質問は、農業問題についてであります。 県は、2022年産米の県生産目標を53万8,000トン、面積ベースで前年から3.2%減の9万8,500ヘクタールと発表いたしました。 一方、2021年産米の県生産目標は面積ベースで前年から10.5%減に設定しておりましたが、実績は前年から4.6%減にとどまりました。2004年以降最大の減産幅であり、評価をするものでありますが、しかし結果として目標の半分程度に終わってしまいました。 県はこの原因をどのように分析しているのか伺うとともに、2022年産米の県生産目標の達成に向けて今後どのように取り組んでいくのか伺います。 改正種苗法の施行に伴う県育成品種の自家増殖への県の対応について、昨年9月定例会の質問に対し、知事は農業者団体等でまとめて許諾手続を行うなどにより、これまでと同様の取扱いができるよう関係団体と調整を行っており、本年度中に対応方針を策定してまいりたいと答弁されましたが、このたび策定・公表されたとのことであります。 本県の登録品種は出願中も含め59種と承知をしております。農業者がこれまでどおり不利益になることなく、安心して農業に従事できることが重要であると考えますが、どのような考えの下で策定したのか、知事の所見をお伺いいたします。 国は、昨年5月に策定したみどりの食料システム戦略の実現に向け、新法を今国会に提出いたしました。知事は、昨年9月定例会の質問に対し、その方向性は評価できるが、目標水準が高く、現状との乖離が大きい、国で法制化等が検討されており、県の戦略目標はその動向を踏まえる必要があるとの認識を示しておられます。 本県のAFFリーディングプランの見直しにどう取り組むかが重要であり、みどりの食料システム戦略の実現に向け、本県の農業政策として有機農業のさらなる強化なども含めた環境と調和した持続可能な農業を推進すべきと考えますが、今後の取組について所見をお伺いいたしまして、一般質問といたします。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 長部議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症の第6波への対応状況等についてでありますが、昨年11月末に国に対して保健・医療提供体制確保計画を提出した後、南アフリカで新たに発生したオミクロン株の感染力は、これまでの変異株よりも格段に強く、1月から感染が急拡大しており、2月1日時点での療養者数は3,805名と、計画で想定した1,523名の約2.5倍となりました。 一方、入院者数については、計画で想定した547名に対して、第6波のこれまでの最大は216名となっており、病床が逼迫することなく適切に対応してまいりました。 これは、重症化率が一定の範囲に収まっているというオミクロン株の特性に加え、まん延防止等重点措置により感染の急拡大を抑えたことや、人員を増加して県全体での入院調整を強化したこと、ワクチン、検査、治療薬等の適切な提供などの取組が効果を発揮しているためと考えているところです。 また、自宅療養についても、第6波対応として、医師会や新潟大学等に協力いただき、オンライン診療体制を強化するとともに、看護師等を60名程度増員して健康観察対応を強化いたしました。 県といたしましては、引き続き感染状況を分析しながら、医療提供体制の強化に努めてまいります。 次に、新たな変異株や新興感染症への対応についてでありますが、新たな変異株への対応については、早急に監視するためスクリーニング検査及びゲノム解析の拡充を図っており、このたびゲノム解析を行うための機器である次世代シークエンサーを追加購入し、速やかに2台体制での運用を開始してまいります。 また、感染拡大に応じた保健所への応援職員の派遣、病床の拡充、宿泊療養施設の新規確保、自宅療養者の健康観察のための看護師等の増員など、体制の拡充に取り組んでいるところであります。 現在、国において、2024年度から始まる第8次医療計画の議論の中で新興感染症等の感染拡大時における医療について検討されているところであり、県といたしましても、国の動向を注視しながら、新興感染症等の感染拡大時における保健・医療の適切な提供体制等について検討してまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症への保健所の対応についてでありますが、これまで本県では、業務の効率化、集約化、市町村への権限移譲などに合わせた保健所の人員配置を見直してきた中で、地域保健の重要な役割を担う保健師数は維持してきたところです。 また、新型コロナウイルス感染症に対応するための保健所の体制は、発生当初から不断の見直しを行い、強化に取り組んでまいりました。 特に、昨年11月には第6波に備えた応援体制の見直しを行ったところですが、オミクロン株の感染力は、これまでの変異株よりも格段に強く、感染が急拡大した一方で、重症化率が一定の範囲に収まっていることも踏まえ、真に医療が必要な方を速やかに医療につなげることを重視し、感染の可能性が高い同居家族や、感染が拡大した場合に重症者が多数発生するリスクが高い高齢者施設等に調査対象を重点化する等の業務の見直しを行ったところです。 今後も、感染者数や必要とされる業務に応じて適切に対応してまいります。 次に、感染対策に当たる医療従事者の重要性についてでありますが、議員御指摘のとおり、多くの保育所や学校、福祉施設等において新型コロナウイルスの感染が広がり、感染者や濃厚接触者も多く発生する状況下で、保健所職員や医療従事者も含めて、多数のエッセンシャルワーカーが県民の暮らしを懸命に支えてくださっていると認識しております。 特に新型コロナウイルス治療に携わる医療従事者の皆様は、感染リスクの高い環境の中で業務に取り組まれており、本県の新型コロナウイルス対策に多大な貢献をしていただいていると感じております。 いまだ治療薬やワクチンの開発、普及が道半ばであり、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない状況であることから、医療従事者の皆様には引き続き御協力をお願いするとともに、県としても医療機関や医療従事者をできる限り支援してまいります。 次に、県立病院の職場環境の現状についてでありますが、安全・安心な医療を提供するためには、病院運営に必要な人材を安定的に確保する必要があるものと認識しております。 現在の県立病院においては、年度当初からの欠員や毎年一定程度の早期退職が発生している状況を踏まえますと、働きやすい職場環境を整備し、人材を確保する必要があるものと認識しております。 なお、具体的な状況や取組については、病院局長からお答えをいたします。 次に、原発再稼働問題についてお答えをします。 まず、3つの検証に関する県民説明会についてでありますが、県民の皆様と検証に関する情報を共有することは重要であると考えており、これまでに取りまとめられた個別の検証報告書について、情報共有するために県が開催いたしました。 説明会は来場者に加え、インターネットを使ったライブ配信も行い、県民の皆様と情報共有したことや、検証に関する理解が深まったとの意見が多数あったことから、一定の成果があったものと考えております。 なお、参加者から、委員の出席を求める御意見があったことから、検証結果を取りまとめた各委員会の座長に説明会への協力をお願いし、了解をいただいたところです。これを踏まえ、今後開催する説明会の運営形式を検討してまいります。 次に、3つの検証委員会と検証総括委員会の設置目的についてでありますが、県として、柏崎刈羽原発の再稼働を判断する材料を得るため、福島第一原発事故の事故原因等の検証が必要という考えの下、個別の検証委員会を設置し、各検証委員会の検証結果に矛盾等がないか確認し、取りまとめていただくために検証総括委員会を設置したものと理解しております。 次に、検証総括の継承についてでありますが、第1回検証総括委員会において、米山前知事は最初の各検証委員会をきちんとやるという段階と、次の報告書を作るという段階の2つに分かれると思っておりますと発言しております。 各検証委員会において、事実に基づき客観的、科学的に検証するために必要な項目・課題を設定し、議論していただいているところであり、検証状況については、検証総括委員会の委員とも情報共有を行ってきました。また、取りまとめられた報告書は、昨年1月に開催した第2回検証総括委員会において、各検証委員会の座長が内容を報告して確認していただきました。 米山前知事は、情報の共有が重要であると述べていることから、今後とも各検証委員会の開催の都度、検証総括委員会委員にはその状況をお知らせしてまいります。 次に、検証総括委員会の開催についてでありますが、検証総括委員長が求めている柏崎刈羽原発の安全性や東京電力の適格性については、既に技術委員会で確認を行っているところです。 一方、検証総括委員会は、3つの検証委員会それぞれにおいて各分野の専門家に客観的、科学的に検証していただいた結果について、矛盾等がないかを各委員に確認していただき、3つの検証の取りまとめをしていただくことが任務です。 そのため、検証総括委員会は個別の検証の取りまとめに合わせて開催したいと考えております。 なお、委員長からは昨年の秋、今後の進め方について考える時間が欲しいと言われ、連絡をお待ちしていたところですが、現時点で共通認識を持つことができておりません。 次に、検証総括委員会の議論についてでありますが、検証総括委員会は、県の原子力行政に資するため、知事の求めに応じ、各分野の専門家に客観的、科学的に検証していただいた3つの検証結果を総括することを目的に設置したものです。 検証総括委員長が求めている柏崎刈羽原発の安全性や東京電力の適格性については、今ほどお答えしたとおり、技術委員会で確認を行っているところです。また、福島第一原発の処理水への対応を踏まえた東京電力の適格性ということについては、本県で議論することは適当ではないことから、いずれも検証総括委員会の設置目的にそぐわないものと考えております。 次に、検証総括委員会における県民意見聴取の場の設定についてでありますが、検証総括委員会の任務は、3つの検証委員会それぞれにおいて各分野の専門家に客観的、科学的に検証していただいた検証結果を取りまとめることであり、県がその結果を広く県民の皆様と情報共有するとともに、評価をいただくこととしております。 そのため、取りまとめの過程で県民の皆様の御意見をお聞きすることは考えておりませんが、検証総括委員会の総意として県民の意見を聴取したいという意見が示されれば検討したいと思います。 次に、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題に関する選挙公約についてでありますが、知事選の公約については今後整理してまいりますが、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働については、知事就任当初からの考えに変更はございません。 次に、柏崎刈羽原発6号機大物搬入建屋のくい損傷に対する東京電力の対応についてでありますが、安全に関する情報は、可能な限り速やかに公開すべきであると考えております。 次に、柏崎刈羽原発に対する原子力規制庁の対応についてでありますが、原子力発電所の安全規制については、法に基づき、原子力規制委員会が一元的に権限と責任を有しており、その事務局である原子力規制庁も含め、規制当局への信頼こそが唯一の頼りであります。 原子力規制庁には、真に国民の信頼が得られるように、厳格かつ適切に対応していただきたいと考えております。 次に、柏崎刈羽原発6号機大物搬入建屋のくい損傷に対する東京電力の説明についてでありますが、県、柏崎市、刈羽村、東京電力の4者で締結している安全協定において、発電所の管理等の状況について積極的に情報公開を行う旨定められており、東京電力には今回のくい損傷についても、しっかりと説明していただきたいと考えております。 なお、くい損傷に関する原子力規制庁や東京電力からの説明の状況と県の対応については、防災局長からお答えをいたします。 次に、柏崎刈羽原発の大物搬入建屋に対する東京電力の対応についてでありますが、建屋の耐震性を強化する工事を行うに当たり、6号機は建屋を継続して利用するため、地下に埋設されたくいの点検をしたところ損傷を確認しましたが、7号機は建屋を新しく建て替えることとし、建屋の上物と基礎部の点検で異常が認められなかったことから、くいを点検することなく、通常の工事手順に沿って、くいは上部を撤去し、残りは土中埋設したと聞いております。 中越沖地震は柏崎刈羽原発にとって重要な教訓を得る機会でもあったことから、点検することも意義があったのではないかと感じています。 次に、柏崎刈羽原発に関する原子力規制委員会委員長の発言についてでありますが、議員御指摘の発言の詳細は承知しておりませんが、原子力発電所の安全規制については、法に基づき、原子力規制委員会が一元的に権限と責任を有しており、その事務局である原子力規制庁も含め、規制当局への信頼こそが唯一の頼りであります。 原子力規制委員会及び原子力規制庁には、真に国民の信頼が得られるように、厳格かつ適切に対応していただきたいと考えております。 なお、6号機のくいの損傷については、東京電力の原因調査を踏まえ、原子力規制委員会は今後、現地確認を行うと聞いており、その結果を受け、県として必要な対応を検討してまいりたいと思います。 次に、柏崎刈羽原発における配管溶接に関する問題についてでありますが、県は、本件に関する報道を受け、東京電力に対し、徹底的な点検と安全に関する情報は確認できた段階で、可能な限り早く公表するよう要請するとともに、柏崎市、刈羽村と共に安全協定に基づき現場を確認いたしました。 この問題は、受注業者が正しく施工管理をしているかどうかを東京電力が確認していなかったこと等により起こったものであり、東京電力には、安全最優先の取組を行動と実績で示していただきたいと考えております。 次に、東京電力の安全に関わる体質についてでありますが、今ほどお答えしましたとおり、東京電力には、安全最優先の取組を行動と実績で示していただきたいと考えております。 次に、原発事故時の被曝量についてでありますが、原発事故時に即時避難と屋内退避をしたケースでどのような差異があるかは、事故の状況でも異なり、一概に申し上げることはできません。 また、被曝の許容量については、国の原子力災害対策指針においても示されておらず、県として独自の許容量を設定することはできませんが、指針には避難等を実施する基準となる放射線量が示されており、県の広域避難計画においてもこの基準に基づいて対応することとしております。 なお、国の防災基本計画においては、従前から、自然災害によるリスクが高い場合等には、自然災害に対する避難行動を取り、自然災害に対する安全が確保された後に、原子力災害に対する避難行動を取ることを基本とすることとされており、方針に変更はないものと承知しております。 次に、除雪作業に伴う被曝量の基準についてでありますが、緊急時における防災業務関係者の放射線防護に係る基準については、全国知事会や立地道県で構成する原子力発電関係団体協議会を通して、国に対し基準を定めるよう求めております。 また、柏崎刈羽地域原子力防災協議会作業部会において、原子力災害と雪害の複合災害時における対応について検討することとされており、原子力災害時の除雪作業に関する考え方についても示していただくよう、国に対し求めております。 次に、積雪時における避難道路の確保についてでありますが、県広域避難計画では、避難道路が被災し、使えない場合は、道路管理者等と協力して対応することとしており、原子力災害時における対応力の向上を図るため、今月、国や市村、NEXCO東日本などと連携をし、豪雪等により避難道路が使えない場合を想定し、避難調整や道路除雪等の手順を確認する訓練を実施したところです。 また、除雪体制の強化について、県だけでなく、全国知事会や原子力発電関係団体協議会も通じ、国に対し要望しているところであり、引き続き、関係機関と連携をし、避難道路の確保について、しっかりと取り組んでまいります。 次に、柏崎刈羽原発の再稼働について、立地自治体以外の市町村の意見を取りまとめる時期と方法についてでありますが、再稼働に関する議論も始まっていない現段階で、具体的な時期、方法について決めているものはございません。 次に、県民の意思を確認する具体的な方法についてでありますが、繰り返しになりますけれども、再稼働に関する議論も始まっていない現段階で、具体的な方法について決めているものはございません。 次に、教育問題についてお答えします。 まず、教員不足に対する認識と実効性のある方策についてでありますが、議員御指摘のとおり、教員志願者の減少や講師不足が深刻化しており、教育の質の維持・向上や円滑な学校運営の面からも喫緊の課題であると認識しております。 このため、教育委員会には、教員を安定的に確保できるよう多忙化解消の取組を行うとともに、教員としての達成感が感じられるよう児童生徒と向き合い、その成長をしっかり支援できる環境づくりを進め、教員の仕事がより魅力のあるものとなるよう取り組んでもらいたいと考えております。 次に、保健所業務の見直しと応援体制についてでありますが、学校内における濃厚接触者の特定に当たっては、個人ごとに日々の学校内での活動状況を保健所が聞き取ることは困難であることから、保健所業務の見直し前から学校の協力を得て実施してきているところであります。 今般の保健所による調査対象の重点化は、真に医療が必要な方を速やかに医療につなげることを重視して整理したものであり、学校関係者の皆様には、感染拡大防止のための濃厚接触者リストの作成や、自宅待機の管理などで多大な負担をおかけいたしますが、趣旨を御理解いただき、御協力をお願いしたいと考えております。 なお、県内の感染状況の変化や、新たに国の方針が示された場合などに、適宜、濃厚接触者の調査手法の見直しを検討してまいります。 また、保健所においては、感染症対応の中核となる保健師を国の方針も踏まえて増員することとしております。あわせて、会計年度任用職員の採用や、振興局内の各部職員による応援も臨機応変に強化しているところであり、引き続き新型コロナウイルス感染症対応を適切に行ってまいります。 次に、農業問題についてお答えします。 まず、県育成品種の自家増殖への対応についてでありますが、改正種苗法施行後においても、これまでと同様に農業者が県育成品種を利用し、安心して農業経営に取り組めることが重要と考えております。 このため、種苗の適正な流通管理を図りつつ、農業者の新たな負担が生じない取扱いとすることを基本に、本県の対応方針を本年1月に策定し、農業者や関係団体に周知したところであり、本方針に基づいて県育成品種が活用されるよう運用してまいります。 次に、有機農業など環境と調和した持続可能な農業についてでありますが、議員御指摘のみどりの食料システム戦略が目指す農林水産業のCO2ゼロエミッションの実現に向け、県では、AFFリーディングプランの見直しにおいて、有機農業の団地化などによる炭素の農地土壌吸収の促進や、水田の落水期間の長期化などによる温室効果ガス削減の観点で原案を作成し、現在、パブリックコメントを行っているところです。 また、有機農業のモデル産地の育成や、省力的で環境に優しい栽培体系への転換を推進する予算を本定例会にお諮りしているところであり、将来の世代に安全で快適な環境を継承できるよう、環境と調和した持続可能な農業を推進してまいります。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 柏崎刈羽原発6号機の大物搬入建屋のくい損傷についてでありますが、本件については、昨年11月4日、東京電力から説明を受けた際、原因究明と他の施設の状況等の確認を要請いたしました。 また、原子力規制庁からは、6号機のくい損傷に対する今後の対応について、昨年11月16日と今年2月10日に説明を受けております。 県では、昨年11月17日と12月10日の2日にわたり、柏崎市、刈羽村と共に安全協定に基づき現場を確認するとともに、12月23日に開催した技術委員会で、東京電力から説明を受け、確認していただいております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) お答え申し上げます。 新型コロナウイルス感染症対応を担う医療機関の労働環境整備への支援についてでありますが、令和4年度予算案においては、病床確保に要する費用補填を行う入院病床確保事業、新型コロナウイルス感染症患者受入れにより、やむなく生じた一般病棟などの空床への補助を行う、新型コロナ患者受入医療機関体制強化事業等について、本定例会にお諮りしているところであり、これらの一部が医療従事者の確保や特別手当の支給、休憩室の整備など、処遇改善や労働環境整備の経費に充当されるものと認識しております。 また、医療従事者が業務の都合等で帰宅困難な場合に無料で利用できる宿泊施設を確保する医療従事者向け宿泊施設確保事業も本定例会にお諮りしているところであり、医療従事者の負担軽減につながるものと考えております。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) お答えします。 米の需給調整についてでありますが、2021年産米の需給調整について、過去最大の作付転換が実現したものの、目標まで及ばなかった背景には、地域によって取組に対する農業者の受け止めに差があったためと認識しております。 米価の安定には、主食用米の民間在庫量の適正化を図ることが重要であり、需給環境の改善に向けて、もう一段努力する必要があると考えております。 このため、2022年産米の需給調整の推進に当たっては、農業者に作付転換の必要性をいま一度理解していただくよう、主食用米の需給動向などの情報を的確に伝えるとともに、特に2021年産の取組が進まなかった産地に対して、重点的に働きかけを行ってまいります。 その上で、国や県の支援策を最大限活用していただき、各産地において需要に応じた生産が適切に行われるよう、農業団体と一体となってオール新潟で取り組んでまいります。   〔病院局長藤山育郎君登壇〕
    ◎病院局長(藤山育郎君) お答えいたします。 県立病院の職場環境の状況や取組についてでありますが、近年、県内他病院に比べ採用試験の日程が遅いことや、広域的な人事異動が看護学生に敬遠されることなどから、受験者数が減少傾向にあり、新規採用者が確保できずに年度当初から欠員が発生しているところです。 このため、次年度は、試験日程の前倒しや勤務地域を限定した採用枠を拡充するとともに、資格取得・研修によるキャリアアップ支援などについても積極的にPRすることで、受験者確保に最大限努めてまいります。 また、若年者の早期退職の理由は、結婚や転居など様々であり、直接的な理由としてパワーハラスメントの事実を確認しているわけではありませんが、そのようなことは、本来あってはならないことであると考えております。 いずれにいたしましても、意欲ある職員が働き続けられるよう、多様な勤務形態の導入や看護職員の事務負担軽減など、現場の意見を聞きながら検討を進め、ハラスメント対策も含め、働きやすい職場環境づくりを推進してまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 6点についてお答えいたします。 教員不足の状況についてでありますが、市町村立小中特別支援学校においては、今年度4月始業時点での未配置はありませんでしたが、6月から病気休職や育児休業等の取得者に代わる講師を確保できず、未配置が生じ、9月以降は40人前後で未配置が推移しております。県立特別支援学校と県立高校等においても、同様の理由により、2月1日現在それぞれ8人、3人が未配置となっております。 特に小学校では、代替教員を配置できない場合、教頭や教務主任等が代わりを務めることとなり、学校運営にも影響することから、講師の確保は重要な課題であると認識しております。 県教育委員会といたしましては、講師確保のため、退職者や教員免許保有者等に個別に働きかけるなど、引き続き人材の掘り起こしに努めてまいります。 次に、代替教員の処遇についてでありますが、地方公務員法上の臨時的任用職員である代替教員の給与や休暇制度については、その職務や職責、他の任命権者等との均衡を考慮し決定されるものであり、今後も実態に即して処遇を検討してまいります。 なお、代替教員の確保に向けて、多忙化解消による働きやすい環境づくりを進めるとともに、教員の仕事のやりがいや魅力を伝える効果的な取組を粘り強く実施していきたいと考えております。 次に、学校が行う濃厚接触者の特定についてでありますが、これまでも、学校が感染者の行動履歴の調査や接触者のリストの作成を行っており、その上で保健所が濃厚接触者を特定してきたところです。 保健所が担ってきた濃厚接触者の特定作業を学校が行うことに伴い、教育委員会が医療調整本部の意見を聞いた上でガイドラインを作成、配付しており、また、クラスターが発生した場合には、学校と協議を重ねながら方針を決めるなど、学校現場の負担軽減に努めております。 次に、スクール・サポート・スタッフの配置についてでありますが、今年度は58校に配置し、教職員の負担軽減を図っておりますが、来年度の予算編成に当たっては、市町村の意向を踏まえ、配置のさらなる拡充に努めたところです。 県教育委員会といたしましては、今後も市町村教育委員会に対して小中学校の業務の見直しを働きかけるとともに、スクール・サポート・スタッフをさらに有効活用することができるよう、国の補助率の引上げ等、財政措置の拡充を全国都道府県教育長協議会等を通じて、引き続き要望してまいります。 次に、今年度の高等学校特色化選抜への評価についてでありますが、特色化選抜は、各高等学校が設定した実績要件を満たした生徒を対象に、中学校長からの推薦書や調査書と併せて、面接検査や実技検査により意欲や技能を評価することが基本でありますが、今年度については、新型コロナウイルス感染症の急拡大を受け、特例の措置として出願書類のみで選抜を行いました。 面接検査や実技検査の準備をしてきた受検生の中には、残念に感じた生徒もいたものと認識しておりますが、受検機会の公平性確保の観点からは、やむを得ない措置であったと考えております。 次に、県立高校一般選抜における無症状濃厚接触者の受検についてでありますが、濃厚接触者に特定された場合であっても、無症状であれば、保健所によるPCR検査または抗原定性検査キットにより陰性を確認できた受検生については、別室で受検できることとしております。なお、抗原定性検査キットにつきましては、受検生が入手できない場合も想定して、教育委員会が確保することとしております。 また、受検会場での感染防止対策として、受検生や監督者となる教職員のマスクの着用や教室の換気、手指消毒を徹底し、安全に受検できるよう対応してまいります。   〔長部登君登壇〕 ◆長部登君 2点について再質問いたします。 1つは検証委員会。継承しているというふうな答弁だったと思います。各分野の専門家に客観的、科学的に検証していただいた結果について矛盾がないかを各委員に確認していただき、3つの検証を取りまとめていただく。そういったことでしていくというふうに言われました。 しかし、私は、形はそれでいいのですけれども、中身がなっていないというふうに思うのです。少なくとも、今、知事が言われたのは、全く有能な事務屋が機械的に行う事務作業のイメージなのです。それぞれの分野で、みんな、第一人者である学者に依頼するということは、そういうことではないはずなのです。本当に失礼な話だと思います。 例えば、先ほども言われましたけれども、第1段階。各委員会での経過報告を受け、議論の中身を共有しながら、県民の安全・安心や理解のために、この部分はもう少し掘り下げてはどうかとか、あるいは、県民のために、この隙間のこの部分を専門のところで検討してもらえないかと、そういった議論が必要なのです。これがまさに総括委員会の意味なのだと思います、第1段階はね。 そして、第2段階。知事は矛盾がないかを見てもらうということなのですが、米山前知事はそんなことだけではなくて、先ほど言ったみたいに、それぞれの専門の大所高所から意見を言い合って、決めていくと。こういうふうに言っているのです。事務屋の取りまとめではないのです。そういう意味では、私はやっぱり継承していないと言わざるを得ないのです。 先ほど情報共有については、各委員長に報告していると言われましたけれども、大事な集まる機会がないわけですけれども、改めて聞きますけれども、集まって意見を言ったり、持ち帰ったりということが、委員会が開かれていないわけなので、そういうことが、どこかほかの場所でなされたのか伺います。なされたとすれば、どこで、どのように、どれだけ行われたのか。そして、そこではどのような意見があったのか、議論があったのか伺います。 2点目は、職を賭して信を問う、これはやはり非常に大事な言葉で、知事には、ぜひ次もやるべきだと言いましたが、明確な答えがありませんでした。今はまだいいのです。選挙が始まってもこれを言わなかったら、そこを明確にしない限りは、私は県民への裏切りだと言われても仕方ないと思うのです。 なぜかといえば、それは前回の選挙で明らかに職を賭して信を問うと。新潟日報も出ている、朝日新聞、毎日新聞、みんな出ているのです、大きく。そう言って、これが知事の実質的な公約となって、厳しい選挙戦に勝利した。この発言がなければ結果がどうなっていたか分からないほど、この発言は重いのです。私はそう思います。 ところが、就任すると即、信を問うことも含めてと、「含めて」を入れて中身を曖昧にし、職を賭して信を問わなくても公約違反ではない、議会決議等で済ませても違反ではないかのように、巧妙に修正してきたと思うのです。これは明らかに公約違反だと言わざるを得ません。 今任期中には判断の機会はなかったわけですが、再稼働に慎重派で知事を前回支持した県民には、職を賭して信を問うは今でも生きているのです。次の知事選はそこを曖昧にしないで、職を賭して信を問うのか、そこまではやらないのか、明確に有権者に示して戦うのが、原発の重みや今述べたこれまでの経緯から、政治家として取るべき道であり、信義だと考えます。 職を賭して信を問うことは、県民がその責任も含め、自らの判断で決めることができるということでも極めて重要なのです。知事選では職を賭して信を問うのか、それはしないのか明確にすることについて再度お聞きして、再質問といたします。 以上です。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 長部議員の再質問、質問とは思えませんけれども、お答えしたいと思いますが、各検証委員会において、事実に基づき客観的、科学的に検証するために必要な項目・課題を設定し、議論していただいているところであって、その検証状況については、検証総括委員会の委員とも情報共有を行ってきているところであります。 2点目は、県民の意思を確認する具体的な方法についてでありますが、再稼働に関する議論も始まっていない現段階で、具体的な方法について決めているものはございません。 ○議長(佐藤純君) 長部登君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時8分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時10分 開議 ○副議長(小島隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、片野猛君の発言を許します。片野猛君。   〔片野猛君登壇〕(拍手) ◆片野猛君 2つの課題について一般質問させていただきます。 1つ目は、新潟米の消費拡大についてであります。 新潟県は、米の生産量日本一であります。また、魚沼産コシヒカリに代表されるように、おいしさにおいても人気を集めています。 稲作には平たんな土地、豊富な水、温暖な気候が条件と言われています。新潟県は、稲作に非常に適した地域になっています。遠くは室町時代から営々と先人は信濃川、阿賀野川などの河川が運ぶ雪解け水による湿地帯を排水して乾田化し、水利を整え、さらに新田開発を行ってきました。 また、よりよい品種の研究を重ね、品種改良を行ってきた歴史があります。このことは、現在においても新潟県農林水産部、農地部あるいはJA、土地改良区などを中心に継続して行われています。 その結果、稲作農業の最大の資本である水田が圃場の区画、水利ともに改良され、現在に継承されています。産業の最大の資本が形成され、人材に恵まれているという意味では、本県の稲作農業は付加価値の高い産業と言えるのではないでしょうか。 世界的な人口増による食糧危機が予想されている中、カロリーベースでの食料自給率37%の日本にあって、日本の主食を支える地域の筆頭は新潟県であると思います。稲作農業はまさしく本県の基幹産業であると考えますが、この点について知事の所見を伺います。 産業においては、その仕事に従事する人が労働によって対価を得て生活することが主要な要素です。新潟県の稲作農業が30年以上にわたって生産量、価格が低下していることは、農業従事者の減少につながるものと考えます。 現実に本県の販売農家数は昭和40年以降減少が続いており、令和2年には4万1,751戸と25年前の約4割になっています。農業法人等は増加していますが、基幹的農業従事者は、令和2年には4万6,085人にまで減少しています。そのうち65歳以上が7割を占めるなど高齢化も進行しています。 若い人が後継者にならず、県外に流出することが起きているとすると、基幹産業である稲作農業の減退が人口減少にもつながっているとも考えられますが、知事は農業従事者、特に若者の従事者の減少をどのように受け止めておられるか伺います。 若い人が米農業を後継せず、他産業に従事する原因は、米農業から得られる労働に対する対価が低いと感じることではないかと考えます。兼業農家ではその傾向が強いのではないでしょうか。農業法人等で通年雇用が進み、毎月の収入、社会保険、退職金制度など、他産業並みの労働環境が整えば、農業に従事する若い人が増えるのではないかと思います。 村上市においては、20ヘクタール以上生産する農業法人等が55社となりました。市内生産面積の3割になったということであります。 農業法人等において、米を中心として、園芸作物の生産拡大、除雪など冬季の他産業の仕事などの取組を図ることが進み、通年雇用が可能になる方向性が望まれていると思いますが、本県の歴史的価値を持ち、自然、気候に合った米農業を進展させる意味から、今後の農業法人等の経営発展に向けた支援の方向性について、知事の所見を伺います。 また、そうした取組が可能な一定規模の農地面積を持つ農業法人も増えていると思われますが、県内の状況を伺います。 生産量日本一、味に関しても最上級である新潟米でありますが、米の消費減退の影響で生産量は年々低下しています。さらに、価格も30年前よりも大幅に低下しています。 一般の産業生産物であれば、ほかよりも優れていれば、選ばれて消費され、価格、生産量とも上昇するものと考えます。しかし、米は国民の主食であり、国内で全量生産、安定供給が可能であるものの、作物であることから、気候の影響で生産量が変動し、価格も変動することなどから、国によるある程度の生産調整、備蓄など、米政策が必要になります。 一方で、農家の直接販売など、国内市場の影響下にもある特殊な産業生産物と言えます。 新潟米は本来、他県産米よりも生産量や価格も上昇してしかるべきと考えますが、現状をどのように受け止めておられるか、知事の所見を伺います。 米の生産調整について、国の減反政策などはなくなりましたが、米の需要に応じた生産を想定することによって生産が計画されています。米の需要とは、米の消費需要であります。つまり米の消費動向をどう捉えるかで、生産者側は米の生産計画をどのように立てていくかを決めていくことになります。 新潟県の米農業進展に欠かせない米の生産の維持・拡大には、米の消費拡大を図ることが前提として必要になります。 全国的には、米の消費は近年、年間約10万トン減少しています。この30年で約180万トン、21.6%の減少です。人口が減少していることも原因の一つであると思いますが、人口の減少よりはるかに減少率は高くなっています。 原因は、国民の消費行動の変化にあります。国民1人当たりの年間消費量は、30年間で68.2キログラムから52キログラムと23.7%減少しています。 新潟県でも消費量の減少の影響で米の生産量は71万トンから63万トン、最近はもっと減っていますが、12%の減少です。生産額は2,976億円から1,445億円、何と1,531億円、52%の減少です。この先もこの減少率が継続すると、新潟県の米農業は壊滅的になるのではないかと危惧しております。 生産してから売り先を考えるプロダクトアウトではなく、消費されているもの、あるいは消費者が望んでいるものを生産するマーケットインの考え方にシフトすることが必要だと言われてきました。 米の生産調整は、マーケットインの考え方に基づく需要に応じた生産が基本にあると思いますが、今後も国全体で米の需要減少が見込まれる中、本県産米の生産の維持・拡大を図るため、現状の需要量を把握するだけでなく、その需要を拡大していく取組が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 昨年2月に、県は新潟県農林水産審議会に「令和3年産米の生産について」を示し、令和3年の主食用米の生産目標について、令和2年より7万5,400トン少ない52万トン、面積は1万1,200ヘクタール少ない9万5,500ヘクタールと設定しました。非主食用の作付面積は3万6,400ヘクタールとしました。 新型コロナウイルス感染症の影響などにより、民間在庫が増加したことで、一層の米価下落が懸念され、加工用米などの作付拡大を図るためと説明がありましたが、主食用米生産、作付面積目標及び非主食用米の作付面積目標は達成されなかったと聞いております。どのように受け止めておられるか伺います。 令和4年も同様と考えますが、この生産目標は新型コロナウイルス感染症の影響であり、コロナ収束後は米消費が回復して以前の水準に戻るとお考えでしょうか。米の需要に対する見通しを併せて伺います。 現在は、米消費減退で生産を調整しなければならない時期と認識しておりますが、私は29年前の1993年、平成5年の冷害による米の大凶作による混乱が忘れられない者の一人であります。 この冷害による減収は東北地方の被害が大きく、全国では1,100万トンから780万トン、300万トン以上の減産となり、政府が280万トンの緊急輸入を行いました。 当時は、ほとんどの家庭が米屋さんから米を買っていましたが、1割ほどタイ米を一緒に購入しなければならず、あまりのまずさに閉口したものです。新潟米の安定した生産、おいしさを改めて実感した出来事でした。 冷害の原因は、フィリピンのピナツボ火山の噴火により世界の気候が変化したことで、日本の夏の気温が二、三度低下したことによるものでしたが、世界的な異常気象は日本の米の生産に影響を及ぼすものであるとの日頃からの認識が必要と思います。 また、平成5年の米不足の教訓を生かし、緊急時の米の備蓄など、政府の対応が講じられていると思いますが、新潟県として、新型コロナウイルス感染症の影響による減産目標を設定する際に、異常気象、災害に備える備蓄など、平成5年の米不足の教訓がどのように生かされているのか伺います。 新潟米基本戦略において、基本的な考え方として、「本県の基幹産業である稲作農業と、本県を代表する地場産業である新潟清酒や米菓など米関連産業が連携し、双方の振興を図る必要がある。そのため、米については、需要に応じた生産を基本としつつ、主食用・非主食用米を合わせた米全体での需要拡大と、生産者所得の最大化のための多様な米づくりを推進する」としております。 しかし、県内の米菓メーカーの元会長は、新潟市農業将来ビジョンの提言の中で、農地を集約・集積して圃場を大規模化し、一定の助成措置を講ずれば、新潟県内の食品産業が使用できる原料米を生産することもそう難しい話ではないと述べています。ということは、この段階では県内の食品産業では県内の米を原料米として使用していない場合があるということになります。 現時点での県内の米関連産業の本県産米需要をどのように把握しているのか伺います。 また、今後の県内稲作産業と米関連産業の具体的な連携をどのように進めていくのかについて併せて伺います。 コンビニのおにぎりは、のり、具の少ないもので100円くらいからあります。大体100グラムぐらいです。御飯の半分が米ですから、おにぎり1個は米50グラムです。そうすると、おにぎり1,200個で60キロです。米は60キロで1万4,000円くらいですが、おにぎり1,200個は12万円です。包装、運送、販売費を含みますが、その付加価値、経済効果は10倍以上になります。 新潟県の米が新潟県で加工され、製品として販売されることは、新潟県の総生産になります。幸い県内には清酒、米菓、パック御飯などの有力メーカーが存在します。今までの常識にとらわれない自由な発想を持って需要拡大や需要創造を考えていくことで、新潟米の新たな消費拡大ができないでしょうか。 私が学生の頃ですから、昭和四十五、六年、今から50年前ですが、米はお米屋さんで販売されていました。米穀通帳がないと買えませんでした。学生は米穀通帳がないので、実家から米を送ってもらいました。送られてきた小包には、中身は本と書いてありました。当時は、米の移動が禁止されていたのです。 同じ頃、自主流通米が初めて販売されたと新聞で報道されたことを記憶しています。食糧管理法による米政策の転換期であったものと思います。外食も中食も高価で、ふだんの生活では学生など手が出ず、学食や定食屋がせいぜいでした。 同じ頃、カップヌードルが発売されました。1個70円だったと思いますが、学生には高くて買えなかったものです。サラリーマンなどの間では、便利でうまいということで売れていたと思います。当時のコマーシャルソングは、常識を打ち破るという内容でした。カップヌードルは、ある意味で国民の食生活を変化させました。そして、その変化した食生活によって販売を増大させました。 最近、カップヌードルは年間売上げ1,000億円を達成したと報道されました。あの麺をR10方式で作ってもらうことができないか、などと考えてしまいます。 パック餅やパック御飯を製造販売している県内の食品工業の会長さんは、商品は消費者が欲しがるものでなければ売れません。消費者が何を欲しがっているかをいつも考えています。商売の基本は、需要があるものを作らなければ会社の発展はないということですと言っています。 米に関して言い換えれば、米は消費者が欲しがるものでなければ売れません。米販売の基本は、需要があるものを作らなければ米産業の発展はないとなるのではないかと思います。 米は、新しい品種が多数デビューしていますが、産地と品種をアピールして、各県の知事や有名タレントがセールスに立っているところがメディアに紹介されています。しかし、消費者はよほどのブランドでもない限り、産地と品種をそれほど重要視していないのではないでしょうか。消費者の生活の変化に対応するイノベーションが望まれます。 県内の清酒、米菓、パック御飯などの有力企業と連携して、今までの常識にとらわれない自由な発想を持って需要拡大や需要創造を考えていくことが必要と考えますが、知事の所見を伺います。 先ほどR10プロジェクトについて少し触れましたが、県がこのプロジェクトに取り組んで10年以上になります。最近、米粉パンの新製品が発売されたと報道がありました。取り組んでいる企業も100社を超えたと聞いております。 私は最近、新之助の米粉30%配合という県内食品メーカーの南蛮えびラーメンというものを取り寄せて食べてみました。インスタントラーメンで、1食243円と少々高めですが、大変おいしいラーメンです。 新潟県は、米粉の生産が全国一であります。ただ、米粉使用の製品価格は小麦粉使用の製品価格の5倍以上になると聞いています。R10に協力したいし、米粉入り商品は消費者の欲しいものになってきたので、パン、ラーメン、うどんに入れるにしても製品価格が高くなってしまうことがネックだという声があります。 新潟県は、県食品研究センターが中心になって、気流粉砕による2段階製粉技術や酵素処理製粉技術の開発を行い、米粉をパンやケーキなど新しい用途に使用できるようにした画期的な実績があります。ぜひ米粉製粉加工費に関しても研究を重ねていただきたいと思います。 まさに米粉に関しては、生産量、技術面において日本をリードしている新潟県と言えます。米はグルテンフリーです。小麦アレルギーの子供たちだけでなく、最近は美容や腸内環境改善の面から、グルテンフリーの加工製品を食生活の中心にする傾向があるようです。今までの常識にとらわれない自由な発想を持って需要拡大や需要創造を考えていくことができるのではないでしょうか。 県内の米粉の需要量や生産量を踏まえたR10プロジェクトの現状と今後の課題について伺うとともに、依然として米粉製品は小麦粉製品より価格が高いとの声がある中で、米粉製品の製造コストの低減に向けた課題について併せて伺います。 昨年の暮れに沢野修議員から阿賀町産コシヒカリで作られた乾燥米、新潟ごはんを頂きました。お湯で3分、水で5分で食べられるということで、お湯を注いで頂きました。災害時などの非常食ということでしたが、それなりにおいしかったです。 米は1食75グラム使用されており、出来上がり260グラムです。製法はフリーズドライ製法。価格は1個75グラムで648円ですから、新潟県の米が原料で、県内で加工されると、米60キロで800個作られ、51万円の販売高になります。 一方、村上市は災害時の非常食としてアルファ米を備蓄したということであります。このアルファ米の原料は、村上市産のつきあかりということであります。このアルファ米のおにぎりを食べてみましたが、握ったおにぎりに近いおいしさでした。 このおにぎりは1個237円です。出来上がり109グラムで、米は31.5グラム。米60キロで1,900個作られ、44万円の販売高になりますが、残念ながら現在は両方とも製造は県外で行われています。しかし、村上市のアルファ米用のつきあかりは、2021年産では関わる個人・法人が32まで増えて、出荷された米の量も約500トンに上ったということです。 今のところ、フリーズドライ米、アルファ米は災害備蓄用として販売されています。しかし、今までの常識にとらわれない自由な発想を持って考えていくことによって、輸出用、キャンプ・登山の携帯用などの用途に合わせた製品の開発によっては、50年前のカップヌードルのように、国民に親しまれる存在感のある米の製品になる可能性は十分にあり、需要拡大につながるのではないかと思います。所見を伺います。 健康志向の観点から、玄米を食べることは以前から行われてきました。現在の炊飯器はほとんどの機種が玄米の炊飯ができますが、全員が玄米を食べる家庭は少なく、家族のうち1人だけ玄米食の場合や、二、三日のうち1食を玄米食にするといった場合が多いようです。私もそうですが、玄米3合を炊いて、茶わん7杯分、7つに分けて冷凍しています。以前は家庭用精米機で精米していましたが、現在は冷凍した玄米を解凍して食べています。 玄米食は体によいと思うが、残留農薬や殺虫剤が心配で食べていないという声もあります。私の場合は、村上市の山間地で栽培されている低農薬・低殺虫剤使用のはさがけで天日乾燥されたコシヒカリを分けてもらっています。1俵3万円です。生産量が少なく、流通はしていません。玄米は、安心して食べられることが保証されることで消費が拡大すると思います。 農林水産省は、昨年みどりの食料システム戦略を公表しました。2050年までに農薬・化学肥料を50%削減する有機農業の拡大を目指しています。 こうした流れを踏まえ、有機農業、自然栽培による付加価値の高い玄米用ブランド米を生産・販売することで、新潟米の需要拡大につながるのではないかと考えますが、所見を伺います。 新潟県は、新潟米基本戦略において、米の消費拡大に向けて効果的なプロモーションを展開するとしています。その一環として、本年1月からユーチューブで、遅刻するおむすび少女プロジェクトの動画を配信しています。女子高校生が朝、遅刻しそうなので、おむすびを口にくわえて学校まで走っていくというものです。 アニメなどで遅刻しそうなときにパンをくわえて走る場面が多く見受けられるので、米の本場である新潟県としては、パンではなく、おむすびをくわえて走る動画を配信したと説明がありました。 メディアにも取り上げられ、20万回以上の視聴を獲得しているそうです。朝食に御飯を食べない若い人にアピールしている取組と思います。 果たして新潟米の消費拡大にどのくらいつながるのか、私は首をかしげるものですが、県はプロモーションの効果をどのように見込んでいるのか、所見を伺います。 次に、佐渡島の金山の世界文化遺産への推薦について伺います。 佐渡市出身で東京藝術大学の学長、文化庁長官を務められた宮田亮平氏は、5歳になったとき、習い事をするときに、父親から扇とそろばんを前に並べられて、どちらかを選びなさいと言われ、迷うことなく扇を選んだと述べておられます。兄、姉たちも扇を選んでおり、宮田氏の家の近くには能に関係する多くの職人が住んでおり、またきらびやかな衣装、能の舞の姿など、能への憧れもあったようです。 佐渡に能をもたらしたのは、初代佐渡奉行、大久保長安です。佐渡には、各集落の神社に併設された33棟の能舞台が現存しています。知事も佐渡の御出身ですが、佐渡の文化を感じながら生活されたのでしょうか。 改めて、世界遺産の意義を考えてみます。佐渡金銀山は、16世紀後半から19世紀半ばにかけて400年以上にわたって日本最大、世界的にも屈指の金山でありました。国内外の経済に大きな影響を与え、金山の繁栄によって、相川は一時長崎に匹敵するほどの人口になり、鉱山技術のみならず、食料生産、伝統芸能、都市計画、土木・港湾建設技術がもたらされました。 島という地理的条件から、こうした文化が現代まで受け継がれ、400年に及ぶ各時代の鉱山関連遺跡が良好な状態で残され、集落、農地、港湾と一体となって佐渡独特の景観と雰囲気を形成していることではないかと思いますが、佐渡の世界遺産としての価値について、知事の所見を改めて伺います。 各時代の鉱山関連遺跡を中心に、世界遺産としての価値がアピールされていることは、それなりに評価されるものと思いますが、一体となって佐渡独自の景観と雰囲気を形成している佐渡文化と市民の気質に光を当てるべきと考えます。 金銀山の繁栄が徐々に終息して、かなりの時間を経過していますが、能、芸術、焼き物など、佐渡文化は失われることなく現在に息づいています。この伝統継承は、佐渡に住んできた人々が持ち続けた気質から生み出されたものではないかと思います。トキの自然繁殖に向けて、水田などの有機農業を実行して、餌場の確保を進めた方々の行動にもつながります。 終戦から半年たった昭和21年1月、佐渡高千村の海岸に不時着したイギリス軍の輸送機、ダコタを、村長さんはじめ村民の方々は機体の修理に協力し、40人の乗組員の宿泊・飲食を提供し、石を敷き詰めた500メートルの滑走路を造り、40日後に見事離陸させました。本格的な引揚げも始まらない時期に、戦死された方々の御家族はどんな思いで見守ったのかと当時を思います。困った人を助けるという佐渡の人々の気質によるものと思われます。 佐渡の人々は、金銀山に関わる労働者に能や芸能を演じ、労をねぎらいました。鬼太鼓の舞い手は鉱山の労働者であったということです。やわらぎという芸能は、鉱脈が和らぐように祈願されたものです。 400年の佐渡の文化、佐渡の人々の気質は、金山とともに育まれたもので、世界遺産と一体であると思います。多くの世界遺産を登録してきた世界の人々の認識に訴えることが重要と思います。 佐渡島の金山が世界遺産に推薦されたことを契機に、佐渡の文化や人々の気質に光を当てて世界に発信すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 以上で一般質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 片野議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、本県の稲作農業についてでありますが、コシヒカリに代表される本県産米は、食味・品質において全国から高い評価をいただき、産出額、生産量ともに全国トップを誇るなど、我が国の主食を支えております。 また、本県を代表する地場産業である米菓や切り餅、清酒などの米関連産業と連携をし、双方の振興が図られていることから、議員御指摘のとおり、稲作農業は本県の重要な基幹産業であると認識をしております。 次に、農業従事者の減少についてでありますが、本県の基幹的農業従事者は県人口の動態以上に減少傾向で、高齢化も進行しており、農業・農村の活力の低下につながることを懸念しております。 一方で、近年の就農状況は、非農家出身者等による法人就業者が増加しており、就農に対する若者の意識が変化しつつあるものと認識しております。 県といたしましては、非農家出身者を含め、意欲ある若者を継続的に確保していく必要があることから、就職先として選ばれる農業法人の育成を進めてまいります。 また、中山間地域において、営農継続や集落機能の維持を図るためには、地域内外から意欲的な人材を確保することが必要と考えており、ビレッジプラン2030の取組を通じて、農業をベースに多様な人材が多様な働き方で活躍できる地域の仕組みづくりを進めるなど、新たな農業人材の確保を積極的に推進してまいります。 次に、農業法人等の経営発展に向けた支援についてでありますが、農業法人等において、新たな就業者を確保し、経営発展につなげていくためには、議員御指摘のとおり、経営規模の拡大に加え、複合化や多角化などで経営の幅を広げ、1年を通して収入を確保できる体制を整備するとともに、働きやすい環境を整えていくことが必要であると考えております。 このため、県といたしましては、農地中間管理機構を活用した農地集積を進めるとともに、通年の作業が確保できる施設園芸や六次産業化の取組に向け、計画策定と施設整備等を支援するなど、経営基盤の強化を図ってまいります。 また、外部専門家とも連携をし、各種保険や休暇制度など就業環境の整備を支援することで、就業先としての魅力を高め、新たな人材の受皿として持続的な経営発展が可能な農業法人等を育成してまいりたいと考えております。 なお、県内の農業法人の状況につきましては、農林水産部長からお答えをいたします。 次に、新潟米の現状についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、全国的に米の需要の減少に拍車がかかっていることから、米の需給環境は大幅に悪化しており、全国の消費者から高い評価を受けている新潟米といえども、需給環境に影響され、民間在庫量が積み上がり、米価が下落している現状にあるものと認識しております。 このため、米価の安定に向け、本県においても過剰となっている主食用米の民間在庫量の適正化を図ることが重要であると考えております。 次に、米の需要拡大に向けた取組についてでありますが、人口減少等により、主食用米の需要が長期的に減少する中で、本県産米の生産を維持・拡大していくためには、国全体の需要減少への対応だけでなく、本県産米の需要そのものを拡大していくことが必要であると考えております。 このため、新潟米基本戦略に基づき、主食用米については、食味・品質を重視した米作りを徹底するとともに、コシヒカリと新之助を双璧のトップブランド米として、関係団体とオール新潟でPRを展開し、改めて米といえば新潟県という産地イメージを定着させてまいります。 また、非主食用米については、食品産業との連携を一層進めることで、加工用米や米粉用米の需要拡大に取り組むとともに、輸出事業者や企業等と連携をしながら、輸出用米の販路開拓にも取り組むなど、主食用米と非主食用米を合わせた新潟米全体での需要拡大を進めてまいります。 次に、米の今後の需要見通しについてでありますが、令和3年産米の需給調整については、過去最大の作付転換が実現したものの、目標まで及ばなかった背景には、地域によって取組に対する農業者の受け止めに差があったためと認識しております。 また、今後の米の需要については、仮に新型コロナウイルス感染症が収束に向かったとしても、感染症により変化した消費行動は、一定程度続くものと思われますので、まずは足元の需給環境の改善に向けて、もう一段努力する必要があると考えております。 次に、災害等に備える米の備蓄についてでありますが、国では、平成5年の米不足の教訓を生かすため、平成7年に食糧法を施行し、新たな備蓄米の制度を発足させており、米の備蓄は、食料安全保障の観点から、国の役割として取り組まれるものと承知しております。 県といたしましては、非主食用米等への作付転換の一つの取組として備蓄米の生産を推進しており、国が行う備蓄米の確保に寄与することで、米主産県としての役割を果たしてまいりたいと考えております。 次に、米の新たな需要拡大等についてでありますが、本県は、米を主原料とした食品産業が集積しており、需要の拡大に向け、消費者ニーズを踏まえた新たな米の利用方法を創出していくことは重要であると考えております。 そのため、これまでも、県内企業等と連携をし、日本酒や米菓に適する米の品種開発を行うとともに、健康志向の高まり等を受け、産学官連携の場を設け、発酵技術や米の機能性に着目した共同研究や、新商品の開発などに取り組んでいるところです。 県といたしましては、本県の強みである米について、その特徴や機能性を最大限生かし、新たな付加価値が期待できる米の活用技術の開発を産学官一体となって進めるなど、米の新規需要を掘り起こしてまいりたいと考えております。 次に、佐渡島の金山についてお答えします。 まず、佐渡島の金山の世界遺産としての意義についてでありますが、議員御指摘のとおり、佐渡には、佐渡金銀山のみならず、長い歴史に育まれた文化や景観など、様々な魅力があるものと承知しております。 一方、世界遺産登録を目指す佐渡島の金山は、16世紀後半から19世紀半ばに、国家の管理運営の下、海外との技術交流が限られる中、ヨーロッパとは異なる発展を遂げ、世界に誇る質と量の金を生産した伝統的手工業による大規模かつ長期的に継続した金生産システムを示す希有な産業遺産であることがその顕著な普遍的価値であり、国文化審議会からも同様に評価していただいたものと考えております。 次に、世界遺産登録に向けた世界への発信についてでありますが、議員御指摘の佐渡の文化や人々の気質は、佐渡の魅力を発信する上で重要な要素になり得るものと認識しております。今後、登録の実現と併せて佐渡の魅力のさらなる発信に取り組んでまいりたいと思います。 一方、世界遺産登録実現のためには、佐渡島の金山の顕著な普遍的価値について、国際的な理解を得ることが重要と考えております。 県といたしましては、国や佐渡市と一層緊密に連携しながら、ユネスコの諮問機関であり、遺跡の保護に関する専門家組織であるイコモスやユネスコ世界遺産委員会の構成国等の関係者に対し、理解が得られるよう、効果的な情報発信に努めてまいります。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) 6点についてお答えします。 県内の農業法人の状況についてでありますが、県が実施した抽出調査では、経営面積が40ヘクタール以上の農業法人の大宗で、複数の従業員を常時雇用しており、その規模の法人数は県全体で246法人と、5年前に比べて約1.7倍に増加しております。 また、これらの法人では、水稲と施設園芸等を組み合わせた通年での生産体系の確立や、稲作を中心に冬期はスキー場等での副業を認め、通年で収入を確保できる環境を整えるなど、様々な工夫により、若者をはじめとした人材の確保・定着が図られているものと考えております。 一方で、農業法人全体を見ると、経営面積が20ヘクタール未満の小規模な農業法人が4割強を占め、これらの法人では常時雇用している割合も低いことから、県といたしましては、経営基盤の強化と併せ、就業環境の整備を支援してまいります。 次に、県内稲作農業と米関連産業との連携等についてでありますが、県では、新潟米基本戦略に基づき、主食用米と非主食用米を合わせた米全体での生産者所得の最大化に向け、需要に応じた米作りを推進しており、その取組の一つとして、県産加工用米等に対する県内米関連産業の需要動向を取りまとめ、農業者側に情報提供しております。 今後とも、県内米関連産業からの需要に応えられるよう、需要動向の情報提供を継続するとともに、県産加工用米の複数年契約や、県産米を活用した新商品開発の取組を支援するなど、県内稲作農業と米関連産業の双方の結びつきを強化してまいりたいと考えております。 次に、R10プロジェクトの現状と課題についてでありますが、米粉の認知度の向上やグルテンフリーのニーズの高まり等により、令和2年の米粉の需要量は、プロジェクト開始直後の平成21年から約7倍の3万6,000トンに増加しており、米粉は一定程度、市場に定着したものと認識しております。 しかしながら、米粉用米の生産量は3万3,000トンと需要を満たしていないことから、過剰となっている主食用米からの一層の転換が必要と考えております。また、米粉製品の製造ロットが依然として小さく、コストが高いことも課題と認識しております。 このため、県といたしましては、産地交付金等を有効に活用して主食用米からの転換を図り、米粉用米の生産拡大を一層進めるとともに、大口需要者の獲得に取り組むことで米粉製品の製造ロットの拡大を推進し、米粉の利用促進を図ってまいりたいと考えております。 次に、用途に合わせた米製品の開発についてでありますが、多様なニーズに対応した製品の開発は、新たな米製品の市場が開拓され、その市場規模が拡大することで、原料となる米の需要拡大や付加価値向上につながる取組であると認識しております。 このため、県といたしましては、引き続き、産学官の連携による新潟県新たな米産業創出技術研究会等において、米の機能性に関する共同研究や商品開発等を進めるとともに、災害備蓄用や輸出用をはじめ、多様な用途の米製品の開発を支援するなど、新市場の開拓を積極的に推進してまいります。 次に、みどりの食料システム戦略を踏まえた有機栽培米等の生産・販売についてでありますが、有機農業等は、環境への負荷低減に加え、安全・安心を求める消費者のニーズに応え得る農法であり、また、食用玄米は、健康を志向する消費者のニーズもあることから、玄米食を含めた有機栽培米等は、市場規模の一定の拡大が期待できるものと認識しております。 県といたしましては、環境と調和した持続可能な農業の実現に向け、有機農業の団地化等を推進する予算を本定例会にお諮りしているところであり、幅広い消費者ニーズに対応できるよう、有機栽培米等の生産・販売の拡大にも取り組んでまいりたいと考えております。 次に、遅刻するおむすび少女プロジェクトのプロモーションの効果についてでありますが、本プロジェクトは、米の需要減少が続く中、朝食の米離れに着目し、若年層に御飯を食べる食習慣を改めて提案するとともに、新潟米のブランドイメージを高めることで米の需要拡大を図る取組です。 企画内容の斬新さや動画の面白さから、マスメディアによる露出は広告換算で5億円を超えたほか、SNS等の拡散により動画視聴回数は延べ85万回に上り、視聴者からは米の消費拡大につながる好意的な声が数多く寄せられております。 さらに、その話題性の高さから、国の広報活動や大手コンビニチェーンの県産米おにぎりの販売促進での連携要望が届くなど、波及効果も高まっており、一定の効果があったものと考えております。 ○副議長(小島隆君) 片野猛君の質問は終わりました。 次に、笠原義宗君の発言を許します。笠原義宗君。   〔笠原義宗君登壇〕(拍手) ◆笠原義宗君 自由民主党の笠原義宗でございます。 令和4年度予算は、新型コロナウイルス対応に重点を置きつつ、感染収束後を見据えた中長期的発展の取組を重点化した分散型社会、デジタル改革、脱炭素が示され、本県の課題である人口減少や経済成長、安全・安心につながる具体的な施策となっており、花角知事の2期目を見据えた予算を後押ししてまいりたいというふうに思っておりますが、まず県政の諸課題について伺ってまいります。 政府は、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を目指しています。これは、成長戦略を軸に経済を成長させ、成長の果実である富を中間層へより多く分配することで国内消費を後押しし、好循環をつくるという考え方であり、成長戦略には2050年カーボンニュートラルの実現、デジタル田園都市国家構想、10兆円規模の大学ファンドなどが挙げられています。 私も積極財政により国内消費を押し上げる施策が重要かと考えておりますが、成長と分配の好循環に向けては所得が増えることが重要であり、何より給与の拡大が求められますが、新型コロナウイルス対策として実施された10万円の特別給付のような仕組みも今後の新しい分配の在り方の一つではないかと考えます。 政府の成長と分配の好循環についての受け止めと、その実現に向けた県の取組の方向性について知事に伺います。 次に、家計の現預金と消費喚起について伺います。 令和4年度予算は、新型コロナウイルス感染症収束後を見据えた成長を視野に入れた予算が目立っていますが、傷んだ経済を戻すことが重要であると考えます。 家計の現預金は、新型コロナウイルスの影響で2020年4月から大幅に積み上がり、それ以降も増加傾向が続いています。 社会経済活動の再開が段階的に進み、消費が回復することが望まれますが、新型コロナウイルス感染症対策で支給された10万円の特別定額給付金の70%以上が貯蓄に回ったとの民間試算もあり、内閣府によると、家計にはコロナ前のトレンドから比べて約40兆円の超過貯蓄があるとのことです。 加えて、貯蓄から資産形成への動きが進み、投資を増やす中間層も増えているとの報道もあります。 アフターコロナを見据え、新型コロナウイルス感染症によって打撃を受けた飲食や旅行などサービス産業の需要を喚起するとともに、デジタル化や新たなチャレンジ等の支援により、その魅力をさらに磨き上げることが必要と考えます。 本県における新型コロナ後の現預金の状況と、本県経済の回復に向けてどのように消費を喚起していくのか、知事の所見を伺います。 次に、行財政改革について伺います。 令和4年2月改訂の行財政改革行動計画・中期財政見通しによれば、令和4年度当初予算案までに194億円の収支改善が図られており、これを評価いたします。 令和13年度をピークとする基金取崩し額の山を越えるには、400億円程度の県債管理基金の確保が必要であり、令和5年度に令和4年度当初予算比でさらに10億円程度の収支改善を行うとのことです。 しかし、将来を見据え、時代に合わせた行財政改革は今後も必要であり、空港アクセスやアリーナ建設など大規模投資の必要性を考えれば、令和6年度以降も引き続き行財政改革を進めるべきと考えますが、令和5年度の収支改善をもって行財政改革は終了するのか、知事の所見を伺います。 我が国では人口減少が続いており、将来的にも人口の増加が見込めないため、人口減少がもたらす課題と現状での対策を県民に示す必要があると考えます。 県は人口減少問題対策会議を開き、部局横断的に人口動態の改善に寄与する効果的な施策を検討していますが、人口減少の課題は社会保障費の増加、国内消費の減少、学校の統廃合、地域交通など、明確になってきていると考えます。 地域では受け入れにくいものが多くありますが、オール新潟で対策を進めるためにも、不都合な真実であったとしても、人口減少による課題を県民にしっかりと示す必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、医学部の地域枠拡大について伺います。 令和4年度予算、地域枠の大幅拡大による医師の県内定着促進施策に5億円程度の予算が提案されています。 国の医師偏在指標において、本県は全国で最も医師が不足している県とされているとともに、大都市圏に医師が集中しており、全国的な医師の偏在が一目瞭然となりました。 本県の2036年時点における医師不足養成数は1,534人とされていますが、花角知事が就任されてから医学部の地域枠の新設・拡大が進んでおり、平成21年の5人が、令和2年には26人、令和4年には53人となりましたが、より多くの地域枠を設定している県もあることや、国の医師偏在指標において本県は全国最下位であることを踏まえれば、地域枠のさらなる拡大に取り組んでいく必要があると考えますが、課題と対応について知事に伺います。 次に、発熱外来と一般診療の影響について伺います。 現在、発熱等で医療機関を受診する際は、かかりつけ医や新型コロナ受診・相談センターに事前に電話連絡し、発熱外来で受診することになっていますが、土日や祝日など受診できない場合もあります。また、PCR検査は数日待つ方も多くいると聞きますし、抗体検査キットは購入できない方もいます。 さらに、オミクロン株の急拡大を受け、本県でも感染者の濃厚接触者となった人に発熱などの症状がある場合、検査をせずに医師の判断で感染者とみなす仕組みを始めました。これは発熱外来に患者が殺到し、検査が追いつかなくなることを防ぐ対策とされていますが、検査・診察を受けられないことで不安になる方も多くいます。 新型コロナウイルス感染症の対応については、現状のように発熱患者を医療機関につなぐだけでなく、病院やクリニックが一般診療とワクチン接種にも対応しているため、臨時的に発熱外来専用の医療施設をつくり、休日でも検査・診療を行うべきと考えますが、県の所見を伺います。 また、発熱患者の増加により一般診療が制限されていると聞きますが、現状について伺います。 次に、オンライン診療について伺います。 厚生労働省は、医療機関サービスの対価である診療報酬の改定内容を決めました。新型コロナウイルス禍を踏まえ、医療機関での重症者や発熱患者への診療体制を強化した場合での加算、患者受入れなどの対処を促すのが狙いとされています。 新型コロナウイルス対応の特例として容認されていた、初診からのオンライン診療を恒久化し、初診料を2,140円から2,510円に増額しました。 本県でも、電話やオンラインでの診療に多くの医療機関で対応いただいています。 初診のオンライン診療は、原則かかりつけの医師が実施しますが、それ以外の医師も患者の診療情報を事前に確認することを条件に実施が可能となりました。 オンライン診療の適正な活用が広がれば、高齢者だけでなく、若い世代までかかりつけ医を持つ契機となる可能性もあります。幅広い世代でかかりつけ医が定着すれば、今後の医療体制改革も進むのではないでしょうか。 かかりつけ医によるオンライン診療を、全県で受診できる状況をつくることが、本県におけるかかりつけ医の定着や医療体制強化につながると考えますが、県の所見を伺います。 次に、生活困窮者支援事業について伺います。 長引く新型コロナウイルス感染症の影響により、飲食や宿泊、イベントなど、サービス業に従事している非正規やアルバイトを中心に、働けずに経済的に厳しい状況が続いている方たちがいます。 国は10万円の特別定額給付や、18歳以下への10万円の臨時特別給付を行いましたが、特に生活費がかさむ子育て世帯などに対する、さらなる支援を実施すべきであり、収入減少があった世帯に対する無利子貸付けの要件緩和や申請簡略化など、生活困窮者への支援体制を強化する必要があると考えますが、県の所見を伺います。 次に、イベント・お祭りの支援事業について伺います。 新型コロナウイルス感染症の第6波が拡大・長期化しており、来年度も影響が続くことが想定されます。インバウンド需要が戻るには時間がかかると思いますし、県内のお祭りやイベントの中止の判断も始まっています。 昨年度、県は県内の各種団体等が実施するイベントやお祭り等を支援する「消費喚起・需要拡大プロジェクト」応援事業や、感染防止対策を支援する地域イベント開催支援事業を行いました。今年度も引き続き同様の支援を実施すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、除雪車のGPSについて伺います。 昨冬は、例年あまり雪の降らない新潟市でも大雪となり、除雪が遅いとの苦情が多く寄せられました。雪の降り方によっては、除雪に時間がかかることも仕方なく、その場合は外出抑制を求めるべきですが、除雪が効率的に進むにこしたことはありません。 県は、今冬までに全ての除雪機械にGPSを搭載し、稼働状況を迅速に把握できる状況を整えました。現場の声を聞くと、除雪業者の作業記録の作成が不要となり、事務作業の軽減メリットがあると言われていたものの、GPSに不具合が生じたり、少し止まっただけで休憩にカウントされてしまったりなど課題もあるようですが、GPSの効果について、現時点での課題や評価を含めて、県の所見を伺います。 次に、ヤングケアラーについて伺います。 近年、家族が病気であるという事情から、大人が担うような介護・家事を行うヤングケアラーが問題となっています。 国が公立学校を対象に調査したところ、中学校の46.6%、全日制高校の49.8%の学校にそうした生徒がいることが分かりました。県の調査においても、中学校の28.4%、全日制高校の20.3%にそうしたヤングケアラーに該当すると思われる生徒が在籍しています。 特に、家族の代わりに幼い兄弟の世話をしているケースが多いとされていますが、家族内の支え合いは一定程度必要であるとも考えます。 今年度、支援検討会議が開催され、検討されていましたが、県としては問題の中心はどこにあると捉え、問題解決に向けて今後どのように対応するのか、県の所見を伺います。 次に、教員と子供の私的SNSについて伺います。 文部科学省は、教員による児童生徒へのわいせつ行為を予防するため、SNSなどでの私的なやり取り禁止を明確化することを求める通知を都道府県に発出しました。密室状態をつくらないことや、アンケートによる実態把握なども求めています。 令和元年度調査で、児童生徒へのわいせつ行為での懲戒処分は126人で、わいせつ行為での懲戒処分は全体の半分近くを占めていました。 本県でのわいせつ行為による懲戒処分の現状を伺うとともに、私的SNS禁止の明確化や、わいせつ行為未然防止に対する取組の状況について教育長に伺います。 次に、教員不足について伺います。 令和3年度採用の公立小学校の教員採用試験の競争倍率は全国平均で2.6倍と、2年連続で過去最低を更新しました。その背景として、長時間労働が慢性化した苛酷な職場という認識が社会に広がり、志願者が集まらない傾向があると言われています。 また、授業はもとより、部活動や保護者の対応など、一人で悩み、精神疾患で休職する教員も多く、産育休取得者も増加するなど、現場では講師不足も生じており、校長先生が臨時講師の確保に向けて取り組んでいるものの、厳しい状況であると伺っています。 志願者不足と講師不足については、国において抜本的な対策を取るべきと考えますが、本県における志願者不足と講師不足の現状と課題への対応について伺います。 次に、警察施設の防犯カメラ等について伺います。 近年、全国的には、交番の襲撃事件や警察署に若者が押し寄せる事件などが発生しています。東仙台交番襲撃事件では、警察官1名が刺され、殉職しましたが、防犯カメラがなかったとのことです。また、富山市奥田交番襲撃事件では、交番の警官が刺殺され、犯人は拳銃を奪い、小学校正門付近で警備員に発砲しました。 襲撃犯が自暴自棄となり、通り魔ともなれば、無差別殺人にもつながりかねません。また、駐在所には警察官の家族も居住しており、家族の危険性も考えられることから、近年は駐在所を集約し、交番化を進めていることは安全確保の重要な施策であると考えます。 交番や駐在所は地域の安全・安心の拠点であり、襲撃犯に対応するには、施設への防犯カメラや非常ボタンなどの設置を進めるほか、警察官の対応力の強化を図るべきと考えますが、県警察における安全確保対策の取組について伺います。 脱炭素の流れを受け、世界的にCO2の封じ込めを目的としたCCSの計画が相次いで公表されています。アメリカ石油大手、エクソンモービルは、昨年、メキシコ湾の海底で約11兆円規模の事業構想を打ち出しました。また、イギリスやオーストラリア、東南アジアでも大規模な計画が検討されています。 海底を含む地下に貯留するには、CO2を通さず、隙間がある地層が求められるため、枯渇した油ガス田などが有望とされていますが、適地は限られ、エネルギー関連企業などの間で獲得競争が既に始まっています。 国内では、経済産業省が北海道で実験を重ね、2019年までに30万トンのCO2貯留に成功しており、三菱商事と三井物産はオーストラリアの海底に貯留する事業に乗り出すとのことです。 また、CCSを使ったCO2の削減量を権利として、企業間で取引できるようにするための国際的なルールづくりも始まりました。 INPEXは、今月9日、CCSについて2023年までに本県でCO2の圧入試験を始めることを発表しました。 枯渇油ガス田を活用したCCSを推進し、本県の拠点化を図るべきと考えますが、知事の所見を伺います。 公用車のEV化について伺います。 本県の公用車は、全体で1,850台程度あります。世界的な脱炭素化の流れもあり、我が国においても2035年以降、ガソリンとディーゼル車の新車発売ができなくなり、電動車、すなわちハイブリッド車、EV、プラグインハイブリッド、燃料電池車の4種類のみが新車として販売されることになると言われています。 脱炭素を推進するため、本県の公用車についても、全体の台数を低減しつつ、計画的に電動車に代替していく必要があると考えますが、今後の対応について伺います。 世界的に海洋プラスチック問題が注目され、国連のSDGsの14番目の目標とされるなど、プラスチック問題は解決すべき課題です。 近年、環境意識の高まりから、日本でもプラスチック容器やストローを紙に替える事業者も出てきていますが、紙容器の料金が高く、普及は限定的であります。 また、レジ袋有料化で、袋をもらわない人は大幅に増えましたが、バイオマスが25%以上配合されたプラスチックレジ袋は有料化の対象外で、無料で配布されています。 このような中、プラスチック総廃棄量が世界第4位の日本において、2022年4月にプラスチック資源循環促進法が施行されます。これは、捨てる量を減らすだけでなく、捨てることを前提としない経済活動を促進する法律であり、対象事業者は、国が定めたフォークやスプーン、ストローなど12品目の使用合理化を求められることになります。 同法は、第6条で地方公共団体の責務を規定しており、都道府県及び市町村は、国の施策に準じて、プラスチックに係る資源循環の促進等に必要な措置を講じるよう努めなければならないとされていますが、県としてどのように対応するのか、知事の所見を伺います。 次に、生分解性プラスチックについて伺います。 新型コロナウイルスの影響を受け、使い捨ての不織布マスクや手袋、飲食店のテークアウト・デリバリー用のプラスチック製品の使用が大幅に増えています。 なお、使い捨ての不織布マスクの多くは布と書いてあるものの、素材表示はポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレンであり、プラスチック製品です。 持続可能な社会の実現に向けては、プラスチックのリサイクルを一層進め、バイオマスプラスチックの利用を促すとともに、今後、特に紙製品や微生物の働きによって、最終的に水と二酸化炭素にまで分解される生分解性プラスチックに替えていく必要があると考えます。 プラスチックを紙製品や生分解性プラスチックに替えていくことの必要性と実現に向けた課題について、県の所見を伺います。 次に、国産麻の供給について伺います。 近年、国産麻の生産量が激減し、今や9割が中国産という現状にあります。国産麻の需要は、神社用の神具や古典芸能の楽器や横綱の化粧回しなどに使用されており、伊勢神宮を中心に日本が長年守ってきた伝統であるため、なくしてはならないものです。 また、白根大凧合戦の綱も国産麻で作られており、生産農家は栃木県の数軒のみとなっていて、価格が高騰し、今後の供給に不安があるのが現状です。 ちなみに、たこの骨組みに使う竹は佐渡産の竹を使用しておりまして、伝統文化を守るためには、供給先を守る必要があると祭り関係者は考えています。 生産の減少には、大麻取締法により大麻栽培が原則禁止されている中、免許を与えるのは都道府県知事の判断であることで、慎重になることが多いことも関係しているようです。確かに薬物乱用につながる一面もあり、不正事案が発生したこともありますが、大麻草は精麻として神社の祭祀をはじめ様々な場面で使用されており、日本の伝統文化にとって大切なものです。 三重県議会は、昨年3月、精麻生産の維持継承と薬物乱用防止の両立を図るために、大麻草の栽培及び利用に関する検証等を求める意見書を厚生労働省に提出しました。意見書は、国において大麻草の栽培及び利用に関して十分な検証を行うとともに、薬理成分の含有量によって区分の検討を進めるよう強く要望する内容となっています。 なお、精神活性作用のあるTHCの含有量が0.2%と低い、とちぎしろという品種も存在します。 県内での生産は厳しい面がありますが、需要の多い三重県や神社庁などと連携し、国産麻の供給を守ることが伝統文化を守ることにつながると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、ネーミングライツについて伺います。 本県は、ビッグスワン、エコスタジアム、長岡屋内総合プールなどでネーミングライツを導入しています。これをさらに拡大すれば、本県の収入増につながり、億単位の上積みが見込めるのではないかと考えます。 愛知県38施設、徳島県34施設など、他県でのネーミングライツの導入は本県以上に進んでおり、スポーツ施設や文化会館、都市公園、細かいところでは歩道橋や道路など多岐にわたっています。また、他県では公用車の広告掲載を募集しているところもあります。 本県におけるネーミングライツ導入についての基本的な考え方と今後の可能性について、知事に伺います。 次に、農林水産業について6問質問いたします。 我が党では、2月定例会で農林水産物のブランド化条例を提案しています。 本県には新潟米をはじめ、ルレクチエや新潟枝豆、にいがた和牛など魅力ある農林水産物が多くありますが、知名度が高いのは新潟米のみです。また、雪室も本県の特徴を生かした新潟ならではの魅力として、ブランド強化に資するものと考えます。 少量であっても、魅力ある本県の農林水産物を積極的に首都圏や海外にPRすることで、価格を高め、農家所得を増やすことなど、本県の魅力向上につながると考えますが、本県農林水産物のブランド化に向けた取組方針について、知事の所見を伺います。 次に、農林水産物の輸出について伺います。 国は、農林水産物・食品の輸出額目標を2030年に5兆円と設定し、様々な施策を展開しています。特に日本産のイチゴは香港、シンガポール、タイ、台湾を中心に輸出が伸びており、国内価格の3倍から6倍で流通しています。大粒の見た目や食味のよさから、現地の富裕層を中心に人気が高く、越境ECサイトを活用した輸出を進める栃木県が、シンガポールやマレーシアに売り込みを強めています。 政府は、輸出拡大実行戦略で2025年にイチゴの輸出額86億円を目標に掲げ、全国12産地を輸出産地に指定し、国内需要を満たした上で輸出向けを確保できるよう生産基盤の強化を急いでいます。需要の高いイチゴのほか、シャインマスカット、梨、リンゴが輸出に向いているとされていますが、本県の果物の輸出拡大に向けた方針について知事に伺います。 電通の調査によれば、ECサイトで1年以内に買った地方特産品のうち、果物が46%となり、最も人気があることが分かりました。購入の理由としては、「地域の旬を楽しむ」が最も高く、季節商品が多い果物が旬を感じるものとして選ばれているようです。 また、日常使い派の米の購入率も38%と高く、重い米は宅配で入手できる利便性から、EC購入が定着していると見られます。 このことからも、本県農林水産物のECサイト販売を強化する必要があると考えますが、県の取組について伺います。 国では、主食用米から非主食用米への転換を促してきましたが、水田を活用した園芸作物の導入を後押しする事業を強化することとしています。作物転換で新たに必要となる機械や施設のリース導入費用を支援するのが柱であり、輸入品が全体の3割を占めている加工用野菜の生産を促し、国内需要を増やす狙いがあるとのことですが、一定の面積以上で、食品メーカーや外食業者など、実需と契約取引することなどが要件となっています。 本県においても、稲作から園芸の流れをさらに推し進めるために、国の園芸導入支援を積極的に活用すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、林業活性化の施策について伺います。 近年、森林環境譲与税を基に林業の活性化が進められています。全国的には5割超が支出されず、基金に積み立てられているものの、本県の市町村は7割程度を活用しているとのことであり、また今後、譲与税の額は6億円から10億円程度に増加する見込みとのことです。 ウッドショックによって国内の木材価格が上がっていることや、バイオマス発電所による間伐材の利用も進んでいることを踏まえ、県は市町村の取組を後押しするなど、林業活性化を推進する必要があると考えますが、県の所見を伺います。 最後に、生分解性プラスチック製農業資材の利用促進について伺います。 微生物の働きによって、最終的に水と二酸化炭素にまで分解される生分解性プラスチック原材料を使用した農業用資材はありますが、高額なことから幅広い普及には至っていません。 循環型農業の実現に向け、生分解性プラスチック製農業用資材の利用を促進すべきと考えますが、県の所見を伺いまして、質問を終わらせていただきます。御清聴大変ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 笠原議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、成長と分配の好循環の実現についてでありますが、新しい資本主義では、付加価値の源泉となる人材への投資と分配を強化し、持続的な成長の実現を目指しており、そのため、今般の経済対策では、議員御指摘の特別定額給付なども、公的部門における分配の一つの施策として示されているほか、民間部門の一層の所得向上に向けた施策も盛り込まれたところであります。 地域経済の持続的な発展のためには、企業収益の拡大と、その適切な分配を通じた賃金の上昇が消費拡大へとつながることが重要であり、今後、国において、これらの施策を着実に進めていただきたいと考えております。 県といたしましても、県内産業のデジタル化を推進するとともに、起業・創業や新事業展開など意欲ある企業の挑戦や成長分野への参入を後押しすることで、本県産業全体の付加価値の向上と賃金の上昇につなげてまいりたいと思います。 次に、現預金の状況と消費喚起策についてでありますが、日銀の統計によりますと、本県における個人預金の残高は、全国と同様に近年、増加傾向にあり、中でも新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年以降の伸び率は高く、その背景には、緊急事態宣言等による行動抑制の影響もあるとされております。 本県経済は持ち直しつつありますが、感染拡大防止対策の影響を受けています飲食・宿泊等の業種では厳しい状況にあることから、貯蓄を消費へ振り向けてもらえるよう後押しをし、社会経済活動の回復を図る必要があると考えております。 そのため新年度においても、各種団体が行うイベント等の開催支援や宿泊割引の実施などにより、個人消費や観光需要の喚起に取り組むとともに、ポストコロナを見据え、県内中小企業の新たな商品開発やサービスの提供へのチャレンジについても、引き続き支援をしてまいります。 次に、令和6年度以降の行財政改革についてでありますが、今後、令和5年度当初予算において10億円程度のさらなる収支改革を行い、その水準を継続することで、急激な歳出削減による行政サービスの過度な縮小を招くことなく、令和13年度をピークとする公債費の実負担の大幅な増加に対応できるものと見込んでおりますが、一定の仮定に基づく現時点の試算であることから、その推移を見極めていく必要があります。 そのため、行動計画の最終年度である令和5年度に、その時点の中期財政収支見通しや歳出歳入改革の取組成果などを踏まえ、同計画の必要な見直しを行うとともに、引き続き、年2回、最新の経済状況等を踏まえ、中期財政収支見通しを再算定しながら、適切な財政運営に努めてまいります。 次に、人口減少による課題の県民との共有についてですが、人口減少は、本県が長きにわたり苦しんできた深刻な課題であり、県政のあらゆる分野の政策を総動員し、人口減少対策に取り組んでまいりましたが、人口動態には、これまで続いた人口構造による慣性が働く面もあり、当面は人口減少局面が継続していくものと見込まれております。 こうした人口減少や少子高齢化により、議員御指摘のとおり、一般的には、社会保障費の増加や地域経済の縮小、公共サービスの低下などが懸念されるところであります。 このため、政策的に改善し得る点を明らかにして、人口の減少幅を縮小し、歯止めをかけるための施策に全力で取り組む必要があります。同時に、それでも見込まれる人口減少の局面で生じる様々な課題に対してはしっかりと対応し、地域での生活が守られ、県民一人一人が安全に安心して暮らせるとともに、本県が持続ある発展をしていけるような活力ある社会づくりに向けた施策を検討・実施してまいりたいと考えております。 人口減少の課題や対応などについては、現在行っている総合計画の見直しにおいて明記するなど、様々な形で県民の皆様に御理解いただけるよう努めてまいりたいと思います。 次に、医学部地域枠のさらなる拡大についてでありますが、地域枠は、本県の医師確保につながる有効な施策と考えており、令和4年度地域枠は前年度より20名増となる53名としたところですが、本県は、国の医師偏在指標で全国最下位の状況であり、議員御指摘のとおり、地域枠をさらに拡大していく必要があると考えております。 一方で、地域枠の拡大に当たっては、大学側の受入れ体制の整備や修学資金貸与に伴う多額の財政負担などの課題もあると認識しております。 このため、地域枠のさらなる拡大に向けて、県内外の大学と丁寧な協議を行うとともに、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会などを活用して、国に対して、地域医療介護総合確保基金の配分方針の明確化による重点的な配分などを求めてまいりたいと思います。 次に、各種団体が実施するイベント等への支援についてでありますが、本県経済は持ち直しつつあるものの、感染拡大防止対策の影響を受けている飲食や宿泊等の一部業種で厳しい状況にあることから、引き続き、事業継続等の下支えとして、地域のイベントの開催支援に取り組んでいく必要があると考えております。 そのため、県といたしましては、新年度においても、県内各地域の団体による創意工夫を凝らしたイベント等を引き続き支援してまいりたいと考えております。 次に、CCSの推進についてでありますが、議員御指摘のとおり、二酸化炭素を地下に貯留するCCSは、枯渇油ガス田の活用が有望とされ、県内においても民間企業の事業実施が検討されているところです。 CCSは脱炭素社会に貢献する技術であり、本県のエネルギー拠点化にもつながるものと考えておりますが、一方で、商用化に向けて、コスト低減、地下貯留に対する住民の理解、事業実施における法令上の取扱い等、課題が多いものと認識しております。 県といたしましては、実施企業に対して丁寧に住民理解を得るよう要請するとともに、国に対して技術開発支援や法制度をはじめとした環境整備を要望するなど、CCS導入に向け支援してまいります。 次に、プラスチック資源循環促進法の施行を踏まえた県の対応についてでありますが、プラスチック資源循環促進法は、使い捨てプラスチックの使用合理化や、プラスチック使用量を削減するなど環境に配慮した製品の認定・普及、効率的な回収・リサイクルの措置が盛り込まれ、包括的に資源循環体制を強化する内容となっております。 県といたしましては、国の取組に合わせ、環境教育や広報等を通じて、プラスチックごみ削減など3Rの意識を醸成し、ライフスタイルの変革を促すとともに、新たに認定される環境配慮製品を率先して調達するなど、プラスチックの資源循環の促進等に取り組んでまいります。 次に、国産の麻の供給についてでありますが、議員御指摘のとおり、伝統文化の継承は非常に重要なことであると認識しております。 一方で、麻の原料となる大麻草栽培については大麻取締法で規制されており、薬物乱用を助長する危険性などから、免許の交付には慎重な判断が必要とされております。 全国でも大麻栽培者免許を交付している例はほとんどなく、本県でも現在、免許を保持している方はおりません。 県といたしましては、三重県議会の意見書に対する対応など、国の動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、ネーミングライツの導入についてでありますが、本県は、スポーツ施設を中心に4件で導入しておりますが、議員御指摘のとおり、全国的には、ダム、森林、橋梁などのほか、歩道橋など小規模な施設も含め、多岐にわたる施設において導入されているものと承知しております。 ネーミングライツの導入は、行財政改革行動計画においても、収入確保策として一層の充実を図ることとしており、全国でのこうした導入事例を踏まえますと、本県においてもより広範な施設に導入していく可能性があると考えております。 導入が進んでいる都道府県においては、募集方法、選定手続等を制度として定め、広く募集している事例があることから、今後、こうした事例を参考に制度化を検討し、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、農林水産業についてお答えをします。 まず、本県農林水産物のブランド化に向けた取組方針についてでありますが、新潟米に続き、本県の魅力ある品目のブランド力を強化するため、ブランドへの信頼の基本である食味・品質を重視した生産を進め、流通事業者等と連携したプロモーションにより、付加価値を高めてまいりたいと考えております。 加えて、雪室など新潟特有の自然環境や食文化等の物語性を付与した情報を発信することにより、産地としての新潟のイメージを高め、県産農林水産物全体の価値や競争力を高めてまいりたいと考えております。 また、本定例会で提案されております新潟県農林水産物のブランド化推進に関する条例案に対する御議論を踏まえ、ブランド化に向けた取組をさらに進めてまいりたいと考えております。 次に、本県の果物の輸出拡大に向けた方針についてでありますが、本県産の果物の輸出は、どの品目も後発であるため、輸出実績は小さく、近年、意欲のある産地によるトライアル輸出が始まった段階であると考えております。 県といたしましては、現在、策定を進めております新潟県産農林水産物輸出拡大実行プランに基づき、まずは輸出に取り組む生産者等を増やす環境づくりを進めてまいります。 加えて、産地間連携の促進等によるロット確保を促進し、海外に拠点を持つ商社や、商流・物流を担う流通事業者等との連携による輸出ルートの構築など、輸出拡大に向けた取組を着実に進めてまいりたいと考えております。 次に、水田での園芸作物の導入についてでありますが、議員御指摘のとおり、国は主食用米から非主食用米への転換と併せ、水田において、野菜などの高収益作物の導入・定着等を図る取組を支援しております。 本県におきましても、園芸生産の拡大を図るためには、水田での園芸作物の導入は重要な取組であると認識しており、園芸振興基本戦略に基づき、稲作農家への園芸導入を推進することとしております。 このため、本定例会において、議員御指摘の事業の活用に向けた予算案をお諮りしているところであり、この事業を含めた国の支援策も積極的に活用しながら、水田での園芸生産の拡大を進めてまいりたいと思います。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) 2点についてお答えいたします。 県公用車の電動車への代替についてでありますが、議員御指摘のとおり、国では、2035年までに乗用車新車販売に占めるEV、PHVなど電動車の割合を100%にすることを目指すとしているところであります。 県では、新年度に、公用車について、電動車等次世代自動車への更新の具体的な整備計画を策定することとしており、市場の動向等も踏まえつつ、計画的に電動車等の導入を進めてまいりたいと考えております。 次に、プラスチックを紙製品や生分解性プラスチックに替える必要性と課題についてでありますが、紙製品や生分解性プラスチックの利用を進めることは、プラスチックの使用量の削減や、環境中に排出され、回収されないプラスチックごみによる環境負荷の低減を図る効果が期待されることから、プラスチックの資源循環を推進するために必要な取組の一つと考えております。 一方で、従来のプラスチック製品に比べ、耐久性や品質、価格、使用用途などの観点から、広く普及するにはなお課題があるものと認識しております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 4点お答え申し上げます。 発熱患者の検査・診療についてでありますが、まず検査・診療については、広域型の地域外来・検査センターを現在6か所設置し、日曜・祝日でも約700件程度の検査が可能となっております。また、診療・検査医療機関を現在658か所設置し、土曜日で約400か所程度、日曜・祝日でも約30か所程度の医療機関で検査・診療が可能となっております。 次に、診療現場の状況については、現時点で発熱患者の増加により一般診療が大きく制限されている状況にはないと認識しておりますが、感染拡大の状況を踏まえて、発熱外来の開設時間を延長していただくなど、相応の御負担をいただきながら診療・検査医療機関において発熱患者の検査・診療と一般診療の両立を図っていただいているものと考えております。 県といたしましては、医療機関等と連携した検査・診療体制の強化に向け、複数の広域型の地域外来・検査センター新設を行う予定です。また、休日も対応可能な診療・検査医療機関の拡大にも取り組んでまいります。 次に、オンライン診療についてでありますが、今回のかかりつけ医によるオンライン診療の恒久化は、議員御指摘のとおり、若い勤労世代を含めた幅広い世代の医療へのアクセスの改善に資するものであることから、かかりつけ医の定着や、医療提供体制の強化につながるものと考えております。 また、オンライン診療は、医師不足が深刻であり、僻地や離島を抱える本県にとっては、今後の医療提供体制を確保していくための有効な手段の一つであると認識しております。 このため、本定例会において、へき地等におけるオンライン診療モデル検討事業についてお諮りしているところであり、医療アクセスを補完するため、オンライン診療の活用を積極的に検討してまいります。 次に、生活困窮者等への支援強化についてでありますが、議員御指摘の生活福祉資金の特例貸付けの要件につきましては、収入の減少に関しては本人の申立てで足り、必要書類も少なく、一定の場合には償還が免除されるなど、簡素な手続で利用可能な制度であると考えております。 貸付けの申込みは令和4年6月末までとなりますが、足元においても一定のニーズがあることから、これまでも国へ継続を要望してきているところです。今後も、新型コロナウイルスの感染状況や国の動向を注視しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 この生活福祉資金を含め、生活にお困りの方に向けては、国のセーフティーネットとしての生活保護制度や生活困窮者自立支援制度などにより、就労、家計改善などの自立に向けた支援を行っているところです。 さらに、令和4年度においては、様々な事情を抱える方々や、独り親家庭の自立・就業に向けた相談体制等の拡充、不安を抱える女性の相談・訪問支援に取り組むNPO団体等の連携体制の強化や、食のセーフティーネットの役割を果たしているフードバンクへの助成などにより、生活困窮者等への支援に取り組んでまいります。 次に、ヤングケアラー支援についてでありますが、支援検討会議では、世話をしていることが当たり前の感覚となっており、自分の困り事に気づけない、家族や自身のことを知られたくないという子供の気持ちや、外部からの支援を望まないなどの家族の気持ちに配慮しながら、支援につなげることの難しさなどが課題とされています。 また、家族の一員としてお手伝いすることは、子供の育ちの中で必要なことであり、そのことを否定することがないようにと議員の御指摘と同様な意見もあり、その点に十分に留意しつつ、ヤングケアラーの概念等を関係者間でしっかりと理解した上で、支援が必要な子供や家庭について適切に支援につなげていくことが重要であると認識しております。 このため、県ではこれまでに、個々の子供や家庭に丁寧に寄り添いながら支援につなげるためのスキル向上を図るため、市町村担当者や介護事業者、教職員などへの研修や情報共有、広報啓発などに取り組んできたところであり、次年度においては、これらの取組に加え、新たに専任のコーディネーターを配置し、早期発見のためのアセスメントシートの学校での活用促進や、個別の支援事例に対する技術的助言を行うなど、市町村や学校等でのさらなる相談支援体制の強化を図ることとしております。 また、当事者同士が悩みや経験を共有する機会を設けるなど、ピアサポート支援にも取り組むこととしており、これらの取組を推進することにより、地域全体で見守り、支援につなげる体制の構築を図ってまいりたいと考えております。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) 3点についてお答えします。 本県農林水産物のECサイト販売の強化に向けた県の取組についてでありますが、県ではこれまで、新型コロナウイルス感染症の影響等による消費者ニーズの変化や、販路の多角化を目指す生産者等のニーズを踏まえ、ECサイトを活用したセミナーや、産地直送型ECサイトの運営事業者と連携した新潟フェアの開催等により、本県農林水産物の販売支援に取り組んでまいりました。 県といたしましては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、農林水産物のECサイトの活用は増加しており、アフターコロナにおいても、この傾向は続くと考えております。 このため、ECサイトの効果的な活用方法を紹介する研修会の開催や、デジタル活用等のノウハウを有するアドバイザーの派遣支援など、生産者等がECサイト販売を強化できるよう支援してまいります。 次に、森林環境譲与税の活用による林業の活性化についてでありますが、県内の市町村に配分される森林環境譲与税は、他県と比較して活用が進んでおりますが、多くの市町村においては、森林所有者への意向調査など森林整備の準備段階にあることや、森林・林業部門の専門職員が不足していることなどから、森林整備の実施にまでは至っていない状況です。 また、令和4年度以降の段階的な譲与額の増額を踏まえ、より計画的な取組により、脱炭素にもつながる森林整備を着実に実施していく必要があります。 このため、県といたしましては、市町村に対して、税の趣旨に沿った効果的な活用がなされるよう、森林・林業の基礎的な知識を習得するための職員研修や、アドバイザー派遣による専門的な業務のサポートを引き続き実施し、実施体制の強化を支援してまいります。 また、航空レーザー計測による森林資源情報の取得や、担い手の確保・育成を図るなど、市町村の森林整備に向けた取組を後押ししてまいりたいと考えております。 次に、生分解性プラスチック製農業用資材についてでありますが、生分解性プラスチックを原材料とした農業用資材の利用は一部にとどまっており、土壌の被覆資材として使用するマルチフィルムにおいては、全国での普及率は6%程度となっております。 生分解性プラスチックは、回収や処理が不要であるため、農作業の省力化に加え、使用済プラスチックの処理に必要な労力やエネルギー等の削減にも効果的であり、議員御指摘のとおり、その利用は、環境に配慮した循環型農業につながる取組であると考えております。 県といたしましては、生分解性プラスチック製農業用資材の利用拡大など、省力的で環境に優しい栽培体系への転換を推進する予算を本定例会にお諮りしているところであり、引き続き、環境と調和した循環型農業を一層推進してまいりたいと考えております。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 除雪機械へのGPS搭載の効果についてでありますが、議員御指摘のとおり、県では、今冬から全ての除雪機械にGPSを搭載し、県と除雪業者の双方が機械の位置情報や稼働状況をリアルタイムに把握することが可能となりました。 これにより、スタック車両や雪崩等の交通障害が発生した際に、至近の除雪機械に対して的確な指示を行うなど、迅速な対応が図られるほか、稼働時間の自動集計が可能となり、除雪業者の実績報告業務の負担軽減にも寄与しているものと認識しております。 今後は、道路管理者間の相互応援等の連携に向け、位置情報のさらなる活用について、各圏域における連携会議などを通じて関係者と協議してまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 2点についてお答えいたします。 教員によるわいせつ行為に対する懲戒処分の現状と未然防止の取組についてでありますが、過去3か年で、本県において未成年に対するわいせつ行為により懲戒免職処分とした事案が4件発生しており、重く受け止めるべきものと認識しております。 県教育委員会といたしましては、文部科学省の通知を踏まえ、令和3年9月に市町村教育委員会及び県内の学校に対し、児童生徒とのSNS等を用いた私的なやり取りの禁止について通知し、各学校においては、教育活動上必要なSNS等の使用に係る校内ルールを定め、教職員に徹底した上で、児童生徒及び保護者に周知を図ったところです。 また、教員によるわいせつ行為の未然防止に向けた取組としては、チェックシートを用いた校内研修等の実施について、改めて指示したところです。 次に、本県における教員の志願者不足と講師の不足についてでありますが、本県における令和3年度採用の公立小学校教員採用検査の競争倍率は、全国平均と同率の2.6倍であり、志願者数を増やし、競争倍率を高めることにより、優秀な教員を確保することが課題であると認識しております。 また、講師不足につきましては、市町村立小中特別支援学校においては、4月始業時点での未配置はありませんでしたが、9月以降は40人前後で推移しており、特に小学校では、代替教員を配置できない場合、教頭や教務主任等が代わりを務めることとなっていることから、学校運営に影響が生じております。 県教育委員会としましては、オンライン参加が可能な採用ガイダンスなどを通じて、新潟県及び教員の魅力を伝える取組を一層進め、志願者増に向けた取組を進めてまいります。また、講師不足解消に向けては、退職者や教員免許保有者等に個別に働きかけるなど、引き続き人材の掘り起こしに努めてまいります。   〔警察本部長村田達哉君登壇〕 ◎警察本部長(村田達哉君) お答えいたします。 交番・駐在所における安全確保の取組についてでありますが、県警察では、他県における交番等襲撃事件の発生を踏まえ、県内の全交番に防犯カメラを設置したほか、駐在所に対しても設置を進めているところであります。非常警報設備につきましては、県内の全交番・駐在所に設置しております。 また、交番等勤務員の対応力の強化といたしまして、勤務員に対し警戒意識の保持と各種装備資機材の活用の徹底を図っているほか、実際の襲撃を想定した実戦的訓練を実施するなど、対応力の一層の向上に努めているところであります。 ○副議長(小島隆君) 笠原義宗君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時58分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時15分 開議 ○議長(佐藤純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、小島晋君の発言を許します。小島晋君。   〔小島晋君登壇〕(拍手) ◆小島晋君 未来にいがたの小島晋です。通告に従い、順次質問いたします。 県は、一昨年10月からLINE公式アカウント、新潟県-新型コロナ対策パーソナルサポートを活用した感染情報提供サービス、新潟県新型コロナお知らせシステムの運用を行っております。 新型コロナウイルス感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指し、県内の施設や店舗、イベント会場等に掲示されたQRコードを読み取ることで、万が一施設等を利用された方に感染が判明し、不特定の方への感染のおそれが高いと思われる場合などに、同じ施設等を同じ日時に利用された方々に対して、県から注意喚起のLINEメッセージが送られるものであり、県は事業者の皆様には積極的な導入をお願いするとともに、一人でも多くの県民の皆さんへの利用を呼びかけております。 現在、新型コロナウイルス感染症が全国的に広まり、本県においてもまん延防止等重点措置が適用される中、一定の制約の下で様々なイベントが行われています。新潟県新型コロナお知らせシステムが導入されて1年以上経過しますが、お知らせシステムの運用状況についてお伺いします。 お知らせシステムを活用した感染拡大防止対策について、県内で感染リスクが高いと考えられるイベントの開催時には、主催者に対して会場におけるお知らせシステムの導入を要請し、参加者のQRコードの読み取りを求めていると承知をしておりますが、掲示されたQRコードの読み取り件数が少ないとも聞いております。これまでの運用から見えてきたお知らせシステムの課題について伺います。 昨年9月定例会で、事前相談の対象とならない規模のイベントにおいても、クラスターは発生する可能性があり、中小規模のイベントについても、お知らせシステムを活用した感染拡大防止対策がなされるよう、市町村、関係団体等に働きかけるべきと質問し、システムのより一層の活用が図られるよう、市町村や関係団体等の協力も得ながら、様々な手段や機会を通じ、周知と普及に取り組んでいくとの答弁でありました。このたびの第6波は感染力が強く、急激に感染が拡大したことなどから、イベントの規模の大小にかかわらずクラスターの発生が懸念されております。お知らせシステムを活用した感染拡大防止対策が必要と考えますが、その後の進捗状況について伺います。 新型コロナウイルス感染拡大の第6波を受け、令和4年度大学入学共通テストの受験生に対し、発熱、せき等の症状のある者や無症状の濃厚接触者のために別室を設けて受験させること、発熱、せき等の症状のある受験生は、当初予定していた日程ではなく、追試験等の受験機会を設けるなどの救済措置が取られていますが、同時期に行われる医師、歯科医師、看護師等の医療従事者の国家試験受験生への新型コロナウイルス感染対応について、厚生労働省は濃厚接触者の別室での受験を条件付で認めたものの、感染者の追試験は認めていません。 オミクロン株の感染力はこれまで以上に強力であり、本人の努力だけでは感染を回避することは不可能であり、受験生の中には、国家試験合格を前提に、病院からの内定や就職を前提とした、病院独自の奨学金を受けている学生もおり、その場合は返済免除を受けることはできず、次の1年、生活のために働きながら国家試験の勉強をすることを余儀なくされ、受験そのものを諦める学生も出てくる可能性もあります。 こうした状況から、医療機関からは、受験の機会が失われれば、コロナ禍にあってさらに医療従事者の不足が進むことなどが指摘され、本人や今後の医療提供体制に重大な損失になると指摘し、今回の医療従事者の国家試験について、国が責任を持って追試などの措置を取るよう求めています。 このまま救済措置が取られなければ、医師、看護師等の医療従事者が不足している本県でも影響があると考えますが、所見を伺うとともに、国に対し救済措置として追試験の実施を求めるべきと考えますが、所見を伺います。 5歳から11歳への新型コロナウイルスのワクチン接種については、既に薬事承認や厚生労働省の承認がなされ、準備が整った市町村においては2月中に接種を開始できることとされた一方で、保護者からは、ワクチン接種時の副反応を心配する声も多く聞かれます。開始が示された5歳から11歳への新型コロナウイルスのワクチン接種に対する課題と対応について伺います。 5歳から11歳と12歳以上ではワクチンの接種量等が異なることから、間違い接種を避けるため、東京都の10の区では、12歳以上への接種とは会場を分けて行う予定とのことでありますが、本県でも5歳から11歳への新型コロナウイルスのワクチン接種を行う場合、接種量等が異なることから、間違い接種を避けるため、接種会場を分けるべきと考えますが、所見を伺います。 また、児童へのワクチン接種については、打たなければいけない同調圧力を生まないよう、接種時に会場で同じ学校の児童がなるべく顔を合わせないようにする福島県相馬市の取組、いわゆる相馬モデルと言われるような配慮が必要と考えますが、所見を伺います。 昨年、新型コロナウイルスの変異株、オミクロン株の市中感染が確認されたことを踏まえ、感染不安を感じている県民が検査を受けられるよう、12月29日から無料検査の対象を拡大し、民間薬局の協力もあり、当初の59店舗から200を超える店舗にまで拡大し、これまでPCR検査、抗原検査合わせて3万件を超える検査が行われていると聞いております。 そのような中で、各都道府県で希望者に対する無料のPCR検査、抗原検査を行っているドラッグストアの中には、年初から感染者が急増したことを受け、多数の希望者が来店したり、問合せの電話が1時間に10本以上かかってきたりと対応に追われ、本来の業務に支障を来すケースがあったり、無料の検査をめぐり、検査キットの不足から利用者に検査を断らざるを得ないと、利用者からどなられたり、長時間罵倒されるなど、全国的にもカスタマーハラスメントが相次いでいます。 検査希望で来店した方の中には、発熱している方や濃厚接触者など、無料検査の対象外の方も珍しくなく、店舗で働く従業員の感染リスクや、店舗での検査結果が陽性のケースも増えており、従業員の間でも感染への不安が広がっているといった報道がなされました。 県内のドラッグストア労働組合が多く加盟するUAゼンセン新潟県支部のドラッグストア協議会による、店舗におけるカスタマーハラスメント等に関する意見交換会に参加をいたしました。 参加者からは、同様に電話での問合せによる業務量の増加や、PCR検査結果判定までに時間がかかることを説明すると、検査結果が出るまでの休業補償をしろと言われたり、コロナ禍でレジのキャッシュレス化や非接触型による操作方法について、やり方が分からないと言ってどなられたり、説明しようとすれば近づくなと言われるなどの行為もあったとのことです。 これまで、マスク不足の折にも従業員に対するカスタマーハラスメントもあり、従業員の心理負担は高まっています。自治体が検査協力へのお願いをしていることからも、県内の検査協力事業者従業員へのカスタマーハラスメントの不安の声に応えるべく、知事が記者会見で県民へカスタマーハラスメント防止を呼びかけるなどの対策を講じるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、小学校の少人数学級化と教職員の勤務環境の改善について質問をいたします。 昨年、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律が施行されました。 公立の小学校2年生以上の学級編制の標準を約40年ぶりに、一律に、現行の40人から35人に段階的に引き下げる措置を講ずるものでありますが、これに伴い、現在本県で導入されている下限25人の条件が撤廃され、今後、小学校6年生までの35人学級が実現した場合、今年度の児童数で算定すると、県内の学級数はどのくらい増える見込みなのか伺います。 国の少人数学級化に先行して、平成13年度より30人程度の少人数学級を導入している秋田県は、小学校、中学校とも文部科学省が実施している全国学力・学習状況調査でもトップクラスの成績であり、県の担当課長は、1クラスの人数が少なければ少ないほど、先生たちが子供1人にかける時間が十分取れ、細かいこともできる、なので学力が上がるのは当然の結果だと思うとコメントしております。 同じく少人数学級を先行導入している山形県では、独自の少人数学級を導入した後の追跡調査で学力の向上が見られるなど、効果が現れています。 また、文部科学省の少人数学級の評価において、不登校やいじめなどの問題行動が減少したかの問いに、「とてもそう思う」、「そう思う」が小学校88.9%、中学校77.1%と回答されているなど、導入の効果は大きいと考えますが、県として少人数学級の導入による効果はどのようなものであると考えているのか伺います。 さきに質問したように、少人数学級の推進は、学力向上の底上げ、不登校やいじめの問題行動の減少等の効果が期待される反面、学級数の増加に伴い、保温性を保つための食缶が増えるなど、給食に関わる学校栄養教職員の新たな負担が増えると考えます。 また、現状でも複雑化する児童生徒のアレルギー対応が求められる栄養教諭の国が定める配置基準は、平成17年に栄養教諭制度が導入されたものの、実質的には昭和49年から変わっておらず、当時以上に児童生徒の命を守るための複雑化するアレルギー対応や食育の推進を考えれば、学校栄養職員や栄養教諭の業務に見合った人員配置を講じるべきと考えます。所見を伺うとともに、学校栄養職員の配置基準の見直しについても国に対し要望すべきと考えますが、所見を伺います。 現在、県教育委員会は教職員の多忙化解消に向け、定期的に市町村教育委員会や学校長、職種別労働組合の代表から成る意見交換会を開催しておりますが、学校栄養職員や栄養教諭の代表は参画しておりません。 さきに述べたように、学校栄養職員や栄養教諭は、限られた人員配置で児童生徒の食物アレルギー対応や食育教育の推進での多忙化や複数校勤務など、他の教職員と異なる勤務形態による苦労もあると聞いております。 このようなことからも、多忙化解消に関する意見交換に学校栄養教職員の代表も参画させるべきと考えますが、所見を伺います。 オミクロン株の流行による新型コロナウイルス感染が急速に拡大し、本県もまん延防止等重点措置が現在も適用されています。 このたびの第6波により、県内の小学校や保育園等をはじめとする学校現場でクラスターが複数発生し、臨時休校などの対応が相次いでおり、全国知事会長の平井鳥取県知事は、今月1日、岸田首相とオンラインで意見交換し、新型コロナウイルス対策の重点を従来の飲食店から学校や保育所に転換するよう求め、岸田首相は、オミクロン株の特性を踏まえた感染対策へと改善を検討したいと述べ、前向きな姿勢を示したと報道されました。 3学期は入試や卒業式、4月には入学式など、学校現場は大きな行事が控えており、子供たちが安心して学校に通えることが最重要課題であり、県としても学校現場への十分な人的・物的支援が必要であると考えますが、どのように対応していくのか伺います。 急激な感染拡大で保健所の業務が逼迫したことを受け、当面、学校内で陽性者が判明した場合、学校において濃厚接触者の特定及び連絡を行うこととなりました。 学校現場では、これまでも本来業務ではない業務にも対応しており、また、急な休校や学級閉鎖により給食の食数の変更も多々あり、栄養教職員も食材の発注業者や給食センターへの対応、食品ロスを減らす取組など、少ない人員配置の中、さらに業務量が増えております。 新型コロナウイルス感染者が発生した学校において、その対応業務に関わる特殊勤務手当として、教員特殊業務手当が支給されると聞いていますが、これは保健所等の要請により、学校の管理下においてやむを得ず緊急に行った業務であるとされ、栄養教諭が行う休校に伴う給食対応等は対象とならないと聞いております。 栄養教諭の学校における新型コロナウイルス感染対応は、他の職種と同様に緊急かつ多忙を極めるものであり、少人数で複数校勤務を行うなど、業務量が増す栄養教諭の新型コロナウイルス感染症に関わる業務に対応可能な人員の配置を行うなど、負担を軽減する取組を早急に進めていくべきと考えますが、所見を伺います。 12月定例会の総務文教委員会で、小学校高学年の教科担任制について、市町村教育委員会と連携しながら、小規模校も含めて検討していくとの答弁がありました。次年度の小学校高学年の教科担任制の文部科学省の予算では、概算要求時の2,000人が結果的に950人と、半分以下に大きく削減された予算となりましたが、県として今後どのように実施するのか伺います。 12月定例会において、教職員の長時間労働の解消の質問に、長時間勤務の解消は喫緊の課題であることから、市町村教育委員会による取組の進捗状況を確認し、必要に応じて市町村教育委員会に働きかけるとともに、学校訪問の際に、学校長に対する助言・指導を行うとの答弁でありました。これまで具体的にどのような成果が見られたのか伺います。 また、2021年度の働き方改革推進プランの進捗状況及び目標達成状況について伺います。 同じく12月定例会で、教職員の時間外労働削減に関するタイムスケジュールの質問に、文部科学省による勤務実態調査に基づいた労働環境改善のための検討が予定されており、国の動向を注視する必要があることから、現段階で県教育委員会がタイムスケジュールを一律に示すことは難しいとの答弁でありました。 文部科学省の勤務実態調査は2022年度に実施が予定されており、実際の勤務実態が正確に反映されていなければ、働き方改革推進プランの進捗に大きな影響を与えます。 同調査において、平日勤務はもちろんですが、休日出勤や持ち帰り残業などの教職員の働き方が正確に表れるものでなければ、市町村教育委員会との連携など、長時間勤務の解消に向けた対応も的外れなものとなってしまいます。 県教育委員会として、勤務実態が正確に反映された調査の実施に向け、どのような対応を行うのか伺います。 昨年、公務員の定年を段階的に引き上げる改正国家公務員法と改正地方公務員法が成立し、2023年度から定年が引き上げられることとなりました。現段階での教職員の定年引上げに対する検討状況について伺います。 このたびの公務員の定年延長は、若年人口が減る状況で、知識や経験を持つ職員に、より長く現役で働いてもらうことはもとより、年金支給開始年齢の引上げに対応し、定年退職する職員に無収入期間が発生しないよう雇用と年金の接続を図る意味もあり、対象となる職員が不安なくライフプランを検討する十分な時間的な余裕が必要です。 特に教職員不足は深刻な状況であり、産休などで欠けた教員の代役となる臨時教員を補充できないなど教員不足の発生や、長時間労働など労働環境が悪過ぎることを理由に教員になりたい学生は減り、他県においては人員不足から学校運営にも支障が出ているなど、深刻な事態となっていると聞いております。 定年年齢引上げが2023年度からの実施となれば、残り1年余りしかなく、定年に達する人の人材確保の面からも、遅くとも6月定例会には条例の改正が必要と考えますが、今後の教職員の定年引上げに関する制度設計のスケジュールを伺います。 次に、高齢運転者の交通安全対策と生活支援について質問します。 免許更新の通知が届いた日から過去3年間に、信号無視や逆走など、死亡事故、重傷事故につながりやすい11種類の違反歴がある75歳以上のドライバーに免許更新時の運転技能検査、いわゆる実車試験を義務づける改正道交法が、高年齢者事故対策として、本年5月13日から施行されることとなりました。 また、衝突被害軽減ブレーキなどの機能がついた普通自動車、安全運転サポート車の限定免許制度も同日の5月13日から開始されることが決まっております。 運転技能検査は、免許更新期限の6か月前から何度でも受検でき、期限までに合格できないと失効するという大きな改正にもかかわらず、導入決定から開始される5月13日までの期間は5か月間しかなく、現時点であと2か月半となっています。 開始日から6か月後に免許更新期限を迎える10月12日誕生日の方から対象となりますが、初めに本県における75歳以上免許更新時に運転技能検査、いわゆる実車試験を義務づけられることとなる人数について伺います。 また、一定の高齢者運転免許保有者に対して、運転技能検査に合格しなければ免許更新ができないといった新たな義務が加わることから、制度の概要を含めた相当の周知が必要と考えますが、高齢者に対する周知徹底をどのように図っていくのか伺います。 運転技能検査は、各指定自動車教習所に検査を委託するとのことですが、教習所ごとに合否の判定基準が異なると、検査の公正性・公平性を欠くことが懸念されますが、どのように公平性を担保するのか伺います。 運転技能検査の導入により、運転免許が失効するドライバーも出てくると考えます。報道によれば、75歳以上のドライバーに対する認知症検査や、2019年の東京池袋で起きた暴走事故を契機に運転免許の自主返納が急増し、同年初めて本県でも自主返納件数が1万件を超えましたが、翌年からの新型コロナウイルス感染拡大により、2020年、2021年は減少傾向で、高齢者が手続のため警察などを訪れることを控えた可能性も指摘され、公共交通機関に比べ3密になりにくい車の利用を続けたいというニーズもあるとのことであります。 また、一方で運転を不安視し、免許証を返納する県内の高齢者からは、公共交通機関の充実を求める声が上がっており、市町村でもデマンド交通の整備や買物支援を行っていますが、それらの取組にも濃淡があり、県としても、病院への通院、買物など日常生活のさらなる支援強化が必要であると考えます。 今後、高齢者の運転免許失効者の増加や、自主返納しやすい日常生活支援に対して、どのように取り組むのか伺います。 今回の改正の大きな変更点に、衝突被害軽減ブレーキ、いわゆる自動ブレーキなどの機能がついた普通自動車、安全運転サポート車の限定条件付免許制度が5月13日から導入されることとなりますが、サポカー限定免許は、高齢により運転技能に不安があるが、車を日常的に使用しており、免許の返納をためらう人などの利用が想定されています。 申請すれば交付され、免許証には普通車はサポートカーに限ると記載され、条件に該当しない車を運転した場合は違反点数や罰則の対象となります。限定免許は保安基準をクリアするか、自動ブレーキに加え、アクセルとブレーキを踏み間違えたときに急発進を抑制する装置の性能認定を受けた車が条件となりますが、警察庁によると、昨年12月時点で限定免許の対象となる車は、国内8メーカー、約300型式で、現在普及しているサポカーのごく一部のため、多くが車両の買換えが必要とのことです。 国は、令和3年度中に満65歳以上を対象にサポカー購入を支援する安全運転サポート車普及促進事業補助金、いわゆるサポカー補助金制度を設けていましたが、昨年の11月29日で予算に達したため、受付を終了しました。 サポカー限定条件付免許は、首都圏と違い、公共交通機関が脆弱な地方にとって大きなメリットがありますが、高齢者の収入状況を考えれば、車両の買換え費用がデメリットであり、限定条件付免許導入に合わせ、昨年終了したサポカー購入補助金制度を再開するよう国に対し申し入れるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、可搬式オービスの検証結果の受け止めと運用について質問をいたします。 昨年の9月から12月までの3か月間、可搬式オービスの効果検証が行われ、このたび中間報告の説明がされました。 可搬式オービスの運用開始前に比べ、運用時は実勢速度、平均速度とも低下し、速度規制遵守率も向上するなど、可搬式オービスの運用効果が明らかに見られ、可搬式オービスと制服警官による街頭監視の比較検証では、実勢速度は両者ともに大きな差はないものの、平均速度、速度規制遵守率は可搬式オービスの運用の効果が大きいとのことですが、このたびの可搬式オービスの検証結果の受け止めについて伺います。 また、今定例会で上程されている当初予算案に可搬式オービスの導入費が盛り込まれていますが、このたびの効果検証を踏まえ、可搬式オービスの導入後はどのような運用を考えているのか伺います。 このたびの可搬式オービスの検証の運用箇所としてゾーン30が選定され、可搬式オービスの運用効果があったとのことであります。 ゾーン30は、生活道路における歩行者や自転車の安全な通行を確保することを目的とした交通安全対策の一つで、歩行者と車両の交通事故では、車両の速度が時速30キロを超えると致死率が急激に高くなるため、区域を定めて時速30キロの速度規制とその他の安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内における車の走行速度や通り抜けの抑制が目的であり、その多くが子供たちの通学路となっております。 初めに、県内のゾーン30の箇所数について伺います。 最後に、ゾーン30での可搬式オービスによる取締りは、ゾーン内の平均速度、速度規制遵守率の運用効果が大きく、事故防止効果が期待できるため、県内全てのゾーン30で運用することで、子供たちの通学をはじめとする交通安全に大きく寄与すると考えますが、ゾーン30での可搬式オービスの取締り方針について伺い、質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小島晋議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、お知らせシステムの周知と普及についてでありますが、昨年10月、市町村、商工団体に対し、お知らせシステムの利用促進を依頼したほか、今年の1月からは、電子版の新聞、情報誌へ広告を掲載し、登録を呼びかけているところであります。 また、イベント会場において、主催者と共に、本システムの活用を来場者へ直接働きかける取組も行っております。 引き続き、様々な機会を活用して、お知らせシステムの周知、普及に努めてまいります。 次に、医療従事者の国家試験についてでありますが、既に実施されました医師や看護師の国家試験については、県内の養成機関等に聞き取りを行いましたが、現時点では新型コロナウイルス感染により受験できなかった方は確認されておらず、新年度の医師や看護師の確保に大きな影響はないものと認識しております。 しかしながら、他の医療従事者の国家試験も含め、実際に受験者本人が感染した場合等であっても、受験機会が最大限確保されることが望ましいと考えており、これまでも国に対して、全国知事会を通じて働きかけを行ってきたところであります。 引き続き、医療従事者の国家試験への新型コロナウイルス感染の影響を注視して、必要に応じて、全国知事会などと連携して国に働きかけてまいりたいと思います。 次に、5歳から11歳の方へのワクチン接種の課題と対応についてでありますが、新型コロナワクチン接種においては、県民の皆様が安心して接種できるよう、ワクチン接種の有効性や安全性、副反応等を踏まえたメリット、デメリットについて情報提供を行っていくことが重要であると考えています。 昨年9月時点の国の調査では、保護者の7割以上が子供への接種を希望しています。 5歳から11歳の方への接種は、12歳から15歳の方への接種と比較いたしますと、接種後の副反応の発現割合が低いことや、12歳から17歳の方への接種と比較しますと、心筋炎の報告頻度が低いことが、米国からの報告であります。このような情報も踏まえまして、県民の皆様から接種への理解を深めていただきたいと考えております。 県といたしましては、国が接種勧奨の方針を示していることを踏まえまして、国や専門家が作成した資料など様々な媒体を通じて情報提供するなど、子供と保護者が接種について検討し、適切に判断できるよう対応してまいりたいと思います。 次に、5歳から11歳の方へのワクチン接種の間違い防止等についてですが、小児用のワクチンは、12歳以上用のワクチンとは接種量等が異なることから、ワクチンごとに接種日時や接種を行う場所を明確に分けるなどの措置を講じた上で、接種、管理、運用等について十分に注意をし、間違い接種がないようにすることが求められています。 また、学校内で行う集団接種は同調圧力を生みがちであることから、基本的に推奨されていません。 県といたしましては、御本人や保護者の意思に基づき安心して接種を受けていただけるよう、市町村と連携をし、各地域の医療事情も踏まえた上で、適切な接種体制の確保に努めてまいります。 次に、無料検査におけるカスタマーハラスメントについてでありますが、本県においては、無料検査を実施している民間薬局から、議員御指摘のようなハラスメントに関する相談を受けたことはこれまでのところありません。 一方で、検査結果の通知が遅い、待ち時間が長いなどの意見をいただくことはあると聞いており、意見が出された背景や状況を踏まえて、各薬局で適切に対応されているものと考えております。 ハラスメントを防ぐための取組の一つとして、PCR検査は判定までに時間を要することなど、検査の特徴について利用者から十分に理解いただくことが考えられます。 県といたしましては、引き続き様々な媒体で検査に関する正しい知識を広報するなど、情報提供に努めてまいりたいと思います。 次に、高齢運転者の交通安全対策と生活支援についてお答えをいたします。 まず、高齢者の運転免許失効者の増加や免許を自主返納しやすい日常生活支援に対する取組についてでありますが、県ではこれまでも、運転をすることができない高齢者が、引き続き地域で安心して生活できるよう、市町村が行うデマンド交通の導入など、高齢者等の移動手段の確保・充実に向けた取組への支援、移動販売等を行う事業者の初期投資等への支援などに取り組んできたところです。 加えて来年度は、従来型の路線バスやタクシーに加え、スクールバスやホテルの送迎バスなど、地域の様々な交通資源を活用し、住民の移動手段として機能させるため、モデル地域において調査事業を実施したいと考えております。 県といたしましては、今後とも、市町村や関係機関等と連携を密にしながら、各地域の実情を踏まえた高齢者の日常生活への支援が行われるよう、関係部局が連携をして取り組んでまいります。 次に、サポカー補助金制度再開に関わる国への申入れについてでありますが、サポカー補助金は、高齢運転者の安全対策として国において実施していたものでありますが、令和2年の国内の新車台数に占めるサポカーの割合が9割を超えており、今後もサポカーの普及が進んでいくことが見込まれること等から、補助制度を終了したものと承知しております。 なお、国では、脱炭素社会を見据えて、安全運転サポート機能を有する電気自動車をはじめとした、クリーンエネルギー自動車の補助制度を実施しているところであります。 そのため、県といたしましては、このような補助制度についても周知を図りながら、引き続きサポカーの普及啓発を行うなど、高齢者の安全運転の推進に努めてまいりたいと思います。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) 2点についてお答えいたします。 新潟県新型コロナお知らせシステムの運用状況についてでありますが、2月24日時点で、利用者数は約4万6,000人、登録事業者数は約2,700となっております。 なお、本システムは、感染経路が特定できず、感染拡大のおそれがあると判断された場合などに、県から注意喚起のLINEメッセージをお送りするものですが、これまで注意喚起情報の発信実績はございません。 次に、お知らせシステムの運用から見えてきた課題についてでありますが、県では、直近のイベントにおいて、主催者と共に会場で直接呼びかけを行いましたが、QRコードの読み取り件数は来場者の十数%という状況でした。 その要因の一つとして、スマートフォンでQRコードを読み取る作業が、来場者の負担となっていることが考えられます。 県といたしましては、システムの開発者やイベントの主催者と相談しながら、事前に自宅等でQRコードの読み取りができるようにするなど、来場者の負担を軽減できるような仕組みを検討しているところです。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 順次お答えいたします。 35人学級の実現による県内学級数の見込みについてでありますが、県内の小学校においては、1・2年生で32人以下、3年生から6年生で35人以下の少人数学級を実施しております。 現在下限を25人としている5・6年生について、下限を撤廃し、35人以下学級を完全実施した場合、令和3年度の児童数で試算すると、県全体で44学級の増となる見込みとなっております。 次に、少人数学級の導入による効果についてでありますが、現場の教員からは、きめ細かな指導による基礎的・基本的な学習内容の定着や学習意欲の向上等、少人数学級への肯定的な評価が報告されており、一定の成果が上がっているものと考えております。 また、学級担任が事務処理に費やす時間が減少するなど、教員の負担軽減にもつながっているものと認識しております。 次に、栄養教諭等の人員配置についてでありますが、食物アレルギー対応や食育の推進などに伴い、栄養教諭等の役割の重要度が増していることから、県教育委員会といたしましては、人的措置の拡充について、全国都道府県教育長協議会等を通じて引き続き国に要望してまいります。 次に、多忙化解消に向けた意見交換会への栄養教諭等の参画についてでありますが、議員御指摘のとおり、近年、食物アレルギー対応や食育の推進などに伴い、栄養教諭等が担う重要な業務が増えていることを踏まえ、今後は、栄養教諭等の代表者も当該意見交換会の構成員として加える方向で、関係者との調整を進めております。 次に、新型コロナウイルス感染症に対する学校現場への支援についてでありますが、人的支援につきましては、今年度、スクール・サポート・スタッフを58校に配置し、教職員の負担軽減を図っておりますが、来年度は、配置のさらなる拡充に努めたところです。なお、教職員の感染が拡大し、学校運営上大きな支障が生じる場合には、引き続き県教育委員会から指導主事等の派遣を行ってまいります。 物的支援につきましては、引き続き各学校が国の補助金等を活用し、消毒用アルコールや分散授業を行うためのプロジェクター等、必要に応じた物品を購入して、感染症対策や学習保障等に取り組むものと承知しております。 今後とも感染状況等によって変化する学校現場の状況を的確に把握し、適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、栄養教諭の負担を軽減する取組についてでありますが、教諭に比べて、栄養教諭の長時間勤務者数は必ずしも多い状況にはありません。一方、新型コロナウイルス感染症拡大による業務量増加には、教職員全体で適切に対応すべきであり、栄養教諭に限らず特定の職員に過度な負担がかからないよう、市町村教育委員会を通じて各学校長に対応を求めたところです。 なお、栄養教諭が濃厚接触者リストの作成等感染症対応業務に従事した場合は、教員特殊業務手当支給の対象となります。 次に、教科担任制についてでありますが、議員御指摘のとおり、教科担任制に係る国の予算は概算要求より削減されており、今後も国に対し、教科担任制の実施に必要な教員の加配措置の拡充について、引き続き要望してまいります。 制度導入に当たり、既に措置されている英語に加え、優先的に指導する教科を算数、理科とすることや、小規模校も含め、より多くの学校に効果を浸透させるため、一部加配教員を複数校兼務とすることなどについて、市町村教育委員会との協議を進めてまいりました。 県教育委員会といたしましては、教科担任制を効果的に拡大するため、小・中学校両方の教員免許保有者の採用を進めるとともに、小中学校教員の人事交流や、教科指導の専門性を持つ教員の育成に努めてまいります。 次に、働き方改革の取組の成果と進捗状況についてでありますが、学校行事の見直しや外部人材の配置拡大などを内容とする働き方改革推進プランの実施により、新型コロナウイルス感染症拡大前の一昨年度との比較では、長時間勤務を行っている教職員の割合が全体として減少傾向にあり、一定の成果があったと認識しております。 今後も継続した取組が必要であると考えており、市町村教育委員会を通じて、学校長に当該プランのさらなる推進を働きかけるとともに、毎年春から秋にかけて行う教育事務所による学校訪問の際に、取組状況の確認・検証を行い、必要に応じて、改めて助言・指導を行ってまいります。 次に、教員の勤務実態調査の実施についてでありますが、来年度行われるこの調査は、国が示した在校等時間を基礎に行われるものと考えております。御指摘の休日勤務は、在校等時間に含まれており、また、過去の調査では、持ち帰り業務も調査の対象とされていることから、正確な実態把握が行われるものと認識しております。 次に、教職員の定年引上げに関する検討状況についてでありますが、地方公務員法の改正を踏まえ、国家公務員の制度に準じて検討を進めておりますが、定年の段階的な引上げによる退職者が生じない期間の採用計画や、短時間勤務を希望する職員の活用などの課題があり、現在、知事部局と連携し、検討を行っているところです。 定年引上げ後も、組織の活力が維持され、60歳以降の職員が知識・経験を生かし活躍できるよう、制度設計を着実に進めてまいります。 次に、教職員の定年引上げに関する制度設計のスケジュールについてでありますが、地方公務員法の改正に伴い、定年の引上げや役職定年など、60歳以降に適用される任用や給与がこれまでと異なるものとなることから、任命権者は、職員が60歳に達する前年度に、任用、給与、退職手当に関する情報を提供し、勤務の意思を確認することとされているところです。 今後、条例改正が必要とされておりますが、教育委員会といたしましては、改正時期については知事部局と調整するとともに、制度概要について該当職員に早めに周知し、予備の意向調査を行うなど、職員の判断に支障がないよう対応してまいりたいと考えております。   〔警察本部長村田達哉君登壇〕 ◎警察本部長(村田達哉君) 7点についてお答えいたします。 本県における運転技能検査の対象となる人数についてでありますが、運転技能検査は、75歳以上の普通自動車に対応した免許をお持ちの方で、過去3年以内に一定の違反歴のある方が対象となります。 警察庁において、過去のデータに基づき分析したところ、過去3年間に一定の違反歴を有している方の割合は、当該運転免許保有者のうち7%程度と試算しております。 本県における75歳以上の更新予定者は、その年により変動がありますが、年間6万人程度おりますので、これを基に試算しますと、年間4,000人程度が検査の対象になるものと見込んでいるところです。 次に、運転技能検査の周知についてでありますが、警察庁においては、このたびの法改正に伴って報道発表を行うとともに、ホームページにより周知を図っているものと承知しております。 また、県警察におきましても運転技能検査の概要をホームページに掲載して広報しているほか、今後、ポスターやリーフレットを活用するなどして、積極的な広報に努めてまいりたいと考えております。 次に、運転技能検査の公平性の担保についてでありますが、当該検査は、全国において警察庁が示した具体的な判断基準に基づいて行うこととされておりますので、公平性は担保されるものと承知しております。 また、県警察としましても、当該検査が適切に実施されるよう、指定自動車教習所を指導してまいりたいと考えております。 次に、可搬式オービスの検証結果の受け止めについてでありますが、今回の効果検証は、大学研究室の御協力も得て行い、従来の方法では速度取締りが困難であった通学路や生活道路において、可搬式オービスを運用することにより、議員御指摘のとおり、実勢速度や平均速度が低下したり、速度規制遵守率が向上するなどの明らかな効果が見られたほか、街頭監視との比較でも、可搬式オービスのほうが有効的である可能性が高いとの結果が得られたところです。 県警察といたしましては、今回の効果検証により、可搬式オービスの有効性が科学的、客観的に裏づけられたと受け止めております。 次に、可搬式オービス導入後の運用方針についてでありますが、県警察といたしましては、可搬式オービスの導入後は、今回の検証結果で有効性が科学的、客観的に裏づけられた通学路や生活道路において、効果的に活用してまいりたいと考えております。 次に、県内のゾーン30の整備箇所数についてでありますが、本県では、平成23年度から整備を始め、今年度、新たに整備した3か所を含め、現在の整備箇所数は87か所となります。 次に、ゾーン30における可搬式オービスによる取締り方針についてでありますが、ゾーン30は、市街地等の生活道路における歩行者等の安全な通行を確保するために設定されたものであり、生活道路の中でも優先的な対策が必要であることから、可搬式オービスを積極的に運用してまいりたいと考えております。 ○議長(佐藤純君) 小島晋君の質問は終わりました。 次に、杉井旬君の発言を許します。杉井旬君。   〔杉井旬君登壇〕(拍手) ◆杉井旬君 リベラル新潟の杉井旬です。ロシアのウクライナ侵攻が続いています。どのような理屈をつけようと、独立国に対して武力侵略することは許されません。平和を愛する新潟県民の一人として、ロシアの暴挙に強く抗議した上で、通告に従って一般質問を行います。 最初は、人口減少対策についてです。 人口減少対策が県政の重要課題となって長い時間が経過しました。知事も再選出馬を表明された2月16日の記者会見で、種はまいたが、まだ成果が見えていないものの最たるものとして、人口減少問題を挙げられました。 今定例会の議案審議資料にも、令和4年度当初予算における人口減少問題対策の項を設け、「少子化の進展に加え、進学や就職を契機とした若年層の社会流出が出生数の減少にもつながるという連鎖が続くなど、人口減少は、本県にとって長きにわたる課題となっています」、「令和2年国勢調査における本県人口は、220万人余りとなっており、前回調査が行われた平成27年以降、毎年2万人前後の減少が続いています」、「人や企業の地方分散の流れを的確に捉え、「選ばれる新潟」とするため、官民一体となって人口減少対策の取組を強化します」とあります。 選ばれる新潟を目指すことには賛成ですが、例えば新潟市の人口が5万人増えても、県内の他の29市町村が10万人減れば、新潟県全体では5万人のマイナスとなってしまいます。同じように、新潟県が選ばれる新潟となって人口が10万人増えても、他の46都道府県で100万人減れば、日本全体では90万人のマイナスとなります。 地域間で奪い合うだけの人口対策ではなく、新潟県全体、日本全体で人口が増えていく根本的な対策も必要と考えますが、それは今回の質問の本題ではありません。 今回お聞きしたいのは、人口減少対策には、人口が減らないようにするための対策と人口が減った場合に備えての対策の2種類があり、今は人口が減らないようにするための対策だけに偏り過ぎているのではないか、それで大丈夫なのかということであります。 議案審議資料にもあるように、近年、本県は毎年2万人のペースで人口が減っています。国立社会保障・人口問題研究所は、30年後、本県の人口は60万5,000人、26%減ると推計しています。残念なことに、国立社会保障・人口問題研究所の推計は、これまで大きく外れたことがありません。人口は、ほぼ研究所の推計どおりに推移しています。 以前と比べ、既に出産適齢期の人口が大幅に減っている一方、団塊世代が後期高齢者となりつつある中で、合計特殊出生率が幾らか上向いたとしても、自然動態の減少を食い止めることは容易ではありません。 にもかかわらず、人口減少対策が人口が減らないようにするための対策に偏ってしまうのは、人口が増えれば社会も経済も成長する、人口が減ったら社会や経済は衰退する、地域が衰退しないよう人口を減らさないようにするのが政治や行政の役割だ、人口が減るのは政治や行政が怠けているか、無能だからだといった思い込みがあるからではないでしょうか。 そうした批判を浴びないようにするために、人口を減らさないよう頑張っている姿を見せなければならないためではないでしょうか。 人口が減った場合に備えての対策を講じることは、人口が減ることを認めてしまうことにもなりかねず、政治や行政は何をやっているのだという批判を浴びることになるため、着手しにくいのではないでしょうか。 何だか原子力発電所では事故など絶対に起きない、電源喪失もメルトダウンも起きるわけがない、起きた場合の対策を論じることは、事故が起きることを認め、住民に不安を与えることになる、事故は起きないのだから、対策を講じる必要はない、などという福島第一原発事故が起きる前までのばかげた理論に似ています。 人口が減った場合に備えての対策を講じないまま人口が減り続けてしまったら、人口が多かった頃に整備した社会インフラなどを少なくなった人口で維持しなければならず、その地域の人々は重い負担にあえぐことになります。場合によっては地域がパンクしかねません。 そんなことは実際に人口が減ってからやればいいという意見もあるかもしれませんが、人口減少社会はまだどの国も経験したことのない未知の世界であり、そんなに簡単に社会インフラなどを縮小し、新たなシステムを再構築できるかどうか分かりません。 ごみ焼却施設の統合一つ取っても、かなり難しいことであることは容易に想像できます。市町村で話し合っても、よほど卓越したリーダーがいなければ、地域エゴのぶつかり合いになりかねず、県が調整役とならなければ協議はまとまらないのではないかと思いますし、実際、病院や高校の再編問題ではそうした難しさに直面しています。 この先、人口は減る可能性が高いという事実に目をつぶり、王様の衣装はすてきだと言っていられたら楽ですが、そろそろ王様は裸だと言うべき時期が来ているのではないかと思います。 そこで、人口が減らないようにするための対策とともに、人口が減った場合に備えての対策にも手をつけるべきとの観点から、以下の点について質問いたします。 平成30年に国立社会保障・人口問題研究所が公表した日本の地域別将来推計人口によると、2015年に230万4,000人だった本県人口が、30年後の2045年には169万9,000人になるという推計になっています。30年で60万5,000人、26%もの減少となりますが、この推計についての知事の受け止めを伺います。 本県人口は、国立社会保障・人口問題研究所が公表したとおりにおおむね推移しているものと認識しています。今後とも人口が減少していくという予測の中、人口が減らないようにするための対策を講じていくことは引き続き必要ではありますが、同時に人口が減少した社会に向けて議論を進め、今から着手すべき施策の検討・実施が必要であると考えますが、知事の所感を伺います。 60万5,000人という人数は、長岡市の人口27万人と上越市の人口19万人、三条市の人口10万人の合計よりも多いわけですので、この先の30年で本県の人口は長岡、上越、三条の3市がそっくりなくなってしまうほど大きく減少するという推計になります。 また、国勢調査でも毎年2万人前後、つまり加茂市の人口に近い人数が減っていることが示されています。これだけのペースで人口が減った場合、例えば消防や水道、ごみ処理施設などはどうなるのでしょう。人口が26%、4人に1人減った後も現状の体制や機能を維持し続けられるのでしょうか。 そこで、質問します。 令和2年2月定例会での消防の広域化促進に関する一般質問に対して、知事は引き続き県内市町村における共同運用に係る検討や協議の状況を注視していくとともに、今後とも国の支援や他の先進事例等について情報共有を図るなど、新潟県消防広域化等に関する推進計画を踏まえ、必要に応じた支援をしてまいりたいと答弁されました。 その計画では、新潟県内で広域化に向けた機運が醸成されていないことから、現時点では広域化対象市町村及び広域化重点地域は定めないこととする、市町村等から求めがあったときは必要な調整を行うと明記されています。 県が積極的に働きかけなければ広域化の議論は進まないものと考えますが、現在までの市町村等への支援状況について伺います。 県内には19の消防本部があります。それぞれ通信指令室を設け、24時間365日休みなく119番通報を受け付けています。そのためには、最低でも150人程度の人員が通信指令業務に従事しているものと認識しています。また、それぞれがはしご車など高額な装備を各消防署に配備しています。230万人の人口だから、こうした体制を維持していられるわけですが、これが169万人となっても維持し続けられるでしょうか。 そこで、質問します。 県内の消防体制は、現在の人口を前提として構成されているものと認識していますが、人口が大幅に減少する将来推計人口などを踏まえ、広域自治体である県が積極的に広域化に向けた機運醸成や市町村間の調整をすべきと考えますが、知事の所見を伺います。 水道広域化推進プランについて、知事は令和2年2月定例会で、将来にわたり安定的かつ持続可能な経営を確保していくためには、広域化等についての検討も必要、さらに広域化の効果等について、まず専門的な知見によるシミュレーションを行うが、プランの策定に当たっては、こうしたシミュレーションの結果を市町村等と共有した上で、十分に協議・調整を行いながら実効性ある計画となるよう進めたいと答弁されましたが、シミュレーションの実施状況及び実効性ある計画づくりの着手状況について伺います。 この先、人口減少社会が進む中、消防、水道、ごみ焼却施設など、広域化によって全体コストを引き下げられるものは今から広域化の協議を進めるべきですが、うちは背伸びをしてでもフルセットで持ち続けたいといった意識が働いたり、それぞれ設備投資した時期もあって、やるとしても自分の市町村が一番有利な時期でなければ駄目だと考えることもあるかと思われます。 市町村の自発的な協議を待っていてもなかなか進まないものと考えますが、広域自治体の県が協議の場を設定することは、市町村に関する連絡調整に関するものという地方自治法第2条で定める都道府県の役割そのものと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、医療再編プロジェクトについて伺います。 令和5年度開院を目指している県央基幹病院の人員確保に向け、関係者がユーチューブを含む様々な媒体を活用し、PRに努めてくださっていることに敬意を表します。現状の手応えについて伺うとともに、県として引き続き強力に取り組んでいく決意を伺います。 新潟県厚生連は、三条総合病院と燕労災病院の統合によって県央基幹病院を設置することに合意するとともに、医療再編後、県央医療圏の医療提供体制が安定するまでの一定期間、三条総合病院を19床の有床診療所として引き続き運営する方針をこれまで示してこられました。この方針は、令和2年3月3日の県央地域医療構想調整会議に示され、了承を得て、同年3月25日の県医療審議会でも承認され、4月には厚生労働省の再編特例承認を得たものであります。 ところが、今年1月28日になって、新潟県厚生連の理事長が三条市役所を訪れ、これまでの方針を撤回。県央基幹病院開院後は有床診療所を運営せず、三条総合病院を完全閉院すると市長に伝えました。市長は、診療所は約束と捉えている、再考してほしいと求めましたが、2月3日に再び三条市役所を訪れた新潟県厚生連理事長は改めて全面閉院を伝え、市長も致し方ないと答えたとのことです。 そこで、質問します。 昨年9月定例会での有床診療所の方針変更に関する一般質問で、福祉保健部長は県としては現段階では方針に変更はないものと考えていると答弁されましたが、今回の厚生連の方針変更について県に事前相談はあったのかどうか、経緯を伺うとともに、県の受け止めを伺います。 厚生連三条総合病院は、昭和8年に開院し、これまで89年間にわたって、農協組合員のみならず、地域の人たちの命と健康を守り続けてきた病院です。国道289号八十里越開通後は、新潟県民だけでなく、福島県只見町の人たちにとっても最も近い総合病院となる予定でした。 唐突な方針変更にショックを受けている方も大勢おり、地元紙には連日、この問題に関する投書が掲載されています。三条総合病院が完全閉院した場合、患者たちはどうなるのか、地域の皆さんが不安を抱かないよう、しっかりとした見通しを示す必要があります。 そこで、質問します。 三条総合病院は、厚生連が運営する県内14の病院の中で最も古く、地域の人たちから信頼されてきた貴重な医療機関であります。医療再編による激変を緩和するために有床診療所化されることになっていたわけですが、県央基幹病院の開院と同時期に三条総合病院が完全閉院することになった場合に、県は地域住民が不安を抱かないよう、しっかりとした見通しを示すべきと強く要望しますが、知事の所見を伺います。 次に、農業振興について伺います。 新潟県園芸振興基本戦略の推進期間は、令和元年から令和6年までの6年間となっており、令和3年度で折り返しの3年が経過することになります。これまでの取組成果を伺うとともに、目標達成に向けて後半の3年間どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 令和4年産米の生産については、さらなる主食用米の需要の減少が見込まれており、相当程度の作付転換が必要となりますが、これを契機として園芸品目の作付拡大に結びつけることが園芸1億円産地の育成、農家所得の拡大につながると考えますが、新年度の取組方針について伺います。 本県の園芸品目の生産量は農林水産省などの統計で把握できますが、消費量に関するデータはありません。どんな品目がどれだけ県内で消費されているのかを把握し、県内の消費量と生産量の差を見える化できれば、有望な園芸品目を選定し、産地化議論をより具体的にすることが可能であり、1億円産地の育成に貢献できるものと考えます。 昨年12月定例会の産業経済委員会で、主要卸売市場の公開データをまとめて加工し、消費動向調査に近い形で産地に提供したいとの答弁がありましたが、今年度の取組状況を伺うとともに、新年度どのように取り組むのか伺います。 園芸産地育成に向けたマーケットインの視点で品目を選定するためには、主要卸売市場を介した流通の情報だけでなく、小売店や飲食店などからの情報も有益と考えます。こうした多くの流通情報の把握を県が積極的に推進することは、園芸振興基本戦略の目標達成に大きく貢献するものと考えますが、所見を伺います。 次に、部活動改革について伺います。 学校の部活動を地域や民間事業者に委託する部活動改革が進められようとしています。教職員にとっては授業準備などに充てる時間を増やせる一方、残業時間を減らすことができ、地域との連携も強化できるというメリットが期待できますし、子供たちも専門的知識を持った指導者の指導を受けられる上、選択肢も増え、新たな交流を深めることもでき、希望すれば複数の種目を体験することもできるといったメリットが考えられます。 改革の成果を期待したいところですが、一方で懸念もあります。教職員の働き方改革のため、あるいはスポーツ産業育成のための改革が重視されるあまり、子供たちのためという視点がおろそかになりはしないか、学校教育の一環であったはずの部活動に受益者負担という考え方を持ち込むことにより、家庭環境によって子供たちの活動に格差が生まれるようなことはないのか、人材確保などは地域に丸投げしてうまくいくのかといった点です。 そこで、質問します。 まず、部活動の現状について、生徒数の減少に伴って、サッカーや野球などでは複数校でのチーム編成とせざるを得ず、チーム練習のため、他校までの移動の負担が発生したり、練習時間が制限されるといったこと、配置教員数の減少に伴ってスキルやノウハウのない教員が顧問を務め、専門的な指導を受けられないこと、さらには部活動の指導のために顧問は毎日残業し、週末も休みが取れないといった声を聞きますが、近年の少子化、教育の多忙化等を背景とした本県の部活動の課題について伺います。 次に、文部科学省では、学校の働き方改革を踏まえた部活動改革を打ち出し、経済産業省では地域×スポーツクラブ産業研究会を立ち上げるなど、サービス業としての地域スポーツクラブ育成という観点から改革を捉えています。どちらも生徒にとって望ましい部活動の環境構築という視点が二の次にされている印象を受けますが、県としてどのような姿勢で部活動改革に取り組むのか、所見を伺います。 次に、文部科学省は、休日の地域部活動の実現に向けた取組を総合的に推進するため、各都道府県に拠点校や拠点地域を設け、実践研究を行うこととし、本県では今年度、村上、胎内、長岡、妙高の4市が拠点地域の指定を受けました。どのような取組により、どのような結果が得られたのかを伺うとともに、それらの取組成果を県内他市町村にどのように波及させていくのか伺います。 文部科学省は、休日の部活動の指導や大会の引率は地域人材が担うとし、令和5年度以降、休日の部活動の段階的な地域移行を図るとしていますが、市町村だけで地域人材を確保する仕組みの構築は困難で、県による支援が必要と考えますが、教育長の所見を伺います。 地域部活動を担う人材確保のための費用負担について、文部科学省は受益者負担を打ち出していますが、そもそも学校における部活動からの移行であることから、受益者負担を求めることに違和感があります。また、負担できる家庭環境かどうかによって生徒の部活動参加に関して格差が生じるようなことは、絶対にあってはならないと考えますが、教育長の考えを伺います。 次に、県政の諸課題について伺います。 最初に、新型コロナウイルス感染症対策について質問します。 本県は、1月21日に適用されたまん延防止等重点措置が、当初2月13日まででしたが、3月6日までに延長されました。営業時間の短縮等に協力する飲食店には協力金が支給され、売上げが減少した飲食関連事業者には支援金が支給されるとのことですが、資金繰りの厳しい事業者などに対しては早急な支給が求められると考えますが、知事の所見を伺います。 営業時間短縮などに協力している飲食店と直接取引している事業者やタクシー、運転代行業者に対する事業継続支援金は定額の20万円ないし40万円となっており、飲食店に対する協力金と比べるとかなり少ないという印象を受けます。まん延防止等重点措置の適用により、飲食店以上に打撃を受けている事業者も少なくないと受け止めていますが、さらなる支援の必要性について、知事の所見を伺います。 キャッシュレス決済の導入に伴う収入証紙の廃止について、来年度から移行期間を設け、令和6年度前半の廃止を目指すとのことですが、証紙の印刷や販売に係る経費削減など、行政改革の観点の効果をどの程度見込んでいるのか伺うとともに、県民の利便性の向上にどのように寄与するのかを伺います。 平成28年6月の本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律、いわゆるヘイトスピーチ解消法が施行されたのに前後して、条例を制定している自治体が相次いでいます。 愛知県では、ヘイトスピーチの解消だけでなく、インターネット上の誹謗中傷の未然防止や被害者支援、部落差別のない社会づくり、性的指向及び性自認の多様性に関する県民理解の増進に向けた取組の推進なども含めた条例化を進めていると聞いています。 本県においても同様の条例制定に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。 新潟、福島両県を結ぶ国道289号八十里越が、今後5年程度で全線開通する見通しとなりました。また、国道403号三条北バイパスも県央基幹病院開院予定の令和5年度中に、加茂市から県道塚野目代官島線までの開通が期待されています。 この2本の幹線道路の開通により、国道289号の三条市の市街地部分は、今まで以上の交通渋滞が予想され、経済損失がますます大きくなることが懸念されます。渋滞解消のためにも国道403号や国道289号の早期のバイパス延伸が必要と考えますが、県の考えを伺います。 バイパスの全線開通を前倒ししたとしても、一定期間は既設の道路で対応しなくてはならないことから、当面の渋滞緩和策が必要と考えます。幸いにも289号の三条市の市街地部分は幅員が18メートルあり、敷地を拡幅しなくても、緑地としている部分を削れば、車道部分を拡幅し、車線を増やすことができます。 早期に市街地の289号の緑地部分を車道に拡幅して車線を増やすべきと考えますが、県の取組方針を伺って、一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 杉井議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、本県人口の将来推計に対する受け止めについてでありますが、国立社会保障・人口問題研究所による日本の将来推計人口では、日本の総人口は、今後大幅な減少になるものと見込まれております。 本県においては、少子高齢化が全国より進んでいることもあり、議員御指摘のとおり、国を上回るペースでの減少が推計されており、そうした人口減少が続いた場合には、地域の活力や社会機能が失われかねないという危機感を持って受け止めております。 人口減少は、本県が長きにわたり苦しんできた深刻な課題であり、県政のあらゆる分野の政策を総動員して取り組んでまいりましたが、取組の改善や強化をしっかりと進めるため、総合計画の見直しにおいて、今後の政策の方向性を盛り込んでまいりたいと考えております。 次に、人口減少を前提とした施策の実施についてでありますが、人口減少は、本県が長きにわたり苦しんできた深刻な課題であり、県政のあらゆる分野の政策を総動員し、人口減少対策に取り組んでまいりましたが、人口動態には、これまで続いた人口構造による慣性が働く面もあり、当面は人口減少局面が継続していくものと見込まれております。 まさに、こうした状況に正面から向き合い、県民生活に大きな影響が生じないよう、また地域社会の機能が失われることがないよう対策を講じていく必要があると考えています。 このため、人口の減少幅を縮小し、歯止めをかけるための施策に全力で取り組むと同時に、人口減少の局面で生じる様々な課題に対してもしっかりと対応し、地域での生活が守られ、県民一人一人が安全に安心して暮らせるとともに、本県が持続ある発展をしていけるような活力ある社会づくりに向けた施策を検討・実施してまいりたいと考えております。 次に、消防の広域化促進に関わる県の役割についてでありますが、県では、県内全市町村の意見を聞いた上で、平成31年3月に新潟県消防広域化等に関する推進計画を策定し、地域の実情を最大限尊重する考え方の下、国の財政支援や他県での先進事例等について、市町村等に情報提供を行ってきたところです。 県といたしましては、引き続き各地域における検討に当たり、消防庁とも連携をして情報提供や助言等を行うとともに、社会情勢の変化や地域の実情を踏まえながら、協議する場を設けるなど、市町村間の調整を行ってまいります。 次に、県による広域化の協議の場の設定についてでありますが、行政サービスの提供における市町村の広域連携の取組は、市町村の自主性・自立性を尊重することが基本ではありますが、議員御指摘のとおり、市町村において自発的な協議が困難な場合などにおいては、県が補完・支援の役割を果たしていくことも重要と考えています。 県といたしましては、水道や消防をはじめとして、市町村の広域連携の取組について、協議の場の設置など広域自治体としての調整の役割を果たしてまいります。 次に、医療再編についてお答えをいたします。 まず、県央基幹病院の医療スタッフの確保についてでありますが、医療系メディアをはじめ、ユーチューブやインスタグラムを活用した発信や、募集パンフレット等を活用し、県内外に向けて、県央基幹病院の魅力や燕労災病院における段階的な救急の拡充に向けた取組等の発信に取り組んでまいりました。 医師につきましては、全国の若手医師等を対象としたオンライン海外留学支援制度を活用し、数名の医師が来年度から燕労災病院に勤務する予定であり、また、看護職員につきましては、燕労災病院の病院見学会への参加者や職員の採用数が昨年度に比べ大幅に増加するなど、着実に効果が出てきていると思います。 引き続き、運営主体である新潟県済生会と共に、新病院立ち上げの現場経験や、オンライン海外留学、ER救急、総合診療など、県央基幹病院の特徴的な教育システムが今後のキャリアパスにつながるなどの魅力を伝えることにより、医療スタッフの確保につなげてまいります。 次に、県央基幹病院開院後における三条総合病院の在り方についてでありますが、三条総合病院の有床診療所への転換は、県央地域の医療再編に伴う急激な医療提供体制の変化に対応できるよう、暫定的な対応として行われることとされておりました。 その方針決定の後、患者が想定よりも減少したところに加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、医療ニーズがさらに減少してきている状況であります。 新型コロナウイルス感染症の収束後においても、医療ニーズは戻らないものと想定される中、厚生連は、ニーズの減少と業績悪化への懸念などから、方針変更の判断をしたものと聞いております。 県といたしましては、県央基幹病院の開院をはじめとする県央地域の医療再編を着実に進め、患者が円滑に引き継がれるよう、周辺の病院や診療所とも連携することにより、住民が安心して医療を受けられる医療提供体制の構築に努めてまいります。 なお、三条総合病院の方針変更の事前相談の経緯等については、福祉保健部長からお答えをいたします。 次に、県央医療圏の医療再編の進め方についてでありますが、三条総合病院が有床診療所となることにつきましては、県央地域は病床過剰地域であることから、令和2年3月に、地元医療関係者、市町村等から構成される県央地域医療構想調整会議において合意され、県の医療審議会を経て、国に協議をし、承認を得たものであります。 このため、改めて、県央地域医療構想調整会議において、厚生連から三条総合病院の在り方について説明をし、入院・外来患者への対応など、関係者から理解を求める必要があるものと認識しています。 県といたしましては、厚生連に対し、入院・外来患者に対するケアはもとより、住民等に対して丁寧な説明や情報発信を求めるとともに、県としても2月18日に開催した説明会を通じて、県央基幹病院が提供する医療や他病院との役割分担の内容など、医療再編後の医療提供体制を分かりやすく説明いたしましたが、引き続き、住民等に丁寧に説明する機会を設けてまいりたいと考えております。 次に、農業振興についてお答えをいたします。 園芸振興基本戦略の成果の受け止めと今後の取組方針についてでありますが、戦略策定以降3か年の取組により、販売額1億円以上の産地数や栽培面積、新たに園芸を開始した農業者はいずれも増加傾向にあります。 こうした実績は、関係者の御努力でまかれた種が着実に芽吹いているものと認識しておりますが、目標達成に向けて取組をさらに加速するため、先進的な取組事例の横展開を進めてまいりたいと考えております。 また、後半の3年間については、来年度、これまでの成果や課題の検証・評価と今後の取組方向について、関係機関・団体、有識者などから検討していただくこととしており、いただいた御意見等を踏まえ、目標達成に向けた取組を進めてまいります。 なお、令和3年の実績については、農林水産部長からお答えをいたします。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、協力金等の支給についてでありますが、まん延防止等重点措置の適用により、飲食事業者及びその関連事業者が依然として厳しい状況に置かれていることについては、重く受け止めております。 飲食店に対する協力金については、要請の間、全面的に協力いただくことが要件であることから、期間終了後の申請となりますが、2月13日までの要請分については、受付後、速やかに支給されるよう、支給事務を担う市町村に要請しております。 また、関連事業者に対する支援金については、本議会にて補正予算を承認いただいたことから、本日、受付を開始したところであり、可能な限り早期の支給に努めてまいります。 次に、飲食関連事業者への支援についてでありますが、飲食事業者への協力金は、営業時間の短縮要請への協力に対し、日額単価と対象日数に基づき支給しておりますが、関連事業者には、営業活動への特段の制限はなく、飲食事業者以外との取引も可能であることから、定額の支援としているところです。 県といたしましては、影響の大きい事業者には国の事業復活支援金や、市町村の同様の支援制度の利用を促すとともに、感染状況が一定程度落ち着いた段階において、需要喚起に向けたイベント支援等により経済活動の活性化を図ってまいります。 また、経済情勢等を踏まえ、市町村とも連携を図りながら、さらなる支援の必要性についても検討してまいります。 次に、様々な人権課題の解決に向けた条例の制定についてでありますが、本県では、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律の定める地方公共団体の責務に基づき、本県が取り組むべき人権教育・啓発の基本的な方向性や、積極的に各種施策に取り組んでいく県の姿勢を示した、新潟県人権教育・啓発推進基本指針を策定し、人権施策を総合的に推進しております。 この指針は、これまでの改定により、議員御指摘のヘイトスピーチ、インターネット上の誹謗中傷、部落差別、性的指向及び性自認など社会状況に応じて変化する様々な課題にも対応しており、この指針に基づき、学校や社会教育における人権教育活動とともに、講演会や広報などによる人権啓発について、SNSなどの様々な媒体の活用や、プロスポーツ団体とタイアップしながら取り組んでいるところです。 人権施策は、社会状況の変化や新たな課題に対応するため、不断に見直していく必要がありますので、今後においても、法整備や他の自治体の条例制定を含む取組も参考に課題の整理を行いながら、対応について検討してまいりたいと考えております。   〔総務管理部長森永正幸君登壇〕 ◎総務管理部長(森永正幸君) お答えいたします。 水道広域化推進プランの策定についてでありますが、現在、佐渡を除く5つの圏域で、施設の共同利用や事務の一体化の効果等について、一定の条件の下、シミュレーションを実施し、その結果を市町村等の水道事業者と共有しながら、協議を進めているところです。 将来にわたり安定的かつ持続可能な経営を実現するための選択肢の一つとして、本計画が、地域の実情を踏まえたものとなるよう、引き続き、水道事業者と十分に協議・調整を行うとともに、外部有識者等による検討委員会の議論を踏まえ、令和4年度末までの策定に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 消防の広域化促進に関する市町村等への支援状況についてでありますが、国の財政支援や他県での先進事例等について情報提供を行い、昨年度は中越ブロックの市町村を対象に、広域化の中でも連携しやすい通信指令業務の共同運用に係る情報交換会を開催するとともに、その後、検討状況等について個別に聞き取り調査を行うなど、必要に応じ支援を行っているところです。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) お答え申し上げます。 三条総合病院の方針変更の事前相談についてでありますが、三条総合病院が内科を基本とした有床診療所として、数年程度、暫定的に継続することは、令和2年3月に、地元医療関係者、市町村等から構成される県央地域医療構想調整会議において合意され、県の医療審議会を経て、国に協議し、承認を得たものであります。 こうした経緯もあることから、厚生連からは手続に関する相談を受けておりましたが、三条総合病院の閉院についての具体的な方針については、厚生連から三条市への申入れの直前に報告を受けたところであります。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) 4点についてお答えします。 園芸振興基本戦略の実績についてでありますが、戦略策定以降3か年の取組により、現時点の速報値ではありますが、販売額1億円以上の産地数は平成30年と比べ11増加しました。 一方、新型コロナウイルス感染症や気象被害の影響により、5産地が1億円を下回り、販売額1億円以上の産地数は、トータルで57産地の見込みとなっております。 また、栽培面積は313ヘクタール増加するとともに、新たに園芸を開始した農業者は934名の見込みとなっております。 次に、主食用米から園芸品目への作付転換についてでありますが、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、主食用米の需要減少が続くことが見込まれており、令和4年産米については、非主食用米への転換と併せ、水田での園芸作物の導入を一層進める必要があると考えております。 このため、園芸作物の導入に必要な機械・施設等への支援に加え、産地交付金において、新たに野菜等の高収益作物の作付拡大に対する支援を講じたところであり、これらの支援策の活用を積極的に推進し、水田での園芸生産の拡大を進めてまいります。 次に、本県園芸品目の消費動向に関するデータの提供に係る取組状況についてでありますが、今年度については、県内の産地が有望な園芸品目を選定する参考となるよう、関係者への意見聴取を踏まえ、主要卸売市場が公開している、品目ごとの県内産及び県外産の取扱実績に関するデータを整理し、年度内に県内各産地に提供する準備を進めているところです。 新年度についても、市場データを定期的に提供するに当たり、産地から寄せられる意見や要望を踏まえ、必要な見直しを行うとともに、市場関係者との情報交換の場を設定するなど、産地がマーケットインの視点で品目選定できるよう支援してまいりたいと考えております。 次に、園芸産地の育成に向けた流通情報の把握についてでありますが、園芸振興に当たっては、それぞれの産地が、実需者や流通業者と連携して多くの流通情報を把握し、マーケットインの視点で取組を進めていくことが重要であると考えております。 このため、県といたしましては、産地が主体的に行う流通情報把握の取組を支援するとともに、県としても、小売店や飲食店などの流通・販売業者からのきめ細かな情報収集と産地への情報提供を行うなど、流通段階の情報把握を積極的に推進してまいります。 あわせて、消費者や流通・販売業者のニーズに沿った生産指導を行うなど、園芸振興基本戦略の目標達成に向け、生産から販売まで一貫してサポートしてまいりたいと考えております。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) 2点についてお答えいたします。 国道403号及び289号のバイパス延伸についてでありますが、両バイパスは、県央基幹病院への搬送時間の短縮、物流の効率化及び三条市街地の渋滞緩和などの効果があると認識しており、現在、県では国道403号三条北道路の早期供用に向けて事業を進めております。 また、バイパスの延伸につきましては、整備の優先度や国道289号の市街地部における渋滞対策など課題への対応について、三条市など関係機関と検討を始めたところです。 次に、国道289号の市街地部における当面の渋滞緩和策についてでありますが、三条市街地部の国道289号は主要渋滞箇所にも選定されており、渋滞緩和に向けた取組が必要と認識しております。 そのため、当面の渋滞緩和策として、実施区間の選定や対応について、現在、三条市など関係機関と共に検討を行っているところです。   〔会計管理者兼出納局長綱島知子君登壇〕 ◎会計管理者兼出納局長(綱島知子君) お答えいたします。 キャッシュレス決済導入に伴う収入証紙廃止による効果についてでありますが、収入証紙の廃止により、令和2年度の実績で約9,400万円であった印刷費や売りさばき手数料などが不要になる一方、キャッシュレス決済の導入により、決済手数料や決済端末のランニングコストなど、新たに発生する経費が、証紙廃止後の令和7年度には約8,700万円になると見込んでおります。 したがって、経費の削減額は、現時点で約700万円と試算されますが、キャッシュレス化と業務の効率化が一層進むにつれて、削減効果は大きくなっていくものと考えております。 また、本年4月以降、窓口におけるキャッシュレス決済や電子申請システム上の電子納付を段階的に導入することとしており、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、納付方法が多様化されるほか、時間と場所に制約を受けることなく、ワンストップでの行政手続が可能になるなど、キャッシュレス決済の導入は、県民の利便性向上に大きく寄与するものと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 5点についてお答えいたします。 本県の部活動の課題についてでありますが、少子化により学校規模が縮小した結果、通学する学校に入部したい部がない、人数不足で単独校でチームが組めない、専門的な指導を受けることができないといった状況が生じております。 一方で、教員の働き方改革への対応も必要であることから、今後、各地域の実情に応じて、現在の学校部活動を段階的に既存の地域活動へ移行したり、または地域で新しいスポーツ環境を構築するなどの取組を進めていくことが課題であると認識しております。 次に、部活動改革に取り組む姿勢についてでありますが、県教育委員会では、部活動の地域移行に向けて、有識者による新潟県部活動改革検討委員会を設置し、生徒にとって望ましい活動を構築していくという視点から、運動部活動の地域移行の方針を、生徒の多様なニーズに応じた活動機会の保障と、教員の働き方改革の推進の両立と定めたところであります。 なお、生徒の部活動に対する期待は様々であり、より高度な技術の習得を望む生徒にとっては、民間企業が運営する地域のクラブチームへの加入も、一つの選択肢になり得るものと認識しております。 次に、拠点地域における取組の成果と全県への波及についてでありますが、拠点地域となった4市では、大学と連携した指導者の資質向上に向けた研修会の実施や、地元企業と連携した指導者の確保等、それぞれの地域が有する資源を活用した取組が行われ、参加した生徒にとって、おおむね満足度が高い結果となった一方、運営費用の負担等が課題となっております。 なお、拠点地域での取組を全県に波及させるため、これまでも、随時、市町村の担当者連絡協議会等で報告してまいりましたが、今後も課題への取組状況も含め、情報共有に努めてまいります。 次に、地域人材の確保に対する県の支援についてでありますが、休日の部活動を地域の活動に移行する上で、指導者の確保が前提となりますが、人材の確保が困難な地域もあると認識しております。 これまで県内では、地元企業と連携して指導者を確保した事例や、指導者登録制度を導入している事例があることから、県教育委員会といたしましては、これらの事例の情報提供に加え、今後、近隣市町村と連携した活動の実施を助言するなど、市町村教育委員会への支援に努めてまいります。 次に、地域部活動に係る費用負担についてでありますが、地域移行後の活動は、学校の教育活動とは別の活動となることから、指導者の謝金等の運営費用については、基本的に受益者が負担するべきものと考えております。 なお、スポーツ庁は、地域部活動に係る運営費用の負担の在り方について、有識者による会議において検討するとしていることから、その動向を注視し、必要な情報を市町村教育委員会に提供してまいります。 ○議長(佐藤純君) 杉井旬君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) お諮りいたします。 議案調査のため、明3月1日は本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) お諮りいたします。 次会は、3月2日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後5時3分散会...